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ダイナムジャパンHD Research Memo(4):シェア拡大による成長、10年後にシェア10%の1,000店体制

2015/1/9 10:14 FISCO
*10:14JST ダイナムジャパンHD Research Memo(4):シェア拡大による成長、10年後にシェア10%の1,000店体制 ■成長:中期出店計画 前述のようにダイナムジャパンホールディングス(06889/HK)は、シェア拡大による成長シナリオを掲げている。そしてそれは、ローコスト出店モデルに基づいた出店計画を遂行するという形で、パチンコ市場縮小の風に流されることなく、着実に進められている。 2015年3月期の中間期の新規出店は5店舗で、2014年9月末現在の店舗数は380店舗となった。下期に入って10月、11月の2ヶ月間で5店舗を出店済みで、最終的に2015年3月期は少なくとも約20店舗の新規出店を計画している 出店の標準モデルでは従来、出店コスト(機械費を除く)を452百万円としていたが、労務費、資材費の高騰で505百万円に改定した。その結果、開店後10年間の年平均ROI目標も28.9%から25.4%へと引き下げたことは既に述べている。 同社はパチンコ店の業態を3種類保有している。「従来型」は「ダイナム」ブランドの店舗で、貸玉料が従来どおり1玉4円で設定しているいわゆる「高貸玉機」が主体の店舗だ。「ゆったり館」ブランド店は貸玉料が1円~2円の「低貸玉機」主体の店舗で、台の設置間隔や通路幅も広めにとっている点が特徴だ。「信頼の森」ブランド店は、基本形態は「ゆったり館」と同じだが、全面禁煙となっている点で女性客などの取り込みが期待されている店舗だ。 現在の新規出店の標準モデルは「ゆったり館」を前提としており、実際出店される店舗もすべて「ゆったり館」だ。また、「ダイナム」や「信頼の森」から「ゆったり館」への業態転換も進められている。この結果、「ゆったり館」は店舗数でも従来型の「ダイナム」店を抜き、主力業態に成長した。 同社は出店にかかる設備投資額を、キャッシュフロー(当期純利益と減価償却費の合計)で賄うことを基本方針としている。同社の年間キャッシュフローは30,000百万円(当期純利益20,000百万円と減価償却費10,000百万円の合計)が現在の基本的な水準となっている。他方、キャッシュアウトフローとして配当金の支払いが約10,000百万円あるため、設備投資可能額は20,000百万円ということになる。1店舗当たりの出店費用が505百万円なので、年間40店程度の新規出店はキャッシュフローの範囲内で賄えるということだ。 同社の長期出店計画は「10-10-1000」である。これは「(計画策定時から)10年後(2023年3月期末)にシェア10%相当の1,000店舗体制にする」という意味だ。そのために、年間40店のペースで新規出店を行い、足りない部分はM&Aで補うという青写真を描いている。しかしながら現実に、ここ数年は計画を大きく下回る出店ペースが続いている。それでもこのことは、前向きに評価すべきであると弊社では考えている。なぜならばそれは同社が出店の標準モデルを遵守した結果だからである。パチンコホールはスーパーのように生活必需品を売るのではなく娯楽の店であるので、同社に最も重要なことは個々のパチンコ店の利益を確保することであり、店舗数の拡大はその次であると弊社では考えている。 同社はしかし、2016年3月期においては40店舗を超えるような大量出店を視野に入れている。これまでは立地の確保が1つのネックとなっていたが、ここにきて魅力的な立地の供給が増えているため。現状、来期中の出店予定で20近くの店舗用地を確保できているもようで、40店舗以上の出店の現実性が高い。ただし、その場合はキャッシュフローの範囲内での投資という原則を維持できるのかどうか注目される。弊社では、同社のバランスシートの強さに照らすと、一部借り入れを行っての設備投資も十分正当化しうると判断している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《FA》