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コニシ Research Memo(6):増収ながら主力のボンド事業の下振れで減益に

2015/1/13 17:08 FISCO
*17:08JST コニシ Research Memo(6):増収ながら主力のボンド事業の下振れで減益に ■業績動向 (1)2015年3月期の第2四半期累計業績 ○損益状況 2015年3月期の第2四半期累計業績は、売上高54,700百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益2,339百万円(同11.7%減)、経常利益2,287百万円(同17.4%減)、四半期純利益1,309、百万円(同17.9%減)となり、すべての項目で期初計画を下回った。消費増税の反動減が当初見込みより長引いたことから、住宅関連を中心に主力のボンド事業が不振れしたことが主な要因だ。 営業利益は前年同期比で311百万円減少したが、前年同期比でのマイナス要因には価格増減による影響▲214百万円、販管費の増加▲243百万円、原材料価格の変動▲236百万円、工場経費の増加▲110百万円などがあったが、プラス要因としては、販売数量増加による利益の増加52百万円、新規連結子会社の寄与+443百万円などがあった。 事業セグメント別売上高は表のとおり、ボンド事業27,002百万円(同5.3%増、計画比6.1%減)、化成品事業24,293百万円(同0.6%増、同4.9%減)、その他事業3,404百万円(同13.9%増、同1.3%増)となった。ボンド事業が増収となったのは、新規連結子会社の矢沢化学工業の売上高1,274百万円を上乗せしたためで、これを除けば増収率は0.3%にとどまった。 一方で営業利益はボンド事業2,029百万円(同10.2%減、同17.5%減)、化成品事業230百万円(同24.3%減、同14.3%減)、その他事業81百万円(同7.4%減、同37.4%減)となり、すべての部門で期初計画を下回り、前年同期比で減益となった。 各事業の詳細は以下のとおりである。 ▼ボンド事業 ボンド事業の各向け先別状況は以下の通りであった。 ◇住宅関連:売上高14、085百万円(前年同期比8.8%増) 外装タイル用接着剤は好調に推移したが、消費増税の反動減が予想以上に長引いたことから、主力の内装工事用接着剤、建材用接着剤、戸建て用シーリング剤などが不振であった。子会社のサンライズMSIの住宅関連売上高も3,137百万円(同0.9%増)と微増にとどまった。 ◇産業資材関連:売上高3,899百万円(同1.0%減) 紙関連、パネル用途向けウレタン系接着剤は比較的好調に推移したが、自動車関連産業向け離型剤が不振であった。自動車関連については、生産台数の変化以上の落ち込みであったことからコニシ<4956>のシェアダウンの可能性もあり、今後の動向は注視する必要がありそうだ。 その一方で、紙関連が好調であったことは同社には朗報だ。以前から紙関連を扱っていたが、価格競争が激しいため過去数年は消極的な販売を行ってきた。しかし現在の中計に入ってからこの戦略を見直して、能動的な営業を展開したところ徐々に引き合いが増えており、今後は1つの大きな柱になりそうだ。 ◇土木建築関連:売上高5,303百万円(同0.7%減) ビル・マンションなどのリニューアル工事が減少したことから、建築関連の売上高が前年同期比で2.4%減少した。一方で、道路、鉄道、トンネル、橋梁などの土木用は、まだ売上規模は小さいが前年同期比では9.9%増と好調であった。 ◇一般家庭用関連:売上高3,108百万円(同0.9%減) 手芸用新製品はテレビメディアに取り上げられたこともあって好調であったが、瞬間接着剤の売上が低迷し、全体では前年同期比、計画比ともにマイナスとなった。 ▼化成品事業 同社単体の向け先別は下表のようであったが、自動車業界向けが好調に推移して電子・電機業界向けの落ち込みをカバーした。また子会社の丸安産業の売上も同2.4%増と比較的好調であった。一方で営業利益は、売上高が伸び悩んだことから経費増を吸収できず前年同期比で減益となった。 ▼その他事業 橋梁や道路などのインフラ市場での補修・改修工事が順調に推移したこと、2014年3月期からの持ち越し工事が予定よりも早く完工したことに加え、新たに取得した子会社(近畿鉄筋コンクリート)が連結に加わったことなどから、工事請負事業の売上高は3,030百万円(同37.2%増)となり、セグメント内の比率は89.0%(同73.9%)に高まった。工事請負事業の場合、第4四半期の比率が高いため、第4四半期の動向によってセグメント利益は大きく左右される。 この工事請負事業の売上高は2003年3月期にはわずか3,000百万円ほどであったが、過去11年間で2倍以上になった。目立たない部門ではあるが、同社の隠れた成長分野になっている。工事で使用する接着剤の増加といったシナジー効果も見込めることから、今後も工事請負事業を積極的に強化する方針だ。 ○設備投資動向 詳細は後述するが、2015年3月期は大幅な設備投資増を計画しており、これに伴い2015年3月期の第2四半期累計の設備投資額も1,351百万円(前年同期767百万円)と大幅に増加した。減価償却費は732百万円(同748百万円)にとどまったが、今後の償却負担は2016年3月期、2017年3月期にかけて増加する見込みだ。主な投資内容は、当初計画どおり栃木工場の製造設備増強、滋賀物流センターの強化であった。 ○財務状況 2015年3月期の第2四半期末の財務状況は表のとおりであった。前期末比で現預金の減少115百万円、売掛債権の減少2,399百万円などから流動資産は1,259百万円減少し、59,049百万円となった。有形固定資産の増加634百万円、投資その他資産の増加281百万円などから固定資産は前期末比で846百万円増の22,315百万円となった。その結果、総資産は81,364百万円(前期末比414百万円減)となった。 負債合計は、仕入債務の減少1,277百万円、短期借入金の減少67百万円などから34,067百万円(同2,123百万円減)となった。また純資産合計は主に四半期純利益の計上などから47,296百万円(同1,709百万円増)となった。 ○キャッシュフローの状況 営業活動によるキャッシュフローは1,341百万円の収入であったが、主に税金等調整前四半期純利益2,259百万円、減価償却費732百万円、売上債権の減少による収入2,345百万円、棚卸資産の増加による支出914百万円、仕入債務の減少による支出1,239百万円などによる。 投資活動によるキャッシュフローは972百万円の支出であったが、これは、有形固定資産の取得による支出967百万円などによる。財務活動によるキャッシュフローは426百万円の支出であったが、主に配当金の支払い315百万円による。 以上から2015年3月期の第2四半期の現金及び現金同等物は64百万円減少し、期末の残高は、14,705百万円となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《FA》
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接着剤メーカー最大手。木工用ボンドで知名度。合成接着剤ボンドと化成品が収益の柱。土木建設向けに強み。自動車等に使用される弾性接着剤は販売数量増。24.3期3Qは大幅営業増益。通期業績予想を上方修正。 記:2024/04/15