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ミルボン Research Memo(5):主力のヘアケア用剤市場は安定的に成長が続く

2015/8/4 16:53 FISCO
*16:53JST ミルボン Research Memo(5):主力のヘアケア用剤市場は安定的に成長が続く ■中期経営計画の概要と進捗状況 (2)国内ヘア化粧品市場別の動向 業績的な進捗状況は先に表に掲げた通りだ。以下では国内のヘア化粧品市場における分野別動向とミルボン<4919>の取り組み状況や強み、シェアなどについて説明する。 a)ヘアケア用剤市場 ヘアケア用剤の代表的な製品はシャンプー、リンス、トリートメント、スタイリング剤などだ。ヘアケア用剤市場は安定的に成長が続いている。業務用(サロンでの施術用途)では、顧客の美容サロンへの来店頻度低下や、価格訴求品タイプ(低価格品)への移行などマイナス要素もあるが、ヘッドスパメニューの提案や付加価値品の導入で他店との差別化を図る美容サロンの増加などプラス要因もあって、市場規模は横ばいから微増で推移している模様だ。店販用では、各メーカーが顧客の年代や髪質に合わせたホームケア品のラインナップ充実に取り組んだ結果、順調に拡大しているとみられる。 同社の取り組みとしては、まずエイジングケアの強化がある。オリジナル毛髪補修成分「CMADK」配合の製品ラインナップを、各ブランド、シリーズにおいて拡充している。また同時に、美容師に対して顧客の個別の悩みに対応できるカウンセリング力の強化も行っている。若年層向けには、働く20代を対象とした新ブランド「ジェミールフラン」を4月に投入した。これはわずか2ヶ月で年間販売目標に対して60%を超える進捗度を達成し、ヒット商品となっている。 同社において何より見逃せないのはプレミアム・ブランド「オージュア」の好調だ。これはエイジングケア以外にも一人ひとりの髪の悩みに応えるヘアケアプログラムを提供することを目的としている。そのため、価格設定も他のブランドの約2倍という水準となっている。2015年12月期第2四半期の売上高は前年同期比21.4%増の1,884百万円に達した。「オージュア」は他の製品とは異なり、同社が認定した特定のサロンに対してのみ販売している。これを「オージュアサロン」と称しているが、この数も今中間期末は2,286軒と1年前から27.9%増加している。こうしたヒットの結果、「オージュア」はブランド別でトップ売上高の製品に成長した。 このような販売好調の結果、同社のヘアケア用剤市場における市場シェアは年々上昇し、2014年には14%に達した模様だ。2015年に入っても同社のシェアは拡大基調にあるものと弊社ではみている。エイジングケアに対する消費者ニーズは今後ますます強まるとみられ、「CMADK」を擁する同社の優位性は今度も継続しよう。また、「オージュア」に続く新たなプレミアム・ブランドの立ち上げも期待され、この分野における同社の競争優位性は今後も持続すると弊社ではみている。 b)染毛剤(ヘアカラー)市場 染毛剤(ヘアカラー)の市場は、黒髪ブームやナチュラルスタイルの流行、サロンへの来店頻度の低下などで、ここ数年は市場の縮小が続いている。そうした状況で各社は、白髪染め(グレイヘアー用)の強化や低価格品ラインナップ強化などで拡販を目指している状況だ。 同社の取り組みとしては、主力ブランド「オルディーブ」において季節に合わせて追加色を投入し、サロンに対して、ヘアデザイナーによるトレンドカラー提案を支援する活動を行っている。また、グレイヘアー対応強化は同社にとっても重要なポイントであり、2015年5月には、新カラー剤「オルディーブ クリスタル」を投入した。これはグレイヘアーを対象に、従来製品では難しかった明色で根元から毛先まで均一に染めることを初めて実現した製品で、市場から高評価を得ている。5月末の発売から1ヶ月未満の売上高実績は、年間販売目標の34.3%に達し、驚異的なヒットとなっている。 同社は国内の染毛剤市場ではトップシェアを有しているが、2014年は他社の低価格品攻勢に割り負けした形で、シェアは前年から低下した。2015年5月に投入した「オルディーブ クリスタル」のヒットなどを契機に、足元でのシェア巻き返しがどこまで進んでいるのか、今後の数字の発表が注目されるところだ。 染毛剤では、店販用のビジネスにおいて成長余地があると弊社ではみている。同社は、現状では染毛剤の100%を業務用として展開しており、店販用の商品ラインナップはない。しかし現実には、美容サロンへの来店の間にも顧客の髪は伸長するため、根元などへの部分染めを中心に、ホームユース品への潜在需要は非常に強い。同社もこの点については認識しており、対応を検討中のもようだ。将来的に店販用製品がリリースされれば、同社のシェア拡大に貢献することが期待される。 c)パーマネントウェーブ用剤市場 パーマネントウェーブ用剤市場は、消費者サイドの需要低迷によりメーカー側の需要喚起策にもかかわらず、市場の縮小が続いている状況だ。市場規模もヘア化粧品市場全体の10%弱にとどまっている。 同社のパーマネントウェーブ用剤市場における市場シェアは8.7%で4位だった(2014年)。過去にはもっと上位に位置していたこともあったが、新商品の投入なども少なく、市場全体の動きに抗しがたい状況が続いている。同社の注力分野が、トップシェアで成長余地がより大きいヘアケア用剤と染毛剤市場となっていることもあり、パーマネントウェーブ用剤市場では、今後も市場の動きに連動した推移が続くと弊社ではみている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《HN》
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ヘアケア用剤、染毛剤が主力。ヘアケアのプレミアムブランド「オージュア」などを展開。パーマネントウェーブ用剤、化粧品の製造・販売等も手掛ける。オーガニックブランド「ヴィラロドラ」は導入店舗数が拡大。 記:2024/09/02