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明豊ファシリ Research Memo(2):建設工事における各種マネジメント業務を専業とする

2015/7/3 18:09 FISCO
*18:10JST 明豊ファシリ Research Memo(2):建設工事における各種マネジメント業務を専業とする ■事業概要 (1)コンストラクション・マネジメントとは コンストラクション・マネジメント(以下CM)とは、米国において普及した建設生産・管理システムである。具体的にはコンストラクション・マネージャー(CMr)が、技術的な中立性を保ちつつ、発注者の代行者または補助者となって発注者側に立ち、基本計画や設計の検討、工事発注方式の検討、工程管理、コスト管理など各種マネジメント業務の全部または一部を行うマネジメントサービスのことを指す。同社はCM事業を専業とした国内の先駆け的な唯一の上場企業である。 また、同サービスの契約形態は大きく「ピュアCM方式」と「アットリスクCM方式」の2通りに分かれている。「ピュア方式」とは同社と施主がCM業務委託契約(マネジメントフィー)を結ぶ方式で、設計や施工会社との契約は施主が直接行う格好となる。同社の売上高に計上されるのはマネジメントフィーのみとなり、売上原価としてマネジメントに関わるコストなどが計上される。 一方、「アットリスクCM方式」とは、同社が施主に代わって施工会社と直接、工事請負契約を結ぶ方式のことを言う。売上高はマネジメントフィーに工事管理フィー、建設工事の実費額(コスト)が加算されることになる。売上原価にはマネジメントフィーや工事管理フィーにかかるコスト及び、施主が承認した建設工事の実費額(オープンブック方式)が加算される。工事実費額は売上高と売上原価が同額で計上されることになり、この部分に関しては同社の利益は発生しない。このため、売上高総利益率でみれば「アットリスクCM方式」のほうが低くなる。 どちらの方式を選択するかは、施主側の意向によって変わるため、事業全体で見た場合には「ピュアCM方式」による契約率(または収入)が上昇すれば売上高が減少し、逆に売上総利益率は上昇する傾向となる。このため、同社では経営指標として売上高ではなく、売上総利益をベースに収益管理を行っている。 (2)コンストラクション・マネジメントの特長 CM方式の最大のメリットは、一般的な一括請負方式と比較して、発注プロセスと工事項目別コストを発注者(施主)と可視化されたなかで共有し、複数の選択肢の中から顧客が納得する最適な方法を選択、実行できることにある。また、同時に工事代金の総額に関して、従来の一括請負方式と比較して圧縮できる効果も期待できる。一括請負方式では、発注者(施主)と受注者(施工者)との間で専門性や情報力などの面で格差があること、また、国内では建設工事をゼネコン等が元請けで受注し、下請け業者に再発注することが一般的であり、その構造も多層化しているため、結果的に工事コストが過大となってしまうケースが多い。 「明豊のCM方式」では基本計画や、建築、電気・空調・情報通信・AV機器などの設備工事に至るまであらゆる分野で専門家を社内に配置し、適正な基本計画づくりやコスト管理・査定を行っている。このため、過大に見積もられた費用があれば元請け業者に指摘し改善させる、あるいは分離発注を行って直接施工業者へ発注することで、余剰なコストを圧縮する。さらには目的実現のための代替案を出すなど、施主が判断するための材料を即座に提供することが可能で、「プロジェクトの早期立ち上げ」にも貢献している。 なお、昨今の建設業界では職人不足による人件費増、工期の長期化などよって、当初構想段階の建築予算が上回る傾向にあるが、同社では設計、調達、工事といったプロジェクトのすべての段階において、過去から蓄積した独自のデータベースや直近の実勢価格データを参考にしながら査定を行い、また自社で保有する建設技術など活用できるものがあれば採り入れながら、コストミニマムを実現している。 (3)同社の強み CM事業者、特に大規模工事に対応するために必要となるのは、各工程において設計要件の整理やコスト管理・審査ができる専門家、工期管理などトータルマネジメントができる人材、大手施工業者や設計事務所などとの交渉においても対等に対応できる人材などになる。 明豊ファシリティワークス<1717>においては、建設会社や各施工会社、設計事務所など実際の現場を経験した人材が多数集まっており、言わば建設プロジェクトにおける基本計画策定からコスト見積り・工期管理においてのプロフェッショナル集団とも言える。CM事業を先駆けて展開してきたことで、業界内でのブランド力も着実に向上しており、こうした専門的なスキルを持つ人材が多数そろっていることが同社の強みとなっている。 また、社員一人ひとりが経営理念である「フェアネス」と「透明性」を心掛け、顧客からの信頼を獲得してきたことが、同社の成長原動力になっている。社員213名(2015年3月末)の企業規模において、新規顧客の開拓、特に大規模案件の開拓は一般的に困難ではあるが、同社の既存顧客のうち9割近くは鉄道会社や金融機関、学校・医療法人を含めた大企業で占められており、新規顧客もその大半を既存顧客からの紹介によって獲得するなどしている。また、年間受注高の3分の2は既存顧客からのリピート受注によるものとなっている。こうした状況は、顧客満足度が高くなければ決して成し得ないことであり、顧客からの信頼性の高さの裏付けとなっている。同社の事業はこうした社員一人ひとりの「フェアネス」と「透明性」を基盤として成り立っているとも言える。 こうした信頼関係の構築に関しては、顧客だけでなく利害関係者となる元請けの建設会社とも進んでいる。最近では、着工後における施工者からの改善提案など施主側が理解しがたい専門的な検討事項についても同社が間に立つことで、スムーズに話が進むといった点が高く評価されているという。「フェアネス」「透明性」といった基本方針が顧客に対してだけでなく、すべての関係者に対しで実践されている証左と言えよう。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YF》
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時価総額 11,345百万円
建築・オフィス移転プロジェクトの施工管理を発注者側の立場で行う。DX実現支援や脱炭素化支援を育成中。24.3期3Q累計発注者支援が堅調。受注粗利率も最高水準まで回復し、二桁増収増益に。配当性向55%目安。 記:2024/04/16