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年度末のドル円は?【フィスコ・コラム】

2024/2/11 9:00 FISCO
*09:00JST 年度末のドル円は?【フィスコ・コラム】 2024年がスタートして1カ月あまり。現時点で円安修正シナリオとは逆方向に進み、節目の150円に接近しています。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始と日銀の金融正常化を見極めにくいのが背景です。ドル・円は年度末に向け、どう動くでしょうか。 ドル・円相場は年明けに140円79銭で寄り付き、しっかりの値動きで1月19日には一時148円80銭まで値を切り上げました。同22-23日の日銀金融政策決定会合で市場の期待に反し大規模緩和が堅持され、円買いは後退。ただ、同30-31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後にパウエルFRB議長がインフレ率について目標を上回っているとして早期利下げに慎重だったものの、ドル・円はいったん失速しました。 日銀会合については、2月1日に公表された「主な意見」で出口政策に前向きな意見が目立ちました。能登半島地震の影響を考えると、「1-2カ月の間はフォローが必要」としており、春先のマイナス金利解除に現実味が増したようです。緩和政策の修正を年後半とみていた短期筋は「想定よりも早い」と期待。3月中旬の春闘の集中回答日を経て、マイナス金利解除の見方から円買いが入りやすい地合いでした。 ただ、植田日銀総裁は1月の会合後の記者会見で、「マイナス金利を解除しても緩和的な環境が続く」と述べています。内田副総裁も同様の見解を示しており、政策金利をゼロに戻すものの、当面はほぼそのままの状態が続くとの認識です。やはり現在の手堅い政策運営から、市場の前のめりの利上げ期待を消化していくとは想定できません。それが足元の円安につながり、ドル・円は1月高値を上抜けました。 FRBは利下げ開始が遅れつつあります。ゴールドマン・サックス証券はその時期を3月から5月に後退させ、9月まで4会合連続で25ベーシスポイント(bp)ずつ下げていくとの見立て。2月13日発表の1月消費者物価指数(CPI)が顕著に低下するとみられるものの、欧州中銀(ECB)や豪準備銀行、カナダ銀行など他の主要中銀が利下げ向かうなか、ドル選好地合いは変わらないかもしれません。 目先のドル・円は、日米金融政策を手がかりに150円を上抜けても不自然ではありません。ただ、米国債発行が縮小する見通しとなり、需給の引き締まりで米長期金利は先安観から下押しされる場面もあります。一方、株高が抑えられれば円買いを弱める半面、日本政府の円安けん制ゾーンに入り円買いも想定されます。様々な思惑が交錯する年度末に向け、140円台で底堅くも上値の重い値動きが見込まれます。 (吉池 威) ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 《TY》