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*16:58JST あいＨＤ Research Memo（6）：15年6月期も増収増益を継続する見込み、上方修正に期待 ■決算動向 （2）2015年6月期予想 進行中の2015年6月期は、表のように売上高42,000百万円（同13.6%増）、営業利益7,400百万円（同15.6%増）、経常利益7,500百万円（同14.4%増）、当期純利益4,800百万円（同18.7%増）が予想されている。同社は常に達成確度の高い数字を予想として発表していること、また主要部門が好調に推移していることを考慮すると、この予想が達成される可能性は高く、さらなる上方修正も期待できそうだ。 あい ホールディングス<3076>はセグメント別の売上高、営業利益の詳細予想は公表していないが、主要部門については以下のように予想している。 ●セキュリティ機器 依然としてマンション向けセキュリティ機器が好調であることから、通期の総導入件数は、4,600件、その内訳として新規獲得数は3,000件、自社更新分は1,600件を予想している。この結果、累計のマンション契約数は、2014年11月には20,000件に達する見込みだ。 また法人向けも、前述のように某大手食品工場での毒物混入事件や大手教育関連企業での個人情報漏洩事件などの影響から、新規に防犯カメラの設置を行う企業が増加している。さらに既に導入済みの金融機関などでも既存の設備にカメラを増設する傾向にあることから、法人向けも好調に推移することが予想される。 このような状況から、セグメント別営業利益は下図のように3,027百万円（前期比11.0%増）が予想されているが、マンション向けの新規獲得件数によっては現在の予想より上振れする可能性はありそうだ。 ●カード機器及びその他事務用機器 今までは約90%近くが病院向け（診察券発行機等）であり、安定的ではあるが大きな伸びは期待しづらい部門であった。しかし最近では、記述のように地方銀行や大手都市銀行などでキャッシュカード即時発行機の導入が始まっており、金融機関向けが増加傾向にある。年初に受注した某大手都市銀行向けの売上計上が今期（2015年6月期）になることなどから、セグメント別営業利益は1,046百万円（同10.6%増）が予想されている。 ●情報機器 伸びの中心となるのは、引き続きシルエットのコンシューマー向けカッティングマシン。コンテンツ会員数が順調に増加していることに加え、今期から新製品「CAMEO2」を投入することで、さらなる本体の販売増を目指している。このような状況から、シルエットの2015年6月期は売上高79.4百万ドル（前期比58.5%）、営業利益13.1百万ドル（同56.9%増）が予想されている。 さらに今期からは、新規製品であるラベルプリンターがこの部門に加わる。初年度の売上は実質的には下期以降になるものと予想されていて、営業利益ベースでの寄与はさほど見込んでいないようだ。また前期（2014年6月期）に急増した部門の研究開発費（640百万円、前期比305百万円増）は、今期もさらに商品力のある次期商品の開発前倒しを図りこの事業での攻勢を掛けたいとの意向から横ばい予想であり、研究開発費の負担減による利益への貢献も見込んでいない。以上のような状況からセグメント営業利益は、引き続きシルエットによる貢献が主となり1,691百万円（同55.0%増）が見込まれている。 ●設計事業 需要は国の公共施設の耐震化対策から、法制定に伴い民間の大規模建物の耐震診断へ移行しつつあり、この傾向は暫く続くと予想される。しかし、技術者の数は限られているため、急速な伸びは見込んでおらず、セグメント営業利益は771百万円（同0.0%）と前期並を予想している。 主要部門の予想は以上のようであるが、各セグメントとも比較的控えめ、余裕のある予想（前提）のように思われる。同社が発表する予想は常に確度の高いものであることと合わせると、現在の予想が上振れする可能性は高く、今後の動向は大いに注目する必要がありそうだが、特に新製品のラベルプリンターの動向は注視する必要がありそうだ。 （執筆：フィスコ客員アナリスト　寺島　昇） 《FA》