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*16:36JST 新興市場見通し：中小型株へ資金シフト続く、サンバイオ上場にも注目 先週の新興市場は、日経平均が前週後半の下落から25日線水準での攻防となるなか、出遅れ感のある中小型株への資金シフトの流れから堅調に推移した。直近IPO銘柄や個別材料株を中心に短期の値幅取り狙いの物色も活発となった。なお、週間の騰落率は、日経平均が+0.8％であったのに対して、マザーズ指数は+0.9％、日経ジャスダック平均は+1.0％だった。マザーズ指数は25日線と75日線に挟まれたレンジでこう着感を強める一方、日経ジャスダック平均は再び年初来高値を目指す展開となっている。 個別では、マザーズ時価総額上位のサイバーダイン<7779>が週間で4.9％高、ペプチドリーム<4587>が同7.6％高と堅調。ペプチドリームはノバルティス社と新たな契約合意との発表を受け買われる場面があった。一方、ミクシィ<2121>は前週に上昇した反動もあり同4.1％安とさえなかった。ジャスダック主力では、クルーズ<2138>が同13.9％高と強い上昇を見せている。開発中のスマートフォン向けゲームへの期待感などが背景のようだ。一方、15年3月期業績の下方修正を発表した日本通信<9424>は同12.2％安と急落。その他、マザーズでは直近IPO銘柄が連日で売買代金、上昇率上位に顔を出し、日本動物高度医療センター<6039>、プラッツ<7813>、モバイルファクトリー<3912>、ショーケース・ティービー<3909>などに物色が向かった。テーマ株では、LINEが上場を再申請したとの報道を受けて、アドウェイズ<2489>、ネットイヤー・グループ<3622>など関連銘柄が大幅高となる場面があった。個別材料や値動きの強さを手掛かりに、日本マニュファクチャリングサービス<2162>、ソフトフロント<2321>、ユビテック<6662>、GMOペパボ<3633>、倉元製作所<5216>なども人気化した。ただ、週末にかけて手仕舞い売りが広がる銘柄も多かった。 今週の新興市場は、全体としてはしっかりした展開となることが想定される。注目された米3月雇用統計が市場予想を下回り、週初には株式市場全体で慎重姿勢が広がる可能性もあるものの、値動きの軽さなどから中小型株への資金シフトが続くだろう。ジャスダックでは循環物色の回転が利き、指数は強含みで推移するとみられる。一方、マザーズでは指数の底打ち感が意識されるものの、売買代金の低迷が続き、足元のレンジ上放れを目指すには力不足との印象。大型IPOが控えていることも需給面の重しとなりそうだ。 年金資金の流入や海外勢の中小型株シフトが意識されるなか、高ROE銘柄などが再び注目を集める局面となりそうだ。また、今週は7日にメディアドゥ<3678>、8日にファーストブラザーズ<3454>、SHIFT<3697>、クリーク・アンド・リバー社<4763>、10日にコシダカHD<2157>、ブロッコリー<2706>、メディア工房<3815>、ニューテック<6734>などの決算発表が予定されており、好業績期待の銘柄では先回り買いの動きも見られるだろう。 IPO関連では、8日にサンバイオ<4592>がマザーズ市場へ新規上場する。再生医療関連として市場の関心は高いが、公開規模が大きいことなどから初値への警戒感も強いようだ。IPOを巡る問題がメディア等でクローズアップされ、日本取引所グループが是正を呼び掛ける異例の状況のなか、サンバイオの動向が注目されるだろう。 《TN》