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ソフトバンテク Research Memo(3):第2次中期経営計画では以下の3つの重点テーマに取り組んできた

2019/5/29 15:13 FISCO
*15:13JST ソフトバンテク Research Memo(3):第2次中期経営計画では以下の3つの重点テーマに取り組んできた ■ソフトバンク・テクノロジー<4726>の会社概要 (1) クラウドへの集約 同社グループは大手企業や官公庁の顧客に対し、マイクロソフトソリューションの導入実績を積み上げてきた。クラウド環境ならではのセキュリティ課題、データの分析・見える化、クラウドサービス同士の連携、UI/UX※1の改善対応などを通じて様々なノウハウを蓄積してきた。その結果、859社184万ユーザ※2のクラウド導入実績を積み上げ、特に建設業・製造業の顧客基盤が充実・拡大し、蓄積したノウハウのサービス化にも成功した。その1つが自社クラウドサービスのブランドとして立ち上げたクラウドの力でワークスタイル変革やビジネスモデル変革を促進するソリューションの総称である「clouXion(クラウジョン)」である。もう1つがセキュリティ対策製品の販売・導入・保守に加え、運用監視まで行う「マネージドセキュリティサービス」である。このサービスと連携する独自のログ分析基盤をクラウド上に構築し、セキュリティアナリストの分析アルゴリズムをAI化することで、品質向上と作業効率化も実現し、さらにグローバル監視センターを開設し、国内企業における海外拠点のセキュリティ運用監視をタイムリーに対応する準備も整えた。 ※1 UI/UX:UI=User Interface/ユーザーインタフェース。ユーザーがPCとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み。UX:User Experience/ユーザーエクスペリエンス。サービスなどによって得られるユーザー体験。 ※2 2018年12月時点の、Office 365、Online Service Gate、ADFS on Cloud、Enterprise Mobility+Security、Microsoft Azure、Dynamics 365の導入実績総数 (2) IoTビジネスの開発 同社は顧客やパートナー企業との実証実験や共同研究を推進したことで、デバイスからクラウドまで一気通貫したIoTソリューションを提供するための土台を作り上げた。デバイスの領域では、IoTデバイスのライフサイクルをセキュアに管理可能な「セキュアIoTプラットフォーム」や極小画面デバイス向けフォントの提供を開始した。IoTビジネスの2019年3月期売上実績は約2億円程度であり業績への貢献度はまだ高くないが、今後の世の中の流れの加速や、製造・建設業界を主とした既存顧客のビジネスIT領域深耕による増加などが見込まれている。 (3) 強固な収益基盤確立 第2次中期経営計画を行う中で、同社は開発においてチャレンジを行ってきたが、大型不採算案件が発生し業績向上の妨げとなった。今後、同様の事態が発生することを抑止するために、プロジェクト管理体制の強化を推進している。 従前より手掛けてきた社内システム等の開発を中心とした請負型の開発案件では、大型不採算案件を抑制するプロジェクト管理を実現した。一方で、IT部門ではなく事業部門を対象としたビジネスIT領域では、変化の速い顧客のビジネス環境や事業課題を理解し対応していくために複数回に渡る要件の変更や作業の手戻りが発生し、当該領域で不採算案件が発生した。このため、今後はスクラム型の開発手法に移行準備を進めていく。また、クラウド・セキュリティ・IoTの各分野においては自社サービスの開発が進んだため、販売チャネルの体制強化に取り組む。 このように第2次中期経営計画の取り組みによって、エンタープライズ向けのクラウドとセキュリティのナレッジを蓄積し、システムエンジニア・ネットワークエンジニアの集団から、クラウドとセキュリティの専門家集団に進化を遂げることに成功した。 3. 事業概要 同社は第3次中期経営計画で設定した重点施策をよりスムーズに行うため、ソリューション区分を変更した。2018年度までは、「クラウドシステム」を構成するソリューション区分として、1)システムインテグレーション(SI)と2)CLOUD、プラットフォームソリューションを構成するソリューション区分として3)ITインフラ、4)セキュリティ、デジタルマーケティングを構成するソリューション区分として、5)EC、6)データアナリティクスとしていた。これらを、2019年度以降は、1)ビジネスITソリューション(EC/データアナリスティクス/セキュリティ)、2)コーポレートITソリューション(CLOUD/セキュリティ)、3)テクニカルソリューション(SI/ITインフラ)、4)ECソリューション(EC)に組み替える。この変更後のソリューション区分に基づき事業概要を説明する。 (1) ビジネスITソリューション ビジネスITソリューションでは、顧客の事業成長に貢献するためのコンサルティング及びITソリューションやIoTサービスの提供を行う。不確定で速い時代変化に合わせた事業戦略を遂行するために、同社の得意とするクラウドセキュリティという技術や、EC・データアナリティクスというデジタルマーケティングのノウハウを活用した、コンサルティング及びITソリューションを提供する。 (2) コーポレートITソリューション コーポレートITソリューションでは、クラウドサービス、セキュリティ運用監視サービス、働き方改革等のクラウド&セキュリティコンサルティング、クラウドインテグレーション、セキュリティ対策製品販売などを行う。ビジネスソリューションが顧客の本業を直接的にサポートする活動とすると、コーポレートITソリューションは顧客の本業が成長するためのIT支援、社内ITの業務アウトソースなど、側面支援が中心となる。 (3) テクニカルソリューション テクニカルソリューションでは、IT基盤の構築と運用保守サービス、サーバーやネットワーク機器の販売、Linuxやオープンソースソフトウェア(OSS)関連製品の販売、組込開発などを行う。 (4) ECソリューション ECソリューションではECサイトの運営代行(ウィルスソフト大手シマンテック<SYMC>のオンラインストア)、フォントセットの開発・販売、Webフォントサービスの提供等を行う。 4. 顧客 同社は第1次中期経営計画、第2次中期経営計画によりビジネスを大きく変革させてきたなかで、ソフトバンクグループ以外のエンタープライズ向け売上を伸ばすことに注力してきた。これからのクラウドの時代に向け、クラウド、セキュリティ、ビッグデータの注力事業を確立し、エンタープライズ向け開発・運用サービスを増やすことで、事業の拡大と収益基盤を確立することが狙いである。この取り組みにより、エンタープライズ向けの売上高は2012年度の69億円から2018年度は190億円と約2.7倍になり、売上全体に占める割合も21.2%から37.7%と16.5ポイント増加した。また、開発・運用サービス自体の売上は97億円から248億円と約2.5倍に増加し、割合も29.9%から49.2%と19.3ポイント増加した。この取り組みによって、顧客基盤や収益基盤の強化に成功している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行) 《ST》
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ICTサービス会社。通信やエンタープライズ、公共、個人向けにクラウドやセキュリティ等のソリューションを提供する。今期3Q累計は通信の投資抑制やフォントワークスの連結除外が影響も、利益率は改善傾向となった。 記:2024/02/23