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平山 Research Memo(1):M&A効果や特別利益の計上により2018年および2019年6月期も大幅増収増益へ

2018/7/17 15:31 FISCO
*15:31JST 平山 Research Memo(1):M&A効果や特別利益の計上により2018年および2019年6月期も大幅増収増益へ ■業績動向・今後の見通し 1. 会社概要 平山ホールディングス<7781>は、日本のものづくり(製造業)を支える製造支援会社として、インソーシング(請負)・派遣事業や技術者派遣事業、海外事業等を展開する。製造現場の改善につながるコンサルティングサービスも提供しており、同サービスをフック役に新規顧客の開拓を国内外で進めている。2015年7月に認知度の向上と人材確保を目的として東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場、2017年3月には環境変化に迅速に対応できる体制構築と意思決定の迅速化による企業競争力強化を目的に、持株会社体制に移行、2018年7月には食品工場への製造派遣や店舗の運営請負を展開するFUN to FUN(株)をM&Aでグループ化している。 2. 2018年6月期業績について 2018年8月14日に公表予定の2018年6月期の連結業績は、直近の会社計画である売上高13,300百万円(前期比14.2%増)、営業利益170百万円(同335.9%増)親会社株主に帰属する当期純利益270百万円(同83.7%増)をやや上回って着地するもようだ。第3四半期(2018年1月-3月)の営業損失が7百万円(前年同期は2百万円の利益)と悪化したが、これは非連結子会社3社を第3四半期から新たに連結対象に加え、期首に遡って損益に反映させたこと、また、2018年1月に新設した(株)平山トップテクニカルサービス※の立ち上げ費用がかかったことによるもので、合わせて17百万円の減益要因となった。第4四半期は主力のインソーシング・派遣事業の好調持続に加えて、技術者派遣事業も大幅伸長しており、第3四半期の落ち込み分をカバーした格好となる。なお、同社の主要顧客先である医療機器メーカーが国内工場で製造する一部製品の出荷を、5月下旬から一旦停止しているが(8月中旬を目途に出荷再開予定)、当該製造ラインの休止期間分については契約により補償金が支払われるため、業績への影響はない。 ※2018年1月に、機械、電気電子設計等のアウトソーシングサービスを主に行う(株)トップエンジニアリングから、技術開発部(エンジニア教育)及び受託開発部(請負業務)を分社化し、同業務を強化していくことを目的に設立された。2018年7月には製造請負・派遣事業やコンサルティング事業を主に展開する(株)平山を吸収合併している。管理コスト低減によるローコストオペレーションの確立と、福利厚生の充実による従業員定着の促進を図ることが目的となっている。 3. 2019年6月期はM&A効果もあり大幅増収増益となる見通し 2019年6月期の連結業績は売上高で190億円、親会社株主に帰属する当期純利益で4億円程度と前期比で4割強の増収増益が見込まれる。既存事業において2ケタ増収増益が続くほか、M&Aで子会社化したFUN to FUNの売上が40億円以上寄与すること、前期に引き続き特別利益として消費税等簡易課税差額収入を390百万円計上(前期は265百万円)することなどが要因だ。既存のインソーシング・派遣事業では電子部品、自動車関連の大手企業を中心に西日本エリアで新規顧客の開拓が進んでいるほか、既存顧客の値上げ交渉も順調に進んでおり、売上総利益率で2%程度の改善が見込まれている。人手不足が続くなか人員の採用が課題であったが、2018年4月の新卒社員数が前年比で65名増の295名と順調に増員を図れたことも増収に寄与する。なお、消費税等簡易課税差額収入については2020年6月期も売上規模が同水準であれば3億円程度発生する見込みとなっている。 4. FUN to FUNの子会社化の影響について FUN to FUNの直近年度の業績は、2018年1月期で売上高3,912百万円(前期比23.7%増)、営業利益63百万円(同8.6%増)と連続増収増益が続いており、直近5月まで20%の増収ペースが続いている。売上高の7割が首都圏を中心としたコンビニエンスストアの弁当・総菜や航空会社の機内食等を中心とした食品工場への派遣、2割がイオン<8267>グループの都市型ミニスーパー等の店舗運営請負、1割が食品以外の工場向け派遣サービスとなっており、全般的に売上げが拡大しているものと見られる。営業利益の伸びが低いように見えるが、これは社内管理体制の強化に伴うコスト増や経営指導料を支払っていたことが要因となっている。このうち、経営指導料については子会社化以降なくなるため、2019年6月期以降は利益率の上昇も見込まれる。一方で、のれん償却費が120百万円(5年償却)かかるため、2019年6月期の連結営業利益に与える影響はほとんどなく、2020年6月期以降にプラス寄与する見通しとなっている。ただ、FUN to FUNについても消費税等簡易課税収入が1億円弱発生する見込みとなっており、当期純利益段階では数千万円程度の増益要因となる見通しだ。なお、FUN to FUNについてはホテルの清掃請負やドラッグストアの店舗運営請負など新市場の開拓も積極的に進めていく方針となっており、当面の売上目標として100億円を掲げ将来的には株式上場も目指している。 同社とのシナジーにおいては営業活動の協業のほか、今後国内で需要拡大が見込まれる外国人労働者の就職支援、派遣・請負サービス等において、両者の持つノウハウを共有することで事業を一段と拡大していくことになる。同社はフィリピンからの技能実習生の採用に強みがあり、FUN to FUNは外国人労働者の採用ネットワークが広く採用コストが同社の1/5と格段に安いこと、また、外国人留学生の活用や就職支援等に強みを持っており、今後の外国人就労サービスの需要拡大を取り込んでいくことになる。 5. その他の取り組み状況 同社は2018年5月に中国で健峰管理技術研修中心(寧波)有限公司(浙江省寧波市)との合弁会社、浙江健平連合企業管理コンサルティング有限公司(出資比率51%)を新設した。同子会社を通じて現地に進出する日系企業約6,000社を中心に製造現場の生産性向上につながるコンサルティングサービスや従業員向けの教育サービス、日本研修ツアー、IoTシステムの導入などを提案していく。教育施設については合弁相手先企業の施設を活用する。初年度となる2018年度は売上高で1億円、営業利益で10百万円強を見込んでおり、2020年に売上高2.5億円、営業利益50百万円、2022年には売上高で4億円、営業利益で1億円を目標に掲げている。中国では人件費の高騰により、生産性向上が重要な経営課題となってきているため、需要は旺盛で今後の展開が注目される。 一方、2018年6月期より取り組みを開始したIoTシステムの工場への導入コンサルティングについては、三菱電機<6503>や日本オラクル<4716>がメンバーである「Edgecross(エッジクロス)コンソーシアム」※への加入や(株)日立システムズとの協業やIoT展に出展するなどし、数件の受注実績を積み上げている。2018年6月期にIoT分野の人材採用を強化するなど先行投資を実施し、収益への貢献は2020年6月期以降になると見られる。 ※エッジコンピューティングを活用して、製造現場のIoT化を進め、製造業の競争力強化や新たな付加価値創出を目指すことを目的に2017年11月に創設されたコンソーシアム。Edgecrossはエッジコンピューティングの基本ソフト。 6. 株主還元策 株主に対する利益還元については、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しながら、配当性向で25%を目安に安定した配当を継続することを基本方針としている。2018年6月期の1株当たり配当金は前期比18.0円増配の40.0円(配当性向25.4%)を予定している。2019年6月期も2ケタ増益が続く見通しであることから、連続増配が予想される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
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