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アウトソシング Research Memo(5):M&A等により9期連続の増収 過去最高の営業利益を更新(2)

2019/4/1 15:05 FISCO
*15:05JST アウトソシング Research Memo(5):M&A等により9期連続の増収 過去最高の営業利益を更新(2) ■アウトソーシング<2427>の決算動向 2. 2018年12月期決算の概要 2018年12月期の業績(IFRS)は、売上収益が前期比35.3%増の311,311百万円、営業利益が同32.7%増の15,073百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同24.5%増の7,696百万円と計画を上回る増収増益となり、売上収益、利益ともに過去最高を更新した。 売上収益はすべての事業が順調に拡大した。特に、国内においては、「国内技術系」がKENスクール等を活用した技術者採用が奏功したほか、「国内製造系」についてもPEOスキームの進展や外国人活用ニーズに対応した各種管理業務の拡大が業績の伸びをけん引。また、「国内サービス系」については、グループシナジー創出により国内米軍施設向けが大きく拡大した。一方、海外においても、M&Aを通じた人材流動化スキームの確立や安定的な公共関連サービスの伸びにより、「海外製造系及びサービス系」及び「海外技術系」がともに好調に推移している。 利益面でも、OTTOを始めとするM&A関連費用を含め、更なる成長に向けた先行費用(計画を上回る採用増に伴う教育費など)を積極的に投入したほか、ブレグジットへの不透明感から英国グループ会社※11社のみ減損処理(約7億円)※2を自主的に行ったものの、増収により吸収して計画を上回る営業増益を実現した。 ※1 政府向けに会計・金融系のコンサルティング業務を行う英国グループ会社VERACITY OSI UK LIMITED ※2 IFRSにおける減損損失は営業利益に反映される 財務状態は、オーガニックな成長やM&Aに伴って、「営業債権及びその他の債権」及び「のれん」等が増加したことにより資産合計が前期末比45.7%増の181,577百万円に拡大した一方、「親会社の所有者に帰属する持分(自己資本に相当)」も新株式発行(約354億円の資金調達)や内部留保の積み増しにより同121.8%増の55,362百万円と大幅な増強を図ったことから、「親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率に相当)」は30.5%(前期末は20.0%)と大きく改善した。なお、M&Aに伴う「のれん」計上額は同45.4%増の57,065百万円に拡大したが、固定資産を保有せず、キャッシュ・フローが安定的にプラスとなっている企業を対象としているため、減損リスクの懸念は小さいものと評価している。 主な事業別の業績は以下のとおりである。 (1) 「国内技術系アウトソーシング事業」は、売上収益が前期比41.3%増の72,434百万円、営業利益が同69.2%増の7,267百万円と増収増益となった。新卒採用人数が大きく増加したことに加え、未経験者を教育して配属するKENスクールや業界淘汰の取り組み※による技術者採用が奏功した。2018年12月末の外勤社員数は12,763名(前期末比4,047名増)と大きく拡大。そのうち、2018年4月入社の新卒採用が1,050名(2017年4月入社は550名)と倍増したほか、KENスクールによる教育後配置人数が1,544名(通期計画は1,500名)、業界淘汰の取り込みでも1,028名(通期計画は650名)とすべての施策が順調に進捗した。一方、利益面でも、新卒採用や技術者採用が順調に増加したことに伴って、計画を上回る採用費・教育費など先行費用を投じたものの、増収効果や契約単価の向上等により営業利益率は10.0%(前期は8.4%)に改善し、大幅な増益を実現した。 ※労働者派遣法の改正に伴って事業継続が困難となる同業者の取り込み。 (2) 「国内製造系アウトソーシング事業」は、売上収益が前期比26.7%増の62,302百万円、営業利益が同60.2%増の7,294百万円と増収増益となった。国内生産が堅調に推移するなかで、労働者派遣法の改正に伴う期間工から派遣活用への転換ニーズに対応したPEOスキームが順調に伸びており、2018年12月末の外勤社員数は13,698名(前期末比2,602名増)に拡大した。