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ダイナムジャパンHD Research Memo(3):チェーンストア理論から発展、出店と運営いずれにも適用

2015/1/9 10:10 FISCO
*10:10JST ダイナムジャパンHD Research Memo(3):チェーンストア理論から発展、出店と運営いずれにも適用 ■強み:ローコストオペレーション ダイナムジャパンホールディングス(06889/HK)の経営の中核として重要なコンセプトが、チェーンストア理論から発展してできたローコストオペレーションだ。これは店舗運営と新規出店の両方のステージに適用されている。 ○出店におけるローコストオペレーション 同社は数年前から出店についての標準モデルを確立し、それに基づいた出店を続けている。具体的には、商圏人口を5万人とするロードサイド型店舗を基本としている。土地は3,500坪が基準で20年間の定期賃借とし、建物は木造の平屋建てとすることで出店コスト(機械費用を除く)を約450百万円に抑制する。パチンコ機械は150百万円をかけて導入するがこれは資産計上せずに初年度に一括で費用計上する。この結果、1年目の店舗利益は損失となるが2年目以降は黒字化する。10年間の年平均ROIの目標を28.9%としている。この出店モデルは2014年3月期まではほぼ順調に進捗していた。2014年3月期までの過去2年間で20店舗を新規出店したが、20店の平均値としてこのモデルに沿った出店とその後の営業成績を達成した。 2015年3月期の中間期においては、労務コストや資材費の高騰を受けて、出店の標準モデルを見直した。機械を除く初期費用を505百万円と、従来の標準モデルから50百万円ほど高く設定した。開店後の営業収益などは変化がないが、出店費用の増加により目標ROIは25.4%に引き下げられた。重要なポイントは、この標準モデルが持続性、再現性、あるいは現実性のある水準に設定されていることで、今中間期に出店済みの5店舗はもちろん、下期出店が予定されている店舗及び来期の出店予定店舗にも適応可能という点だ。なお、新規出店のための立地については、道路沿いの農地の転用などが増加してきており、以前と比べて出店用地が確保しやすくなっているようだ。 ○店舗運営におけるローコストオペレーション 店舗運営では費用の約60%を店舗人件費と機械費が占めるため、この2項目の低コスト化がローコストオペレーションのカギとなる。 店舗人件費ではパーソナルシステムの導入が具体的な対策となる。これは出玉(客が勝った玉)の管理をカード記録して管理する仕組みだ。通常、1店舗当たり正社員10名とアルバイト10名程度により3交代で運営されているが、パーソナルシステムの導入でアルバイトを6、7名減少させる効果がある。2014年3月末現在で375店舗中217店舗に導入されており、2015年3月期中にさらに40~50店舗ほどで導入が進む計画だ。 機械費では中古機やPB(プライベートブランド)機の導入がある。PB機の場合、大まかに言って、1台当たり10万円程度のコスト削減効果があると弊社ではみている。また、パチンコホールでは頻繁に台の入れ替えが行われるため、物流センターへの機能集約による設置コストの削減も重要なポイントとなろう。2015年3月期の中間期は、機械費を前年同期比2,040百万円減少させることに成功した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《FA》