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シンバイオ製薬 Research Memo(4):2018年度は今後の成長に向けた大きなターニングポイントに

2019/3/19 15:14 FISCO
*15:14JST シンバイオ製薬 Research Memo(4):2018年度は今後の成長に向けた大きなターニングポイントに ■シンバイオ製薬<4582>の業績動向 1. 2018年12月期の業績概要 2018年12月期は、今後の成長に向けた大きなターニングポイントの1年になったと考えられる。2021年以降の黒字化を達成するための原動力となる3つの事業要素が揃ったためだ。第1に、「トレアキシン®」の販売について2021年以降は自社販売体制で行うことを決定したこと、第2に、悪性リンパ腫の標準治療法として「トレアキシン®」が日本血液学会から推奨され、名実ともに標準治療法としての評価を受けたこと、第3に、開発パイプラインが着実に進展したことが挙げられる。開発パイプラインの進展では「トレアキシン®」の液剤RTDに関して臨床試験を行わなくても承認申請できるようPMDAと合意が成され、2021年第1四半期に発売できる見通しが立ったこと、また、液剤RIについては36例と少数の臨床試験で安全性の確認が取れれば、承認申請ができるようになり、2022年発売の見通しが立ったことが大きい。前述したように凍結乾燥剤での後発医薬品の参入を事実上、阻止できるためだ。 こうしたなか2018年12月期の業績は、売上高で前期比11.4%増の3,835百万円、営業損失で2,656百万円(前期は3,947百万円の損失)、経常損失で2,748百万円(同3,976百万円の損失)、当期純損失で2,752百万円(同3,977百万円の損失)となった。 売上高は「トレアキシン®」が未治療の低悪性度NHL/MCL向けでの市場浸透率が上昇したことにより、前期比10.6%増と伸びたことが増収要因となった。なお、期初計画比で8.7%の未達となったが、これはアステラス・ドイッチラントから輸入している製剤のうち、小容量製剤(25mg)に関して外観不良が見つかり、期中に輸入と出荷の一時停止を行ったことに加え、未治療の低悪性度NHL/MCL向けにおいて、R-CHOP療法からの切り替えが想定よりも緩やかだったことが主因となっている。なお、輸入品のうち100mg製剤に関しては問題なく販売を継続している。当面、25mg製剤の販売は停止することになるが、100mg製剤に切り替えてもユーザーには支障がないため、2019年の売上げには影響がない。 研究開発費は前期比39.3%減の1,832百万円となったが、2017年はイーグル・ファーマシューティカルズとのライセンス契約締結に伴う一時金支払い1,393百万円が含まれていたためで、同要因を除けば臨床試験の進展に伴い同12.8%増となっている。期初計画の2,311百万円に対して未達となっているのは、再発・難治性のDLBCLを対象とした第3相臨床試験の被験者登録がやや遅れ気味だったことや、液剤RTDの臨床試験がPMDAとの協議により不要となったことなどが要因と見られる。その他販管費については、経費抑制を進めるなかで前期比1.8%の増加に抑えている。これらの結果、営業損失は前期比で1,290百万円縮小した。 2019年度は臨床試験の進展と自社販売体制構築に準備を進める 2. 2019年12月期の業績見通し 2019年12月期の業績は売上高で前期比16.4%増の4,465百万円、営業損失3,587百万円(前期は2,656百万円の損失)、経常損失3,612百万円(同2,748百万円の損失)、当期純損失3,616百万円(同2,752百万円の損失)となる見通し。 「トレアキシン®」は引き続き未治療の低悪性度NHL/MCL向けでの拡販により前期比17.0%増収を見込んでいる。費用面では、研究開発費が臨床試験の進展に伴い前期比676百万円増の2,508百万円となるほか、その他販管費も同550百万円増の2,545百万円となり、営業損失の拡大要因となる。その他販管費については、自社販売体制構築に向けた準備費用が増加要因となっている。具体的には、「トレアキシン®」の今後の販売を担う中核人材(トレアキシンマネージャー)を2018年末の10名から20名までに増やすほか、営業・マーケティング活動費用や自社販売を行う際に必要となるシステムの構築費用で、合わせて550百万円の費用増を見込んでいる。トレアキシンマネージャーについては2019年4月に20名体制が整う見通しとなっており、第2四半期以降に稼働していくことになる。まだ、自社販売はできないもののエーザイが開拓しきれていない顧客に対して、エーザイのMRにアドオンする形で営業活動を行っていく。特に、未治療の低悪性度NHL/MCL向けにおいてR-CHOP療法からBR療法への切り替えに取り組み、2019年は薬価ベースで「トレアキシン®」の売上高101億円の達成を目指している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《RF》
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がん、血液、ウイルス感染症分野がターゲットのバイオベンチャー。抗悪性腫瘍剤「トレアキシン」が主力。トレアキシンの処方患者数は3.7万人超。アデノウイルス感染症など抗ウイルス薬BCVのグローバル開発推進。 記:2024/08/19