マーケット
11/22 15:15
38,283.85
+257.68
44,296.51
+888.04
暗号資産
FISCO BTC Index
11/25 2:00:05
14,917,486
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日経平均は小反落、「想定超の底堅さを過大評価しない」第2弾

2023/4/21 12:13 FISCO
*12:13JST 日経平均は小反落、「想定超の底堅さを過大評価しない」第2弾  日経平均は小反落。19.33円安の28638.24円(出来高概算5億2353万株)で前場の取引を終えている。  20日の米株式市場でダウ平均は110.39ドル安(-0.32%)と3日続落。地銀の決算が低調で預金の減少が明らかになると金融不安が再燃し、下落して始まった。フィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を下回ったことも嫌気され、終日軟調に推移。終盤にかけては通信サービスのAT&Tの下落が一段の重しとなり、下げ幅を拡大した。ナスダック総合指数は-0.80%と反落。米株安を引き継いで日経平均は67.02円安からスタート。半導体株の上昇をけん引役に早々に切り返すと一時28778.37円(120.8円高)まで上昇し、ザラ場ベースでの年初来高値を更新した。しかし、景気後退懸念や為替の円高進行が嫌気されて失速。その後、再びマイナス圏にまで沈むと前日終値を挟んだ一進一退が続いた。  個別では、景気後退懸念や米金利低下、為替の円高などを背景にINPEX<1605>、住友鉱<5713>、日本製鉄<5401>の資源関連のほか、三菱UFJ<8306>、みずほ<8411>、第一生命HD<8750>の銀行・保険、日産自<7201>、ホンダ<7261>、マツダ<7261>の輸送用機器などが下落。ソフトバンクG<9984>、太陽誘電<6976>、TDK<6762>などハイテクの一角も軟調だった。  一方、台湾積体電路製造(TSMC)の設備投資計画の据え置きや中国半導体輸出規制の影響が想定以下との見方を示した米ラム・リサーチの株高、加えて消耗品需要の底打ち感が好感されたディスコ<6146>が急伸したこともあり、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、スクリン<7735>、ローツェ<6323>など関連株が軒並み大幅高。ディスコの決算でSiC(炭化ケイ素)を含むパワー半導体関連需要の強さが確認されたことが好感され、ローム<6963>、富士電機<6504>が高い。ロームは証券会社の新規買い推奨も確認されている。東京精密<7729>も証券会社の新規買い推奨を材料に大幅高。神戸物産<3038>は月次動向での粗利益率の改善が好感された。  セクターでは銀行、鉱業、保険が下落率上位に並んだ一方、機械、電気・ガス、金属製品が上昇率上位に並んだ。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の40%、対して値上がり銘柄は52%となっている。  本日の日経平均は一時28778.37円と3月9日に付けた28734.79円を超え、ザラ場ベースで年初来高値を更新した。けん引役は半導体株だ。前日の台湾積体電路製造(TSMC)が発表した1-3月期決算では売上高が会社計画のレンジ下限にも届かず、低調な内容だった。しかし、事前の報道などから設備投資計画を下方修正するとの見方が広がっていただけに、計画が維持されたことがポジティブに捉えられたもよう。また、米ラム・リサーチの1-3月期決算は実績が会社想定内に収まった一方、4-6月期の見通しは市場予想に届かなかったが、一部アナリストからは底入れの確度が高まっているとの指摘があった。加えて、会社側が中国に対する半導体規制の影響が想定よりも小さくなるとの見方を示したことも好感されたようだ。  さらに、東京市場では前日に決算を発表したディスコ<6146>が急伸し、上場来高値を更新。注目された2024年3月期第1四半期の出荷ガイダンスが想定程には落ち込まなかったとの指摘があり、安心感が台頭しているもよう。また、消耗品需要の底打ち見通しを示したこともポジティブ視されたようだ。  一方、日経平均はザラ場高値を更新した後は失速し、前日比マイナス圏に沈むなど不安定な動きを見せている。上述したように半導体株は軒並み高で全体を支えているが、他の主力処の景気敏感株は総じて売られている。米経済指標の悪化を受けた景気後退懸念や為替の円高への揺り戻しが要因と思われる。  前日に発表された米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス31.3と前月のマイナス23.2から低下し、約3年ぶりの低水準を記録。市場予想(マイナス19.2)も大きく下回った。また、週間新規失業保険申請件数は前週から5000件増加の24万5000件、市場予想(24万件)を上回った。失業保険の継続受給者数も186万5000人に増加し、市場予想(182万5000人)を上回り、2021年11月以来の高水準を記録。総じて労働市場が徐々に減速していることが示唆された。  