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為替週間見通し:やや底堅い動きが続くか、米長期金利の動向を注視へ

2016/12/17 15:05 FISCO
*15:05JST 為替週間見通し:やや底堅い動きが続くか、米長期金利の動向を注視へ ■米金利見通し引き上げを受けてドル続伸 先週のドル・円は続伸。一時118円66銭まで買われる場面があった。13-14日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で0.25ポイントの利上げが全会一致で決定された。利上げは予想通りだったが、FOMCが公表した金利・経済予測では2017年に3回の利上げが想定されていた。2017年末の政策金利予測が9月時点の1.1%から1.4%に引き上げられていたことを受けて、リスク選好的なドル買いが急速に広がった。 ドル・円はFOMC会合の結果判明前は115円前後で推移していたが、金利見通しの引き上げを意識したドル買いが活発となり、14日のニューヨーク市場でドルは117円台前半まで上昇。15日も株高を好感してリスク選好的なドル買いは継続し、15日のロンドン市場で一時118円66銭までドル高・円安が進んだ。米長期金利の上昇を意識したドル買いが目立った。 しかしながら、16日の東京市場では、米国債利回りの上昇が一服したことや日本の長期金利上昇を意識してリスク選好的なドル買いは一段落。同日のニューヨーク市場では11月の米住宅着工件数が予想を大きく下回ったことや、中国海軍が米国の無人潜水機を拿捕したとの報道を受けてドルは伸び悩んだ。米長期金利は下げ渋ったものの、ポジション調整的なドル売りが増えたことでドル・円は一時117円47銭まで下落し、117円98銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:114円74銭-118円66銭。 ■やや底堅い動きが続くか、米長期金利の動向を注視へ 今週のドル・円はやや底堅い動きが続きそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は13-14日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で1年ぶりの利上げを決定したが、利上げペースは年2回から年3回となる可能性が示されており、日米金利差拡大を見込んだドル買い・円売りは継続する可能性がある。ドル・円の取引では、心理的な節目である120円や2016年の高値121円69銭が視野に入っている。 利上げは株安要因となり得るが、米国株は利上げペース加速の可能性が浮上するなかで底堅い動きを見せている。何らかの理由でドル売りが強まる局面でも株価が下げ渋った場合、ドルはサポートされる可能性がある。また、米長期金利の上昇基調は維持されていることもドルに対する支援材料となりそうだ。 ただ、19-20日に開かれる日本銀行金融政策決定会合で最近における長期金利の上昇について議論される可能性があり、円安進行や米長期金利の上昇を考慮して、長期金利の若干の上昇を容認することが決まった場合、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小するとの見方が出ている。また、11月8日の米大統領選から1カ月あまりで101円20銭から118円台後半までドル高・円安が進んでおり、ドル上昇のペースは極めて異例との見方が多い。日銀の金融政策は現状維持の見通しだが、長期金利の上昇を阻止することが明確に表明されなかった場合、クリスマス休暇に入る投資家の間で利益確定を狙ったドル売りが増える可能性がある。 なお、南シナ海の国際水域で、中国海軍艇が米国の海洋調査用ドローン1基を拿捕したことが、米当局者らの話で明らかになった。国防総省などによると、米艦艇が中国艦艇に通信で返還を要求したが、中国側からの応答はなかったようだ。16日のニューヨーク市場では地政学的リスク増大を意識してドルは伸び悩んだが、この一件を巡って米・中の関係悪化が意識された場合、米国株式に悪影響が及ぶとの見方が出ており、リスク回避的なドル売りが増える可能性がある。 【日銀金融政策決定会合】(19-20日開催) 日銀は20日に金融政策を発表し、同日15時半から黒田東彦総裁が記者会見する。2016年の最後の重要イベントになりそうだが、金融政策の変更は見込まれておらず、ドル買い・円売りに直結する要因にはなりにくい。 【米・11月PCEコア指数】(22日発表予定) 22日発表の米11月PCEコア指数は前年比+1.8%となる公算。上昇率は10月実績をやや上回ると予想されている。インフレ目標の+2.0%に達しない見通しだが、PCEコアは上昇基調にあることから、11月の数値が予想通りでも利上げペース加速への期待が高まり、ドル買い材料となる。 予想レンジ:116円50銭−120円50銭 《FA》