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ブイキューブ Research Memo(3):ストック型のクラウド型サービスが主力

2018/9/26 16:18 FISCO
*16:18JST ブイキューブ Research Memo(3):ストック型のクラウド型サービスが主力 ■ブイキューブ<3681>の事業概要 同社グループが提供しているビジュアルコミュニケーションサービスは、「いつでも」・「どこでも」・『だれでも』使える、をコンセプトに、ユーザーのPCあるいはスマートフォン、タブレット端末等のモバイル端末から、インターネットを通じて、遠くの相手とお互いの顔や資料を共有しながら遠隔会議を行うWeb会議サービス、あるいはオンラインセミナー等に代表される、文字や音声だけでなく、映像も含めたコミュニケーションサービスである。 同社の事業は、ビジュアルコミュニケーションサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントの開示はなく、サービスの提供形態に応じて、クラウド※1型、オンプレミス※2型、アプライアンス、その他の4つのカテゴリーに区分した販売形態別と、日本、海外に区分した販売地域別の開示が行われている。2018年12月期第2四半期における販売形態別売上構成比はクラウド73.2%、オンプレミス9.4%、アプライアンス12.2%、その他5.2%。一方、地域別売上構成比は日本81.4%、海外18.6%であった。 ※1 顧客側で高価なハードウェアの購入が必要なく、アプリケーション機能をインターネット経由で提供するサービス。 ※2 顧客ニーズに合わせてカスタマイズし、顧客のイントラネット内にシステムを導入するサービス。 1. 販売形態 (1) クラウド型サービス 同社グループで管理している世界各国に展開されたサーバーに、インターネットを通じてアクセスし、必要な時に、必要な分だけサービスを利用する販売形態である。顧客はサーバーを用意、管理する必要がないため、サーバー管理費やシステム保守費用を支払う必要はなく、月々の定額利用料等を支払うのみとなっている。 (2) オンプレミス型サービス サーバーごとにライセンスを販売し、顧客自身が管理・運用しながら利用する販売形態である。自社専用のWeb会議システムを構築したい、アクセス制御等のセキュリティーポリシーの影響でクラウド型サービスを導入することが難しい等のユーザー(具体的には、教育機関、官公庁、金融機関など)ニーズに対応するため、クラウド型サービスとしてサービス展開しているものをカスタマイズ可能な形で、ライセンス販売している。 (3) アプライアンス 教育機関を中心に電子黒板システム、官公庁や企業を中心にディスカッションテーブル、企業を中心にテレビ会議システム「V-CUBE Box」、防音型コミュニケーションブースの「テレキューブ」等の販売を行う。ハードウェアとソフトウェアを一体とした販売形態である。電子黒板システムとディスカッションテーブルは主に旧PVCで、テレビ会議システムは同社グループ全体で販売している。 (4) その他 ビジュアルコミュニケーションに関わるハードウェア(Webカメラ、ヘッドセット、エコーキャンセラ付きマイク、大型液晶ディスプレイ等)等の販売を行う。 2. 販売チャネル クラウド型及びオンプレミス型ともに販売方法は、同社営業による直販のほか、販売代理店経由、OEM(他社ブランド名でのサービス提供)の3種類。国内販売に関して見ると、クラウド型の場合、新規契約の4割が代理店経由、オンプレミス型は約7割が代理店経由となっている。なお、電子黒板は販売代理店経由が主となっている。 国内の販売代理店は、大塚商会<4768>、キヤノンマーケティングジャパン<8060>、東日本電信電話(株)、NTTドコモ<9437>などのNTTグループ会社、ソフトバンク コマース&サービス(株)、(株)日立システムズ、コネクシオ<9422>、日本ユニシス<8056>、内田洋行<8057>など、大手システムインテグレータ、通信キャリアのグループ会社、ITベンダー等が同社のサービスを販売している。 3. 顧客基盤 同社グループの顧客は、中小企業から上場大手企業、官公庁、教育機関、各種団体まで幅広く、業種に偏りがない。これまで累計で5,000社以上のユーザーに対する導入実績を有する。加えて、2015年に買収したアイスタディ<2345>はメガバンクを含む大手金融機関など400社以上を既存顧客として有するほか、eラーニング製品を個人向けに販売している。一方、海外の顧客は、現地企業、現地政府が主要顧客となっている。 4. ビジネスモデル (1) 積み上げ型のビジネスモデル 同社の売上高の7割を占め、主力となっているクラウド型サービスは基本的に月額課金であり、基本的に解約がなければ、新規契約分が純増するという積み上げ(ストック)型のビジネスモデルである。月額利用料は、利用規模によって異なる(例えば、5千円から数百万円までとかなり幅広い)ものの、契約先を増やすことと、1社当たりの契約利用料(契約ポート数×契約ポート単価)を増加させることが同社の売上高の増加につながる。スイッチングコストが高いため、一度契約すると途中解約する企業は少なく、大部分が契約を継続する長期利用となっている。 オンプレミス型サービスについては、クラウド型サービスの約3年分の利用料相当額のようであるが、オンプレミス型でも保守契約が継続されるため、顧客数の積み上げが売上拡大につながる仕組みとなっている。加えて、ハードウェアとソフトウェアを一体として取り扱う、電子黒板、テレビ会議システム「V-CUBE Box」などを含むアプライアンスの売上高がある。 (2) コスト(費用)の構造 主なコストは、サーバー関連費用、通信回線(専用線)費用、ソフトウェア開発費用、営業費用などである。サーバーは外部のデータセンターを利用しているが、一部は同社グループ専用サーバーとして利用している。顧客(利用量)の増加に伴ってある程度サーバーを増強していく必要があり、サーバー関連費用は多少増加するが、規模が大きくなればなるほど売上高に対する比率は下がる。また、通信回線費用も同様で、売上規模の拡大ほどにはコストは増加しない構造となっている。このため、クラウド型、オンプレミス型ともに限界利益率は約90%と極めて高い。 ただ、クラウド型の場合、ソフトウェア投資コストや営業費用を長期にわたって回収するため、新規ユーザー獲得のために営業人員を大幅に増員するような経費先行投下期間では当該期間の収益が悪化する場合がある。 アプライアンスに関しては、電子黒板では大型液晶ディスプレイを仕入れて販売するため、売上高の増加に比例して、売上原価が増える点に留意する必要がある。 5. 主要サービスの内容 同社グループが提供する主要サービスは、顧客ニーズに合わせ幅広い提案ができるラインアップを取りそろえている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行) 《SF》
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