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ラクオリア創薬 Research Memo(9):6プログラムを保有。P-CABの主要3地域への導出などが注目ポイント

2019/3/28 7:49 FISCO
*07:49JST ラクオリア創薬 Research Memo(9):6プログラムを保有。P-CABの主要3地域への導出などが注目ポイント ■導出候補プログラムの進捗状況 1. 導出候補プログラムの概況 ラクオリア創薬<4579>は消化器領域で5プログラム、疼痛領域で1プログラムの、合計6つの導出候補プログラムを有している。 前述のようにtegoprazan(P-CAB)は、日米欧を除く地域についてはCJヘルスケア(韓国)に導出済みだが、市場規模が格段に大きい主要3地域を対象とした分は依然として導出候補プログラムとして導出の機会を追求している。 5-HT4部分作動薬と5-HT2B拮抗薬については、日本を除くグローバル市場を対象としてZTE Biotech(中国)との合弁企業に導出する契約が一旦結ばれたが、合弁契約が白紙に戻ったことで、全世界を対象に導出候補プログラムとなっている。 非びらん性胃食道逆流症への適応を有する「K-CAB®」の販売開始が 導出への大きな弾みになると期待 2. tegoprazanの進捗状況 日米欧の医薬品市場の市場規模は他の地域と比べて圧倒的に大きく、同社がこれら3地域を対象にtegoprazanの早期導出を目指しているのはこれまで説明してきたとおりだ。 前述のように、同社が日米欧以外を対象にtegoprazanをライセンスアウトしたCJヘルスケア(韓国)は2019年3月に韓国で「K-CAB®」の製品名でtegoprazan上市した。注目すべきはK-CAB®の適応症が、びらん性胃食道逆流症と非びらん性胃食道逆流症の両方が含まれている点だ。胃食道逆流症には食道粘膜の炎症(ただれ)の有無によりびらん性(食道炎あり)と非びらん性(食道炎なし)の2つのタイプがある。胃食道逆流症の半数以上は非びらん性が占めると言われている。 P-CABで先行する武田薬品の「タケキャブ®」はびらん性のみを適応症としている。武田薬品は、2019年2月発表の「2018年度第3四半期 DATA BOOK」にて、vonoprazan(タケキャブ®)の日本における非びらん性のフェーズ3試験について、「P-3試験データは本効能での承認申請を追及するに足るものではなかった」として、非びらん性の適応症について開発を中止することを発表した。Vonoprazanは、これで2度目となる非びらん性の臨床試験にも失敗したことになる。 そのため、非びらん性の胃食道逆流症については従来のPPIで対応するしかない状況だが、PPIが効果を発揮しないケースが多くみられることから、「K-CAB®」の非びらん性の臨床試験の成功は、tegoprazanの導出戦略において強力なアピールポイントとなる。 同社はCJヘルスケア(韓国)との契約で、CJヘルスケア(韓国)のデータパッケージを無償で利用することが可能となっている。同社は非びらん性への適応も含めてそのデータパッケージを最大限に活用して導出活動を強化する方針だ。 一方で、武田薬品は、「タケキャブ®」について、2019年3月期第3四半期の売上高が443億円(前年同期比18.2%増)と順調に売り上げを伸ばしていることも発表している。「タケキャブ®」が高評価を獲得して売上を順調に伸ばしている現実は、tegoprazanにとっても追い風という考え方は従来どおりだ。「タケキャブ®」がP-CABの医薬品として評価を確立した市場ではあるが、tegoprazanには非びらん性への有効性という差別化要因があり、これによって、「タケキャブ®」との共存を図ることは十分可能だろう。「タケキャブ®」からシェアを奪うのではなく、「タケキャブ®」がPPIを代替できていない市場をtegoprazanが代わりに奪うというイメージだ。 今後の進捗に関して確定的なことは何も言えないが、まずはCJヘルスケア(韓国)によるK-CAB®の発売後の市場評価を待ちたいと弊社では考えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《SF》
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旧ファイザー中央研究所が前身の創薬ベンチャー。愛知県名古屋市に本社。胃酸分泌抑制剤「テゴプラザン」、ペット用医薬品等を手掛ける。低分子創薬、イオンチャネル創薬が強み。テゴプラザンは承認国が順調に拡大。 記:2024/08/19