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システムインテグレータ Research Memo(5):不採算案件へ人的資源が注がれ収益に悪影響を及ぼす

2014/12/11 17:40 FISCO
*17:40JST システムインテグレータ Research Memo(5):不採算案件へ人的資源が注がれ収益に悪影響を及ぼす ■決算動向 (2)製品区分別の売上、利益状況 不採算プロジェクトの発生によって、第2四半期以降、人的リソースが同プロジェクトに注がれた影響で、システムインテグレータ<3826>の主要製品の収益も少なからず影響を受けた格好となっている。 ○「SI Object Browser」関連(ソフトウェア開発支援ツール) 「SI Object Browser」関連の第2四半期累計売上高は前年同期比13.0%増の176百万円、総利益は同6.4%増の154百万円となった。ソフトウェア開発業界は企業のIT投資活発化により、需要そのものが旺盛であるものの、慢性的に人材不足の状態が続いている。こうした環境下で、ソフトウェア開発の生産性を向上するツールとなる「SI Object Browser」や「OBER」の引き合いも順調に推移した。通期見通しにおいても、引き続き増収増益が見込まれる。 また、前期にリリースしたアプリケーション設計支援ツール「OBDZ」に関しては、パフォーマンスの向上と機能の拡充、操作性の向上などを図った新バージョンを現在開発中である。2015年春にリリースする予定で、2016年2月期以降に売上に寄与してくる見通しだ。同製品はクラウドでのサービス提供となるため、当初は収益への貢献度としては軽微だが、ストック型ビジネスとして将来的には安定収益源の1つに成長することが期待される。 ○「SI Web Shopping」関連(ECサイト構築パッケージ) 「SI Web Shopping」関連の第2四半期累計売上高は前年同期比21.0%減の410百万円、総利益は同11.1%減の82百万円となった。前述した不採算プロジェクトに当事業分野から人員を送り込んだ影響もあり売上高は減少したが、生産性の改善などを進めたことにより総利益率は前年同期の17.8%から20.0%に回復した。 EC市場の拡大が続く中で、今後もECサイトの機能性向上やリアル店舗との連携を図ったO2O(オンライン・ツー・オフライン)、オムニチャネルといった新たな潮流にいかに対応できるかが、今後の成長のカギを握るものとみられる。同社ではオムニチャネル分野に事業領域を拡大していくため、9月に営業組織をECソリューション営業部からECオムニチャネル営業部へ改変し、また、マーケティング強化を目的として専門のマーケティング部を新設し、今後の事業拡大に向け積極的な取り組みを進めていく方針を打ち出した。 サービスメニューとしても、既にO2Oマーケティングサービスとして「モバポタ」を開発、サービスの提供を開始しているほか、7月にはO2O&オムニチャネルサービスとして「SOCS」を発表した。SOCSの詳細は後述するが、2015年1月よりクラウドサービスの提供を開始する予定となっており、2016年2月期からの収益貢献が期待される。 ○「GRANDIT」関連(Web-ERPパッケージ) 「GRANDIT」関連の第2四半期累計売上高は前年同期比6.0%増の787百万円、売上総利益は同16.7%減の158百万円と増収減益となった。企業のIT投資が活発化するなかで「GRANDIT」も前期から続いて堅調に売上を伸ばしたが、不採算プロジェクトへ人員を大量に投入し、その穴埋めで外注費用が増加した結果、利益面では減益となった。 「GRANDIT」は14社によるコンソーシアムを形成しており、同社はその中でも最も「GRANDIT」の売上増に貢献している。これまでに「個別生産管理アドオンモジュール」、「繰返生産管理アドオンモジュール」及び「継続取引管理アドオンモジュール」を自社で開発しており、主に製造業向けを中心に売上が拡大している。さらに、「OBPM」との組合せにより、IT関連企業への導入もここ最近では増加しており、通期でも増収基調が続く見通し。なお、利益面で不採算プロジェクトに向けた人員投入が継続する見込みであることから、通期でも減益となる見通しだ。 ○「OBPM」関連(プロジェクト管理パッケージ) 「OBPM」関連の第2四半期累計売上高は前年同期比14.4%減の95百万円、売上総利益は同7.9%減の68百万円となった。同事業分野においても不採算プロジェクトへ人員投入を行ったことが、少なからず売上高、売上総利益の減少要因となっている。ただ、顧客からの評価は高く、導入社数も90社を超えるなど年間10社ペースでの拡大が続いている。同事業は一部、クラウドサービスでの提供も行っているが、過半はオンプレミス型での販売であり、まだ期によって売上高、利益ともにバラつきがみられる。しかし、今後顧客数の拡大が進み、保守サービス料やクラウドサービス契約などストック型売上の構成比が上昇してくれば、「SI Object Browser関連事業」と同様に、高収益でかつ安定性の高い事業に成長していくことが予想される。 なお、「OBPM」の強みは、プロジェクト管理ツールの世界標準であるPMBOK※における9の管理エリア(品質管理、スケジュール管理、品質管理、原価管理など)を理想的な形で統合した管理ツールとなっていることにある。言わば、プロジェクト管理パッケージのERP版のようなもので、競合製品もほかに見当たらないことから(管理エリアを個別に扱っている製品は多数あり)、収益性の高い事業となっている。 ※PMBOK(Project Management Body of Knowledge)・・・プロジェクトマネジメント協会が発行する「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」の略称。建設、製造、ソフトウェア開発など幅広いプロジェクトに適用可能なプロセスベースのアプローチ手法を体系的にまとめたもの。プロジェクトマネジメントを効果的に達成するためのアプローチ手法として、5個の基本的なプロセス群と10個の管理エリア(従来9個の管理エリアだったが、2013年改訂の第5版で管理エリアは10個になった)に分類し、必要なプロセスがまとめられている。 ○その他パッケージ等 その他パッケージ等の第2四半期累計売上高は前年同期比90.3%減の7百万円、売上総損失は986百万円(前年同期は17百万円の黒字)となった。前述したように、不採算プロジェクトの受注損失引当金986百万円を計上したことが損失の要因となっている。通期見通しに関しては前述したように、同プロジェクトにおける顧客との交渉次第となる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《FA》
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独立系のソフトウェア開発会社。ERPやECサイト構築に強み。AI事業やプログラミングスキル判定サービス、クラウドサービス等も。ERP事業は伸長、独自の新製品も開発、欧系SAP製品の販売・導入も開始。 記:2024/05/19