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デリカフーズ Research Memo(3):新規顧客開拓と既存シェア拡大、原価低減活動で増収増益に

2014/12/4 17:11 FISCO
*17:11JST デリカフーズ Research Memo(3):新規顧客開拓と既存シェア拡大、原価低減活動で増収増益に ■業績動向 (1)2015年3月第2四半期累計の業績動向 11月10日付で発表された2015年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比6.8%増の13,937百万円、営業利益が同11.8%増の350百万円、経常利益が同19.4%増の368百万円、四半期純利益が同30.6%増の233百万円と増収増益となった。期初会社計画比では、売上高が7%程度上回った一方で、利益ベースでは若干下回る格好となった。 ただ、夏場の天候不順による野菜価格の高騰や、品質悪化に伴うカット野菜の生産効率低下、人件費や物流費の増加など想定以上のマイナス要因があったことを考えれば、順調に推移したと言えよう。実際、四半期ベースで見た業績は前第3四半期を底にして、期を追うごとに拡大している。 売上高が前年同期比、及び期初計画比で増収となった要因としては、デリカフーズ<3392>が取り組んでいる野菜の機能性研究の成果を活かした提案型営業の強化や、東京第二FSセンターの稼働率上昇に加えて、食品の安全確保やリスク管理体制の評価が高まったことによる新規顧客の開拓、並びに既存顧客での取引シェア拡大が想定以上に進んだことなどが挙げられる。 当期における新規顧客としては、和食及び洋食の大手ファミリーレストランや大手総菜チェーン店などが新たに加わった。部門別の売上高で見ると、カット野菜が前年同期比10.1%増の4,961百万円、ホール野菜は同5.3%増の7,412百万円、その他は同3.8%増の1,563百万円となり、カット野菜が引き続き高い成長率となっている。 当第2四半期においては、6月の長雨、8月の低気温、9月の台風災害と気象条件に恵まれず、レタスなど一部の葉物野菜の価格が高騰したほか、野菜品質の悪化によりカット野菜も廃棄ロスが増えるなど生産性が低下するなどの影響が出た。また、人件費については、大阪や名古屋工場においてパート従業員の不足により、賃金単価の高い派遣社員を採用していたことや、最低賃金のアップを実施したことなどもあり、前年同期比で増加した。 減価償却費に関しては東京第二FSセンターの稼働を主因に、前年同期比で50百万円増加している。また、物流費は、協力会社が4月に倒産したことで、緊急的に名古屋から静岡県内まで配送業務を行ったことで通常よりも20~30百万円程度のコストアップ要因になったとみられる。なお、静岡県内の物流に関しては、9月より新しい委託先による運用が始まっており、第3四半期以降は正常化する。 こうした天候条件の悪化や費用増要因があったにも関わらず増益となったのは、増収効果に加えて、グループ全体での原価低減活動が上手く機能したことが挙げられる。実際、売上原価率は前年同期比で0.6ポイント低下の75.0%となっている。 原価低減効果として特に効果を表したのが、野菜価格高騰時における代替メニューの提案活動、並びに海外調達活動となる。野菜価格高騰時に高値で仕入れた野菜を、そのまま顧客に価格転嫁することは困難であり、価格高騰局面では一時的に粗利率が低下する要因となっていた。こうしたリスクを回避するため、同社では価格が高騰していない代替メニューを顧客に提案し、仕入コスト高のリスクを回避した。また、代替メニューに関してはあくまでも一時的な回避策であり、その間に同社がここ数年で産地開拓をすすめてきた海外(台湾、米国、中国など)から当該野菜を調達することで、国内での価格高騰の影響を最小限に食い止めた格好となっている。 例えば、今夏はサニーレタスの価格が高騰したため、顧客には一時的にキャベツで代替してもらうと同時に、アメリカの生産者にレタスの発注を行い(商社経由で輸入)、2週間後には顧客にアメリカ製のレタスを販売、国内でのレタスの価格高騰が沈静化すれば再び国内の調達に切り替える、といった流れとなる。なお、調達品目は、レタスやグリーンリーフ、トマトなどがあり、これら海外調達は通常時でも少量の発注を定期的に行っており、野菜価格が高騰した際に、所要量を発注している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《FA》
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時価総額 8,061百万円
青果物商社のデリカフーズを中核とする持株会社。外食・中食産業向けにホール野菜、カット野菜等を販売。物流事業、コンサル事業等も。24年3月に大阪FSセンターが竣工。中計では27.3期売上高600億円目標。 記:2024/06/25