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シンバイオ製薬 Research Memo(6):薬価ベースの売上成長ポテンシャルは400億円前後と18年実績の5倍

2019/3/19 15:16 FISCO
*15:16JST シンバイオ製薬 Research Memo(6):薬価ベースの売上成長ポテンシャルは400億円前後と18年実績の5倍 ■中期経営計画 3. 売上成長ポテンシャル 2022年以降についても業績は右肩上がりに成長を続ける可能性がある。「トレアキシン®」で開発を進めている再発・難治性のDLBCLで販売承認が得られれば、国内での対象患者数が2018年の約1.7万人から約3.5万人と一気に2倍に拡大するためだ。シンバイオ製薬<4582>の資料によれば、2018年時点の対象患者数は再発・難治性のNHLで9,336人、未治療のNHLで6,967人、CLLで656人の合計16,959人で、これに再発・難治性のDLBCLの18,672人が加わることになる。市場浸透率を何%に置くかによっても変わってくるが、DLBCLを除けば薬価ベースで120~130億円のポテンシャルがあると見られ、これに再発・難治性DLBCLの患者が加わることになるだけで、単純計算すれば約2倍になる。 さらに、「リゴセルチブ」が「アザシチジン」との併用療法で未治療の高リスクMDSを適応症とする承認が取れれば、「アザシチジン」と同規模程度の売上(約150億円)が期待できることになり、これら開発がすべて成功すれば、売上成長ポテンシャルは薬価ベースで2018年の85億円から400億円前後、同社の売上高としては300億円以上となる計算だ。同社は今後のパイプライン戦略について、新規ライセンス案件の導入交渉を2件程度進めているようで2022年までにパイプラインとして加わる可能性がある。 2020年12月期までの事業資金は新株予約権の行使で調達方針 4. 財務状況 2018年12月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,987百万円増加の6,239百万円となった。流動資産のうち、現預金が1,874百万円、商品及び製品が171百万円増加したことによる。一方、負債合計は前期末比324百万円増加の1,337百万円となった。主に未払金が172百万円、買掛金が121百万円増加した。 また、純資産は前期末比1,662百万円増加の4,901百万円となった。当期純損失の計上により利益剰余金が2,752百万円減少した一方で、第三者新株予約権の行使に伴い資本金及び資本剰余金がそれぞれ2,210百万円増加したことによる。 同社は今後の事業活動資金を安定的に調達するため、2018年4月にEVO FUNDを割当先とする第45回乃至第47回新株予約権(行使価格修正条項付)を発行している。新株予約権に相当する普通株式数は合計で50百万株となり、希薄化率は92.5%となる。毎年3回に分けて新株予約権の行使を行うことで安定的に資金を調達するスキームとなっている。既に第45回(20百万株)については行使が完了しており、手取り概算額で2,579百万円を調達している。残りは2019年と2020年に分けて行使される予定になっている。2018年12月期末の現預金は約48億円で、会社の業績計画を前提にすると2019年から2020年までは累計で88億円のキャッシュアウトが生じることになる。このため2020年までの事業活動資金としては少なくとも40億円が必要だが、現状の株価水準(2019年3月14日229円)で残りすべてが行使されたとすれば68億円の調達が可能となり、十分賄える状況にある。ただ、今後株価が下落して下限行使価額の113円近辺で推移した場合は、手元資金が不足し新たな資金調達を行う可能性がある点には留意しておく必要がある。なお、中期経営計画の最終年となる2022年12月期の純利益は1,736~2,060百万円を目標としており、今後、47回までの新株予約権がすべて行使されたことを前提に1株当たり利益を試算すると16.7~19.8円になる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《RF》
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がん、血液、ウイルス感染症分野がターゲットのバイオベンチャー。抗悪性腫瘍剤「トレアキシン」が主力。トレアキシンの処方患者数は3.7万人超。アデノウイルス感染症など抗ウイルス薬BCVのグローバル開発推進。 記:2024/08/19