一方、管理業務受託については、メーカーの期間工活用ニーズは縮小傾向にあるものの、その代替として外国人技能実習生の管理等を代行するビジネスが本格化しており、2018年12月末の管理人数は11,225名(同5,597名増)に大きく拡大。国内で突出した管理人数を誇る事業者に成長した。また、利益面でも、粗利率の高い外国人技能実習生の管理業務受託の拡大や販管費率の低下により営業利益率は11.7%(前期は9.3%)に大きく改善し、大幅な増益を実現することができた。 (3) 「国内サービス系アウトソーシング事業」は、売上収益が前期比37.6%増の18,003百万円、営業利益が同43.4%増の1,371百万円と増収増益となった。2017年4月に買収したAECが通年寄与したことやグループシナジー創出が業績拡大につながった。特に、AECが入札時に必要とするボンド(保険)をアウトソーシング社の与信で拡充し、米軍施設の建設物や設備改修・保全業務の受注が大きく伸びている。例年を上回る沖縄への台風襲来の影響により第3四半期の業績が一時的に停滞したが、第4四半期で遅れを取り戻した。利益面でも、増収効果や採算性の改善により営業利益率は7.6%(前期は7.3%)に改善し、大幅な増益を実現した。 (4) 「海外技術系事業」は、売上収益が前期比26.4%増の36,570百万円、営業利益が同39.5%増の1,720百万円と増収増益となった。特に、第4四半期は売上高、営業利益ともに過去最高(四半期ベース)を更新している。欧州及び豪州にて、景気の影響を受けにくい各国政府・地方自治体からの独自開発システムを活用したBPO※1による業務受託や公共施設での各種アウトソーシング事業、金融機関からの業務受託がそれぞれ伸長した。また、2018年9月には、豪州にて政府やインフラ系企業を中心にICT※2コンサルティングやエンジニアのトレーニングを行うPROJECT MANAGEMENT PARTNERS PTY LIMITED(以下、PMP)をグループ化すると、技術者不足が拡大している豪州においても独自のKENスクールモデルを開始した。 ※1 業務プロセス一括の外部委託 ※2 情報通信技術 (5) 「海外製造系及びサービス系事業」は、売上収益が前期比39.3%増の121,564百万円、営業利益が同28.9%減の2,649百万円と増収ながら唯一減益となった。海外製造系は、各国の景気動向がおおむね高水準で推移するなかで、グループシナジーの創出(顧客紹介等のクロス営業)やM&A等により順調に拡大した。特に、2018年5月には欧州での人材流動化スキームを持つ大手人材会社OTTO(オランダ)がグループ入りし、グローバル規模での人材流動化スキームの基盤を確立することができた。一方、海外サービス系についても、景気変動の影響を受けにくく安定している公共関連の各種アウトソーシング事業が豪州及び欧州にて伸びている。グローバル規模で公務員削減と公的サービスの民間委託が進むなかで、2018年8月には政府向けに経理等の高度人材を派遣するALLEN LANE LIMITED(英国)(以下、ALL)をグループ化し、ALLの人材採用能力を活かしたシナジー創出にも取り組んでいる。ただ、利益面で減益となったのは、2つの一過性要因によるものである。すなわち、2018年1月のドイツでの労働関連法改正に伴う対応のほか、ブレグジットの不透明感に対する自主的な減損処理(約7億円)※が理由となっている。もっとも、前者については第2四半期に回復しているうえ、後者についても、混乱が生じた中央政府向けのコンサルティング業務に影響が出たものの、比較的安定している地方自治体向けへと軸足を移すことにより、足元の業績は順調に推移しているようだ。したがって、いずれ中央政府向けが落ち着きを取り戻せば、結果的に事業拡大へとつながることも期待される。 ※ 政府・地方自治体向けに会計・金融系のコンサルティング業務を行う英国のグループ会社VERACITY OSI UK LIMITED(2016年8月に連結化)に対する減損処理である。したがって、海外製造系に対するものではなく、ホンダ<7267>の英国撤退に見られるようなメーカーの動きを反映したものではないことに注意が必要である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《HN》
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