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BS11 Research Memo(4):前期比増収増益を達成。各利益は計画を上回って着地

2018/11/21 15:04 FISCO
*15:04JST BS11 Research Memo(4):前期比増収増益を達成。各利益は計画を上回って着地 ■業績の動向 1. 2018年8月期決算の概要 日本BS放送<9414>の2018年8月期連結決算は、売上高12,494百万円、営業利益2,427百万円、経常利益2,425百万円、親会社株主に帰属する当期利益1,659百万円で着地した。同社は2018年8月期第2四半期より連結決算に移行したため前期比較はない。 事前予想との比較においては、売上高は予想に対して3.9%(505百万円)の未達となったが、利益面では営業利益が予想を8.4%(187百万円)上回ったのを始め、すべての利益項目が予想を上回った。 同社は2018年1月11日付で児童書出版の老舗企業2社を子会社化し、連結決算に移行した。連結子会社の業容は売上高が2社合計で約10億円弱(フル寄与ベース)であるのに対して、営業利益は数百万円にとどまっている。連結子会社2社の業績は今後もこの水準から大きく変動する可能性が小さいため、同社の短期業績や中長期の成長性を左右するのは同社本体が担うBS放送事業という構図となっている。したがって以下では同社の個別業績(単独決算)をベースに説明する。 2018年8月期の個別業績は、売上高12,015百万円(前期比3.9%増)、営業利益2,416百万円(同8.5%増)、経常利益2,420百万円(同8.4%増)、当期純利益1,670百万円(同10.0%増)と増収増益で着地した。 一方、事前予想との比較では、売上高は予想に対して5.8%(735百万円)のショートとなったものの営業利益は計画を8.4%(186百万円)上回った。経常利益、当期純利益も営業利益と同様の動きだった。 前述のように、予想に対して売上高と利益とで逆方向となったことや、2019年8月期の業績予想が増収ながら減益予想となっていることで、2018年8月期の評価が難しいと考える向きもあるだろう。しかしながら弊社では、2018年8月期はポジティブに評価して良い内容だったと考えている。詳細は後述するが、売上高においては、事業環境の変化に機敏に対応して前期比較で増収を確保したことと、同社が注力してきた『良質な番組作りを通じた収益成長』が軌道に乗ってきていることを確認できたことの2つの点で大きな収穫があったと考えている。一方利益面では、BS放送局ならではの低コスト構造とそれを最大限に生かしたコストコントロール力の高さを生かして前期比及び計画比増益を達成したことで、同社の持つ利益獲得能力の高さを改めて示したと評価している。 BS放送事業の実態面では、2018年4月の改編において、平日のゴールデンタイムの番組をすべて2時間枠にするという今までにない意欲的な取り組みを行い、所期の成果を上げるとともに今後につながるデータや視聴者の反応などを獲得することができた。また、開局10周年特別番組として2017年12月に放送した『北斎ミステリー~幕末美術秘話 もう一人の北斎を追え!~』が平成30年日本民間放送連盟賞・番組部門〔テレビエンターテインメント番組〕最優秀賞を受賞し、同社が目指す良質の番組作りが着実に進捗していることを証明した。 特番の減少などで売上高は計画に対して未達となったが、自社制作番組で着実に広告料を稼げることになったことの裏返しでもある 2. BS放送事業の売上高の動向 個別売上高の四半期ベースの推移を見ると、第4四半期(2018年6月−8月期)において、前年同期比7.4%の減収となったことがわかる。同社は2007年12月にBSデジタルハイビジョン放送を開始して事業を本格的にスタートさせて以来順調に収益を拡大させてきた。その同社にとって今第4四半期の前年同期比減収は、実質的に初めての経験だ。第3四半期の前年同期比伸び率も4.7%と低下しており、この時点から減速の兆しが出ていたことがうかがえる。 収入タイプ別内訳を見ると、中核を成すタイム収入とスポット収入が第4四半期において前年同期比減収に転じた。この結果通期ベースでも増収率はそれぞれ前期比2.4%増、同6.5%増と鈍化し、これが売上高の予想比未達の原因となった。 スポンサー収入の減速の理由について同社は、1)BS放送業界全体が厳しい環境であること、2)一部ショッピング企業の出稿先に変化の兆しがあること、3)特別番組の本数が前年同期に比べて減少したことの3つを挙げている。 1)について、業界全体の成長率が2%程と厳しい状況であることが要因である。その中でも同社は、2桁成長までとはいかなかったが、競合他社と比較すれば高い成長率を達成している。この結果は、同社の戦略・施策が効果的なものであったと弊社は考え、今後の展開に期待している。 2)については、BS放送業界全体のトレンドであり、言わば事業環境変化の1つと捉えることができる。同社はTVショッピング収入について2018年8月期通期ベースでは前期比増収を確保したもようで、競合他社と比較して相対的に影響は軽微だったと言える。しかしTVショッピングは同社の収入の柱の1つであり、今後も油断はできない要素と言える。この点は同社自身が強く意識していることであり、この厳しい環境の変化に対応するためにも、引き続き良質な自社制作番組に力を入れると同時に、様々な施策への取り組みを強化している。 3)について、同社は2017年8月期が開局10周年に当たることもあり、前期は特番の制作本数を増やした。対して2018年8月期はその反動で特番の数が減少した。反動減自体は当初からの計画どおりとみられるが、(周年とチャンネル番号をかけた)11周年記念特番の放送を2018~2019年の年末年始(2019年8月期第2四半期に該当)に強化する方針としたことで、2018年8月期の特番数が想定よりも減少したとみられる。 この点について弊社では、ポジティブな見方をしている。同社の自社制作番組は従来、スポンサーの獲得が伴わないものが多かった。しかしここ数年は同社の良質な番組作りへの取り組みの結果、とりわけ特番においてはスポンサー収入が着実に得られるようになってきていた。“特番の放送本数減少による減収”は、同社の特番がしっかりとスポンサー収入を獲得できていることの裏返しであり、その点を確認できた意味は大きいと弊社では考えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《MH》
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ビックカメラ傘下の無料BS放送局。子会社で児童書の出版も。タイム収入は通販枠の強化・拡充により堅調。スポット広告収入が足踏み。アニメ強化に向けた費用増は重し。配当性向4割目安。コンテンツ価値の最大化を図る。 記:2024/07/31