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ラクーン Research Memo(5):すべてのセグメントで増収増益を達成、過去最高収益を連続更新

2015/7/10 18:09 FISCO
*18:09JST ラクーン Research Memo(5):すべてのセグメントで増収増益を達成、過去最高収益を連続更新 ■決算動向 (1) 2015年4月期の連結業績概要 ラクーン<3031>の2015年4月期の連結業績は、売上高が前期比6.4%増の2,056百万円、営業利益が同35.7%増の336百万円、経常利益が同31.8%増の327百万円、当期純利益が同63.4%増の201百万円と増収増益基調を継続した。売上高は実質過去最高を連続で更新し、営業利益、経常利益はともに連続で過去最高を更新、当期純利益も4期ぶりの過去最高を更新した。 EC事業、「Paid」事業、売上債権保証事業とすべてのセグメントで増収となり、また、営業利益も売掛債権保証事業での人件費増加はあったものの、その他変動費の抑制を図ったことで、すべてのセグメントで増益(「Paid」事業は営業損失が縮小)となった。特に、EC事業の収益性向上により、営業利益率は前期の12.8%から16.3%へ大きく上昇した。会社計画比では経常利益が若干未達となったが、これは営業外収支で「Paid」事業の売掛債権流動化に伴う債権流動化費用を10百万円(一時的費用)計上したことが主因となっている。事業セグメント別の動向は以下のとおり。 ○EC事業 EC事業の売上高は前期比2.6%増の1,547百万円、セグメント利益は同39.4%増の233百万円となった。主力事業である「スーパーデリバリー」の流通額は前期比3.2%増の9,534百万円と拡大基調が続いたほか、広告宣伝費の抑制やポイント制度、配送料金体系などの変更を実施したことなどで、利益率は前期の11.1%から15.1%に上昇した。 当期は質の高い出展企業の開拓に注力したほか、ECサイトの使い勝手を向上し、会員小売店舗数も増加したことなどが流通額の拡大につながった。2015年4月末の会員小売店舗数は前期末比3,929店舗増の44,370店舗、出展企業数は同117社増の1,065社、商材掲載数は同3,234点増の456,349点となった。 ただ、四半期ベースの動きを見ると第3四半期の流通額が前年同期比で1.0%減と若干ではあるもののマイナスに転じ、第4四半期も同2.1%増にとどまるなど直近では伸び率が鈍化しているのも事実。購入客数の増加傾向は続いているものの、客単価が前年同期比で減少していることが要因だ。また、会員数は4万店舗を超えているものの、年間で取引実績のある店舗数はそのうち約1.2万店舗となっており、休会客の比率が若干ながら上昇傾向となっているのも今後の課題と言える。 一方、「COREC」の事業については2014年9月より有料プランの課金を開始したが、売上の寄与は僅少で、当面は知名度の向上と無料会員の獲得に注力する戦略となっている。会員数拡大に向けた取り組みとしては、2014年10月にSquare(株)の提供するPOSレジアプリ「Squareレジ」、2015年4月にヤフー<4689>が運営する「Yahoo!ショッピング」とシステム連携を行うなど利便性の向上を図っている。また、顧客ニーズを取り入れながら、機能の拡張も順次進めており、2015年4月末の会員数は2,290社と順調に拡大している。 ○「Paid」事業 「Paid」事業の売上高は前期比29.8%増の269百万円、セグメント損失は16百万円(前期は37百万円の損失)となった。取扱高に関しては、前期比27.7%増の10,494百万円となっている。マーケティング施策の強化による認知度向上に加えて、三菱自動車<7211>など大手企業が同サービスを利用し始めたことで信頼感も高まり、加盟企業が1年前の900社超から直近では1,400社超と大幅に増加したことが売上高の拡大につながった。 売上高のうち、「スーパーデリバリー」以外の顧客売上高は前期比83%増の105百万円と大幅増となっている。従来は「スーパーデリバリー」の顧客が売上高の大半を占めていたが、当第4四半期(2015年2月−4月)では「スーパーデリバリー」以外の顧客が売上高の43.1%を占めるまでになっている。なお、営業損失は売上高の増加とともに縮小してきており、第4四半期ではほぼ収支均衡ラインに近づき、2016年4月期以降は黒字に転換する見通しとなっている。 ○売掛債権保証事業 売掛債権保証事業は売上高が前期比13.3%増の568百万円、セグメント利益が同2.9%増の73百万円となった。保証残高に関しては2015年4月末で6,471百万円と前期末比38.0%増となっている。 保証残高の増加要因は、2014年4月より開始した事業用家賃保証サービスが下期以降、本格的に伸び始めたことに加えて、既存サービスメニューにおいても8月より新プランを導入したことが大きく貢献した。事業用家賃保証サービスは、現時点では東京都内のみのサービスとなっており、2015年4月末時点で保証残高は380百万円程度に積み上がっている。保証料率は月額0.3%程度と同事業平均の1%弱に対して低いものの、デフォルト発生件数は今のところゼロとなっている。 一方、2014年8月から導入した新プランとは、保証先対象社数が7社以上のもので、保証額は保証引受額合計の50%に抑える代わりに、保証料率も0.55%と通常の半分近くまで引き下げたサービスとなる。サービス開始当初から販売が好調で、下期以降の保証残高が増加した要因の1つとなっている。収益性に関しては通常プランと変わりはないが、保証残高に対する売上高という点で見れば従来よりも低くなる。保証残高の伸びに対して、売上高の伸び率が低いのはこうした保証料率の低いサービスの構成比が上昇したことが要因となっている。 また、セグメント利益が伸び悩んだが、これは第4四半期のセグメント利益が3百万円の損失(前年同期は15百万円の利益)と子会社化以降、四半期ベースで初めて赤字となったことが影響した。収益の悪化要因は、一時的に多額の保証履行が発生したことによるもので、このうち約10百万円は特定案件となり、その他にも通常より保証履行件数が多く発生したことが響いた。ただ、いずれも一時的なものとの認識であり、5月以降は収益性も元の水準近くまで回復している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YF》
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