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SDエンター Research Memo(3):RIZAPは「結果にコミットする」をうたい、成果を出すことで集客に成功

2015/7/10 17:50 FISCO
*17:50JST SDエンター Research Memo(3):RIZAPは「結果にコミットする」をうたい、成果を出すことで集客に成功 ■2020年度に向けた成長戦略と進捗状況 (2)「SDフィットネス中期ビジョン」の詳細と進捗状況 (i)「SDフィットネス中期ビジョン」の背景 フィットネス事業をSDエンターテイメント<4650>の中期成長のコア・エンジンとする背景には、大きく2つの要因がある。1つはシニア人口の増大によるフィットネス市場そのものの成長性への期待であり、もう1つはRIZAPという成功モデルの存在だ。 シニア人口の高まりについては多くの説明を要しないであろう。総務省によれば2014年9月15日現在の65歳以上の高齢者の人口は3,296万人で総人口の25.9%を占めている。日本の人口ピラミッドと平均寿命とを考え合わせると高齢者の人口及び比率はますます高まるのは確実だ。そうした状況にあって注目されているのは、「健康寿命」という考え方だ。これは介護等を必要とせずに自立した生活ができる期間のことだ。こうした意識の高まりもあって、フィットネス市場はシニア層の増加に伴って拡大が続くと期待されている。 一方、健康コーポレーショングループが展開するパーソナルトレーニング・ジムのRIZAPは、2ヶ月間でボディメイクを実現するプログラムとその実績が評価されて、累計新規会員数は29,000人を超えた。国内では46店舗(2015年5月末現在)を展開し、月間利用者数は8,000人を超え、月商は1,000百万円を超えてきている状況にある。 SDフィットネスは従来型のフィットネスジムであり、その収益性や事業としての成長性も、従来型フィットネスジムの枠組みを超えられないでいた。そこに、RIZAPで蓄積したトレーニングに関するデータやノウハウを取り入れたRIZAP提携プログラムを活用する。同社のフィットネス事業の収益モデルを大転換することで、高収益事業化することが狙いだ。 (ii)「SDフィットネス中期ビジョン」のゴールと具体的施策 同社はこの中期ビジョンにおいて、フィットネス事業の業績として、2020年度(2021年3月期)に売上高10,000百万円、営業利益2,000百万円を掲げている。また、それに至る途中の2017年度(2018年3月期)における業績は、売上高5,100百万円、営業利益700百万円としている。 上記の業績コミットを裏付ける数値として、同社は会員数と客単価についての目標値を明確に設定している。会員数については、2014年度末会員数2.5万人を2020年度までに8.1万に220%増(3.2倍)にすることを数値目標として掲げている。客単価については、2014年度の1人当たり月額7,800円を2020年度には同11,000円に40%増とする計画だ。 会員数と客単価という2つの指標についての目標値を達成するために、同社はKPI(重要業績評価指標)ターゲットと具体的施策からなる明確なロードマップを示している。会員数については入・退会率の向上がポイントだ。客単価上昇については、RIZAP連携プログラムなど高単価プログラム導入やサプリ等物販の拡大が中核をなす計画だ。 (iii)進捗状況 同社はこれまで、加圧トレーニングを取り入れたダイエット・オリジナル・プログラムなどに注力する一方、RIZAPのノウハウ活用や協業の具体策を実行に移すべく、協議や試行錯誤を続けてきた。ようやく同社と健康コーポレーション及びRIZAPとの実体的な協業が2016年3月期からスタートする運びとなった。 現在は、RIZAPからトレーナーが数名、同社へ出向してきて同社のフィットネス事業の事業モデルのブラッシュアップに取り組んでいる最中だ。具体的には、KPIである入会率(施設見学者数に占める入会に至った人数の割合)や退会率においていかに目標を達成するか、ということや、RIZAPのトレーニングプログラムを取り入れたRIZAP提携プログラムの開発、といった点が主たる検討作業の内容だ。 SDフィットネスのRIZAP提携プログラムのブランド名や内容の詳細は明らかになっていないが、コンセプトとしては、RIZAPとは異なる価格設定で、ダイエットやボディメイクの「結果にコミットする」という点ではRIZAPを踏襲するというものだ。同社ではこの新プログラムを早ければ7月から東京・国立店で試験的に開始するとしている。 国立店でのテストには、データ取得や分析、改良などのプロセスや人材育成なども含まれる見込みで、全体では数ヶ月から半年を要すると考えられる。その結果を踏まえてSDフィットネス全店に拡大していく計画だ。弊社では、テストが終了して他店舗での本格展開の開始が2016年の初頭、プログラム提供が全店舗に行き渡るのはさらにそこから3ヶ月~6ヶ月後、と想定している。 同社が、RIZAP提携プログラムをSDフィットネス全店に展開するに当たり、設備投資は低廉に抑えられるとみられる。SDフィットネスの余剰スペースを活用すること、RIZAPプログラムでは一般的なトレーニング機器が用いられていること、シャワーなど水回り設備はSDフィットネスの既存設備と共用できること、などがその理由だ。したがって、RIZAP提携プログラムの収益性は、既存のSDフィットネス事業と比較してはるかに高いものになると弊社では期待している。同社のSDフィットネスは一般的なスポーツクラブ型の収益構造を有しているのに対して、RIZAP連携プログラムはRIZAP型収益構造になるとみられる。両者の収益性の差は明確だ。 忘れてならないことは、RIZAPが成功した理由は、集客に成功していることにある。収益モデルがどんなに優れていても客がいなければ絵に描いた餅だ。RIZAPは「結果にコミットする」をうたい、実際に成果を出すことで支持を集めて成功した。RIZAP連携プログラムも「結果にコミットする」という最重要部分は踏襲されるとみられるが、それがどこまで結果を出して顧客満足度につなげられるか、国立店でのテストを見守りたい。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《HN》
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時価総額 2,456百万円
フィットネスクラブ、企業主導型保育園の運営等を行うウェルネス事業が主力。1918年創業。北海道札幌市に本社。RIZAPグループ傘下。オンラインクレーンゲーム等も。ウェルネス事業の成長戦略加速を図る。 記:2024/07/01