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オプティム Research Memo(7):農業×ITで本格的収穫・販売が始まる

2018/12/25 16:27 FISCO
*16:27JST オプティム Research Memo(7):農業×ITで本格的収穫・販売が始まる ■成長戦略・トピックス 1. 農業×IT:スマート農業の本格的収穫・販売が始まる 〇〇×ITの中でも、農業×ITの進捗は顕著である。2018年はドローンやAIをフル活用して米や大豆、野菜などが本格的に栽培され、市場に流通し、文字どおり“収穫”の年となった。オプティム<3694>が取り組むスマート農業の取り組みは全国に広がり、18品目18都道府県(全国の1/3の都道府県が参加)、約400の農業法人・生産者が参加するまでに拡大した。成果の一例を挙げると、兵庫県篠山市ではピンポイント農薬散布テクノロジーを用いた丹波黒 大豆・枝豆の栽培に成功、2018年10月に高島屋で販売された。害虫に関する農薬使用量を99%削減し同作業労力にも30%程度削減に成功した。ちなみに、AIによる画像解析を行い、不必要な農薬(肥料)を散布せず減農薬(施肥)栽培を実現する「ピンポイント農薬散布・施肥テクノロジー」に関しては、2018年10月に同社が基本特許を取得している旨を発表した。 農業×IT分野での同社のビジネスモデルは“スマート農産物”の流通まで行うというものだ。ある特定の農家にはAIやIoTの投資をする資力はなく、仮に投資できたとしても既存の流通構造の中では、農薬を使っても使わなくても同一の売値しかつかない。同社は、スマートな農産物のブランディングからeコマースによる販売まで手掛け、これらの問題を解決する覚悟である。同社は、2018年11月、削減対象農薬を最大で100%削減し、最先端の技術を使った米や野菜を販売するWebサイト「スマートアグリフーズ直送便(愛称:スマ直)」がオープンし「スマート米」の販売を開始した。小売価格は通常栽培品の1.5倍~3倍程度。ブランド価値を大切にするマーケティングを行うため浸透には時間がかかると想定されるが、世界でも最先端の取り組みとして注目を集めることになりそうだ。 2. 戦略商品「OPTiM AI Camera」「OPTiM AI Prediction」を発売 同社は、300種類を超える学習済モデル適用メニューを備えた「OPTiM AI Camera」、定量データ解析に基づく予測サービス「OPTiM AI Prediction」の2つの新製品を発売した。「OPTiM AI Camera」とは、店鋪や施設など業界別・利用目的別に設置された様々な種類のカメラからデータを収集し、学習済みモデルを活用して画像解析を行うことでマーケティング、セキュリティ、業務効率改善などを支援するパッケージサービス。従来の画像解析サービスでは解析に当たって学習期間が必要となり、顧客にとっては時間とコストがかかる点が課題だった。「OPTiM AI Camera」は、「小売」「飲食」「鉄道」など10業種を対象とした計300種類を超える学習済モデルを適用したメニューを備えており、低コストで実用化できるサービスを開始することが可能である。つまりAI導入の課題となる“教師データ”が蓄積済みなのである。同社はベンダーフリーを強みとしており、カメラの機種を選ばないのも魅力だ。活用事例を挙げると、 例1)飲食店で空席情報を分析し、その時間帯限定のクーポンを発行し売上げを上げる 例2)工場や倉庫で従業員の稼働や動線を把握し生産性を上げる など様々な活用法がある。価格は月額1万5千円(システム利用料、カメラ1台当たり、ベーシックプランの場合)からとリーズナブルだ。 「OPTiM AI Prediction」では、「OPTiM AI Camera」で得られた測定データに基づき、「混雑予測」「入店者数予測」「属性別利用予測」「店舗前通行者数予測」などの予測が可能である。 AI・IoTは“大企業が実験的に使う時代”から“中小企業が気軽に使う”時代に入り、同社はその流れをリードする存在である。 3. 九州電力株式会社とAI・IoT等を活用した新サービスや新規事業の開発等で戦略的提携 2018年10月、九州電力<9508>と同社はAI・IoT等を活用したサービスや、新規事業の検討・開発における継続的な連携・協力を目的に戦略的提携を締結した。九州電力は発電所(約200カ所)、変電所(約600カ所)、送電網(約1万km)、配電網(約15万km、地球3.5周分)などの膨大なインフラ設備を持ち、日々管理をしている。最初のステップとしては、これらのインフラ設備を対象に、AIによる画像解析を活用したインフラ設備の点検業務の効率化やビッグデータを活用した故障予知分析などを共同開発・実証実験し社内利用を目指す。次のステップとしては、実証されたサービスを基軸として新規事業・新サービスを創出し提供するという構想だ。九州で実証されたモデルを全国、あるいは世界に展開していこうという戦略であり、大きな広がりがある。 主な取組みは以下の通り。 ・設備保全や現場作業をAI・IoT等で支援するフィールドワークサービス ・農林水産業における生育管理や品質管理をAI・IoT等で支援するサービス ・データ分析や活用支援サービス ・AI・IoT等を活用したスマートシティ向けの都市開発ソリューション ・その他両社の強みを活かし、協業できるサービス・事業 等 なお、同社は将来性・拡張性の高い具体的な取組みを、より機動的かつ安定的に展開していくため、将来の資本的連携についても検討していくと発表している。 4. 特許技術を用いて、警察×ITの取り組み佐賀県でスタート 2018年10月、同社と佐賀県警察(以下、佐賀県警)は、AI・IoTを活用した防犯技術等の研究開発・運用を行うことで安全安心を実現し、警察業務の効率化を図ることを目的とした「AI・IoTを活用した地域の安全安心にまつわる防犯技術等の研究開発・運用に関する包括連携協定」(以下、本包括連携協定)を締結した。 同社がこの分野で応用する技術は主に2つ。「AIを⽤いた正常値学習による不審挙動検出」と「AIを用いたモンタージュ画像とカメラ画像の顔認証技術」である。不審挙動検出に関しては、不特定多数の行き交う公共の場所(施設内・車両内など)で、そのエリアの正常な人の行動や服装を学習しておき、正常値からの乖離が大きい場合に不審者アラートが出る技術だ。顔認証に関しては、AIで似顔絵の画像解析を行い、人物写真のデータベースから似顔絵の人物を特定する特許技術(2018年10月取得している旨を発表)が活用される。イラスト(似顔絵)とカメラ画像との適合で95.5%という高い適合率が証明されている期待の技術である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) 《MH》
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