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アウトソシング Research Memo(1):2018年12月期も過去最高の売上・利益を更新

2019/4/1 15:01 FISCO
*15:01JST アウトソシング Research Memo(1):2018年12月期も過去最高の売上・利益を更新 ■要約 アウトソーシング<2427>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」や、メーカーの研究開発部門及びIT、土木建築系企業向けに技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍施設向け事業や海外展開にも積極的に取り組んでいる。M&Aを含め、独自スキームの構築による人材獲得に優位性を有しており、海外を含めた人材提供数(外勤社員数※1)は7.7万人超に上る(技術・製造系では国内業界最大の規模)。好調に推移している業界環境に依存することなく、景気変動の影響を受けやすい事業特性からの脱却や今後の環境変化への対応を図るため、事業構造の変革を進めており、「国内技術系アウトソーシング事業」や「国内サービス系アウトソーシング事業」、「海外事業」が大きく拡大。また、創業以来の「国内製造系アウトソーシング事業」においても、独自のPEO※2スキームによって、これまでの短期の生産調整領域から長期事業領域での人材ニーズの創出と顧客の囲い込みに取り組んでおり、同社ならではの成長戦略は順調に進展している。2018年10月には更なる成長に向けて公募増資を実施し、財務基盤の強化を図った。 ※1 外勤社員とは顧客メーカーにおける現場作業従事者の総称で、稼働中の派遣契約社員も含む(同社の定義を使用)。 ※2 Professional Employer Organizationの略。 2018年12月期の業績(IFRS)は、売上収益が前期比35.3%増の311,311百万円、営業利益が同32.7%増の15,073百万円と計画を上回る増収増益となり、売上収益、利益ともに過去最高を更新した。売上収益はすべての事業が順調に拡大。特に、国内においては、「国内技術系」がKENスクール等を活用した技術者採用が奏功したほか、「国内製造系」についてもPEOスキームの進展や外国人活用の関連ビジネスが業績の伸びをけん引している。また、「国内サービス系」については米軍施設向けが大きく拡大。海外においても、M&Aを通じた人材流動化スキームの確立や安定的な公共関連事業の伸びにより、「海外製造系及びサービス系」及び「海外技術系」がともに好調に推移している。利益面でも、M&A関連費用を含め、更なる成長に向けた先行費用(計画を上回る採用増に伴う教育費など)を積極的に投入したほか、ブレグジット※への不透明感から英国のグループ会社の減損処理を自主的に行ったものの、増収により吸収して計画を上回る営業増益を実現した。 ※英国のEU離脱問題 2019年12月期の業績予想(IFRS)について同社は、売上収益を前期比23.7%増の385,000百万円、営業利益を同26.1%増の19,000百万円と見込んでおり、引き続き過去最高の売上収益、利益を更新する見通しである。なお、計画の前提となっている換算為替相場については、為替変動による下振れリスクを最大限にヘッジするため、非常に保守的な水準となっていることに注意が必要である。これまで同様、求職者が魅力を感じる、他社が進出していない領域での事業や、スクールを活用したキャリアアップ・キャリアチェンジの独自スキームをグローバルに展開していく方針であり、各事業ともに同業他社と差別化した人材ニーズ対応スキームにより、持続的な成長を実現する考えである。利益面でも、新たなM&Aに係る費用(外部専門家費用のみ予算計上)をはじめ、更なる成長に向けた先行費用を織り込んでいるものの、増収により吸収することで増益を実現する見通しとなっている。 同社は、2020年12月期を最終年度とする中期経営計画を推進している。国内では成長性及び付加価値が高く、人材不足が課題となっているIT及び土木建築分野(技術系)や参入障壁の高い米軍施設向け(サービス系)、海外では公的サービスの民間委託分野などを大きく伸ばす方針である。特に、いかなる環境変化にも打ち克つ企業になるべく、製造分野と異なる景気サイクル分野の拡充や景気の影響を受けにくい公共事業のアウトソーシングの強化、グローバルな人材流動化への対応などに取り組む。2020年12月期の目標として、売上収益を4,410億円、EBITDAを344億円と意欲的な水準を掲げており、海外事業においては、引き続き、M&Aを重要な成長戦略の軸とする方針である。 また、国内人口が減少する一方、世界の人口は大きく拡大し、グローバルで人材の流動化が進むことが予想されるなかで、その成長機会(ポテンシャル)を最大限に取り込むためには、世界No.1を視野に入れた体制構築を早めることが重要であると認識しており、今後策定していく経営計画においては、その通過点として、売上規模1兆円の実現を目指す考えである。 ■Key Points ・2018年12月期は計画を上回る大幅な増収増益により過去最高の売上・利益を更新 ・公募増資による財務基盤強化や海外M&Aを通じた人材流動化スキームの確立など、今後の成長に向けても大きな成果を残した ・2019年12月期の業績も引き続き過去最高の売上・利益を更新する見通し ・今後もM&Aを含む成長戦略の推進により、事業構造の変革を進めながら、世界No.1を視野に入れた体制構築に取り組む (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《HN》
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製造業向け人材派遣・業務請負が柱。M&Aを活用して国内外で事業拡大。昨年12月に発表したMBOの一環として米投資ファンドのベインが1株1755円でTOB実施。今年3月にTOBが成立し、同社株は上場廃止へ。 記:2024/04/10