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ボルテージ Research Memo(5):市場・顧客の分析を進め、ターゲット別に最適な商品を展開

2017/9/8 15:05 FISCO
*15:05JST ボルテージ Research Memo(5):市場・顧客の分析を進め、ターゲット別に最適な商品を展開 ■成長回帰への取り組みと進捗状況 2. 成長戦略の取り組み:ターゲット戦略 前述のようにボルテージ<3639>は『3年戦略』の中で事業区分の見直しを行った。2017年6月期第2四半期からは、「基幹シリーズ」、「新シリーズ」及び「実験作」(“新立地”などのその他も含む)の3区分へと変更している。この事業区分は、取り組むべき課題の内容による分類と言えるが、その取り組み課題を精査する上では、市場の分析は不可欠だ。当然のことながら同社は市場分析・顧客分析を行い、後述のような“ターゲット戦略”を打ち出している。 同社の恋愛ドラマアプリは、「日本の大人女性」をターゲットとしていた。この日本女性市場の中で、同社の恋愛ドラマアプリが対象としていたのは、消費単価が3千円程度であり、ゲームをライトに楽しむ、“カジュアル層”と分類されるユーザー層だ。一方、日本の大人女性の市場全体を見渡せば、カジュアル層よりも消費金額の多いユーザー層が存在している。このうち、消費金額が数万円と高く、ゲームに没頭・熱狂する層を“コア層”とし、カジュアル層とコア層の中間に位置する層を“カジュコア層”と分類した。 3つのターゲット層の特徴を見ると、カジュアル層の市場規模は100億円程度と推定されるが、一方で参加人口は非常に多い。この層を対象に、同社は恋愛ドラマアプリ市場を開拓し、そこで高いシェアを占めている。 カジュコア層は推定市場規模が400億円となっている。この市場ではアイドル育成ゲームやパズルゲームなどが存在感を発揮しているが、同社の恋愛ドラマアプリも『天下統一恋の乱 Love Ballad』(略称『恋乱』)などはこの層を取り込むことに成功している。 コア層は、推定参加人口は少ないものの推定市場規模は500億円となっている。それだけ月間消費金額が多いということだ。それゆえ多くのモバイルコンテンツ企業が参入している、競合の激しい市場でもある。 前述のように、同社は、主戦場であるカジュアル層だけでは成長が見込めないという認識を有しており、その危機感が『3年戦略』の策定へとつながった。当然の論理的帰結として、同社はカジュコア層、コア層に向けた商品を強化することを成長戦略の中心に据えている。詳細は次章で詳述するが、コア層向けに新しいチームドラマアプリ『アニドルカラーズ』を2017年9月7日に投入した。 同社が競合の激しいコア層をターゲット市場として取り込もうとする背景には、コア層市場でヒット作が出た場合の収益インパクトの大きさがある。また、アプリ単体の収益に加えて、それを舞台やアニメ、グッズなどに横展開することで収益機会を拡大させる戦略も視野に入れていることもある。 ターゲット戦略では、日本女性市場以外のターゲット市場にも重要分野と位置付けて取り組んでいる領域がある。具体的には英語市場とハイテク市場だ。 英語市場については、同社はかねてより米国サンフランシスコの現地法人を通じて、北米市場向けにモバイルコンテンツの開発・制作・販売を進めてきている。立ち上がるまでに当初の想定以上に時間がかかったが、現在は2019年6月期の黒字化が見えてきた状況にある。商品戦略をブラッシュアップして一気に収益基盤の確立を目指す方針だ。 ハイテク市場はVRやARといった新技術を生かした市場だ。事業区分では実験作(同社自身はその中の一区分である“新立地”と称することもある)に含まれる。VRやARの特性を生かすことでドラマアプリという従来からの枠組みを超えた収益機会の横展開を目指している。この分野の体制強化の一環として同社は、2017年2月1日付で100%子会社として (株)ボルテージVRを設立した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《NB》
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時価総額 1,492百万円
女性向け恋愛ドラマアプリが主力。「100シーンの恋+」などを展開。男性向けアプリ、電子コミック販売ストア、電子コミックレーベルの運営等も。「ボル恋comic」は売上順調。販路拡大や原作力の強化等を図る。 記:2024/07/05