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コニシ Research Memo(3):自社で製造販売するボンド事業が売上高の4割、営業利益の8割占める

2015/1/13 17:05 FISCO
*17:05JST コニシ Research Memo(3):自社で製造販売するボンド事業が売上高の4割、営業利益の8割占める ■会社概要 (2)事業内容 現在、コニシ<4956>の事業セグメントは、ボンド事業、化成品事業(化学品の商社事業)、その他の3部門に分けて開示されており、過去4年間の売上高及び営業利益の構成比はグラフのとおりとなっている。売上高ではボンド事業、化成品事業がそれぞれ40%以上の比率を占めているが、営業利益ではボンド事業が80%以上と大部分を占めている。これは、化成品事業が仕入販売を行う商社事業であるのに対して、ボンド事業は自社で製造販売を行っているためである。 2015年3月期の第2四半期累計での同社と関係会社の売上高構成比率は下記グラフのとおり同社73.1%、関係会社26.9%となっているが、営業利益では同社が54.0%、関係会社が46.0%となっている。同社は商社部門を抱えることから利益面では関係会社の寄与が大きい。 各事業の概要については以下のとおりとなっている。 ○ボンド事業 ボンド事業では、主に工業用・一般家庭用の各種接着剤、シーリング材及びワックス・両面テープなどの製造販売を国内外で行っている。2015年3月期の第2四半期累計でのボンド事業の業績は、売上高で前年同期比5.3%増の27,002百万円(全売上高に対する構成比49.4%)で、営業利益で同10.2%減の2,029百万円(同86.7%)であった。 アイテム数は「ボンド」のブランドが付く商品だけで約6,500アイテムに上り、業界での品揃えは国内で群を抜いている。生産拠点(工場)は子会社を含めて国内5拠点、海外3拠点(中国、ベトナム、インド)となっている。一方で販売のすべては、代理店または子会社ボンド販売(株)を経由してホームセンターや量販店、住宅メーカー、施工業者などへ販売されている。代理店は、全国に約900社のネットワークを有している。また子会社サンライズMSIでは主に戸建て用の建築用シーリング材や自動車用シール材・接着剤を製造販売しているが、これらは同社や代理店を経由せずに直接最終顧客である住宅メーカーや自動車メーカーへ販売している。また中国子会社の科陽精細化工(蘇州)有限公司では、主に日系の建材関連企業や自動車メーカーなど中国や東南アジアのユーザー向けに販売している。 2015年3月期の第2四半期における向け先別売上高の内訳は、グラフのとおり住宅関連で52.2%、土木建築用で19.6%、産業資材関連で14.4%、一般家庭用で11.5%、その他で2.2%となっている。 以上のとおりボンド事業においては売上高の約70%を住宅・土木建築用で占めており、ホームセンターなどで見る一般家庭用は11%程度にとどまっている。したがって、住宅、建築、土木業界の動向が同社のボンド事業に与える影響が最も大きいと言える。 ○化成品事業 化成品事業では石油化学製品、合成樹脂、工業用薬品全般、電子機能性材料の仕入販売、「月浪印(つきなみじるし※)」エタノールの製造・販売を行っており、主に商社的な事業で成り立っている。有機系化学製品の仕入販売を同社及び中国、タイの子会社が、無機系化学製品の仕入販売を丸安産業及び台湾子会社が行っている。2015年3月期の第2四半期累計業績は、売上高で前年同期比0.6%増の24,293百万円(構成比43.4%)、営業利益で同24.3%減の230百万円(同9.8%)で、営業利益率は0.9%にとどまっている。利益率こそ低いが、前述の会社概要にあるとおり同社の根源とも言える事業である。 ※1914年から続く、同社の日本薬局方エタノールのブランド名 化成品事業の主な取扱商品は下表のとおりとなっている。また向け先別売上構成比(単体ベース)はグラフのとおりであり、自動車業界向けが41.6%を占め、最も高くなっている。また、化学工業向けや塗料向けなどの中にも最終的に自動車業界向けというものが多くあるため、実質的には同事業の60%程度が自動車業界向けになっているようだ。 また、主な仕入先と販売先は図のとおりとなっている。 ○その他 その他事業の2015年3月期の第2四半期累計業績は、売上高で前年同期比13.9%増の3,404百万円、営業利益で同7.4%減の81万円であった。売上高の大部分は子会社のボンドエンジニアリングおよび近畿鉄筋コンクリートなどで手掛ける工事請負事業が占めており、その内容は橋梁やトンネルなど社会インフラとなる構築物の補修・改修工事、あるいは耐震化工事を請け負う事業である。 その他に日本ケミカルデータベース(株)が行っている化学品データベース事業などがある。化学品データベース事業とは、SDS(Safety Data Sheet)と呼ばれる化学物資の規制情報や有害性などの情報を網羅したデータベースを顧客の依頼を受けて作成して提供する事業である。すべての化学品を販売する際には、メーカーは必ず危険性、有害性を示すように法律で定められているが、一企業でそれらをすべて網羅するのは難しく、同社のデータベースを使うことによって簡単に情報が得られるという仕組みになっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《FA》
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接着剤メーカー最大手。木工用ボンドで知名度。合成接着剤ボンドと化成品が収益の柱。土木建設向けに強み。自動車等に使用される弾性接着剤は販売数量増。24.3期3Qは大幅営業増益。通期業績予想を上方修正。 記:2024/04/15