一方、国内で発表された3月の全国消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くコアCPIが前年同月比+3.1%と、市場予想(+3.0%)にほぼ一致し、2月から伸びは横ばいにとどまった。ただ、岸田政権の政策によって価格が抑制されているエネルギーも除いた指標(生鮮食品とエネルギーを除いたコアコアCPI)では同+3.8%と、2月(+3.5%)から伸びが加速、市場予想(+3.6%)も上回った。  経済指標の下振れに伴う米国経済の景気後退懸念に加え、国内でのインフレ圧力による日本銀行の金融緩和修正に対する思惑の高まりが、為替の円高リスクを意識させていると考えられ、ドル円は東京時間に入ってから1ドル=134円を割り込んできている。来週の日米主力企業の決算発表の本格化および日銀金融政策決定会合を前にやや警戒感が台頭しているようだ。  先週に連騰劇を見せた日経平均は短期調整が予想されていた今週も想定以上の底堅さを見せ、株価指数だけをみると相場のムードは強気に傾いているようにも見られる。前日に日本取引所グループ(JPX)が発表した投資部門別売買状況によると、4月第2週(10-14日)に、海外投資家は現物株で1兆円以上も買い越した。これは正直やや意外な印象を抱いたが、足元の買いたい意向をもつ投資家にとってはサポート材料として捉えられそうだ。  しかし、先週から連日にわたり、東証プライム市場の売買代金は2兆円台前半の状況が続いており、商いは盛り上がりに欠けている。上述の海外投資家の買いについては、東京証券取引所によるPBR1倍割れ企業への改善要請の動きや、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏の追加投資報道などをきっかけに日本株の見通し機運が高まっている故との指摘もあるが、1-3月の間に日本株を大きく売り越してきた海外勢が買い戻したに過ぎないとも言える。年始からの累計でみると、海外勢は最新の4月第14日時点において現物株を1700億円程の買い越しに転じてきた。これは米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻に端を発した金融システム不安が後退する中、主力企業の1-3月期決算シーズンの本格化を前にポジションを一度中立に戻したかったからかもしれない。  本腰の入った買いが入っているようには見られない中、足元の想定以上とも言える程に底堅い株式市場を過度に評価しない方がよいと考えている。(仲村幸浩) 《AK》
関連銘柄 20件
1605 東証プライム
2,005
11/22 15:30
+25(1.26%)
時価総額 2,524,568百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
3038 東証プライム
3,580
11/22 15:30
+29(0.82%)
時価総額 979,488百万円
冷凍・加工食品など食品中心の「業務スーパー」を展開。デザート、菓子類に大ヒット商品多数。独自の輸入ルートに強み。業務スーパーの総店舗数は1070店舗超。中計では26.10期売上高5430億円目標。 記:2024/10/24
5401 東証プライム
3,125
11/22 15:30
+12(0.39%)
時価総額 2,969,753百万円
国内最大、世界有数の製鉄会社。自動車用鋼板、電磁鋼板、高級シームレス鋼管で実績。日鉄エンジニアリングなどを傘下に収める。米鉄鋼大手USスチール買収へ。中国減速で需要や市況は伸び悩み。原材料高も響く。 記:2024/06/24
5713 東証プライム
3,823
11/22 15:30
-41(-1.06%)
時価総額 1,111,782百万円
総合非鉄素材メーカー。1590年創業。住友グループの源流。資源開発、銅など非鉄金属の製錬、機能性材料の製造・販売等を行う。材料事業では車載用電池材料の需要が底堅い。資源部門では菱刈鉱山が順調な操業継続。 記:2024/07/02
6146 東証プライム
42,590
11/22 15:30
+210(0.5%)
時価総額 4,613,221百万円
半導体の精密加工装置、精密加工ツールの製造・販売を行う。1937年に広島県呉市で創業。ダイシングソーなどで世界トップシェア。パワー半導体向け中心に精密加工装置は出荷順調。生産能力の強化、効率化推進。 記:2024/06/28
6323 東証プライム
1,775.5
11/22 15:30
+14.5(0.82%)
時価総額 313,198百万円
世界シェアトップクラスの半導体ウエハ搬送装置メーカー。広島県福山市に本社。サムスングループなどが主要取引先。細胞培養装置等の製造・販売も。半導体・FPD関連装置事業では生産システムの強化等に取り組む。 記:2024/08/09
6504 東証プライム
8,551
11/22 15:30
+65(0.77%)
時価総額 1,276,639百万円
大手総合電機。1923年創業。駆動制御機器や電源機器、計測機器、監視制御システム、半導体等を手掛ける。地熱発電設備、非鉄金属向け大容量変圧整流器等で世界トップシェア。新製品投入など成長戦略の推進図る。 記:2024/07/28
6762 東証プライム
1,875.5
11/22 15:30
-6.5(-0.35%)
時価総額 3,645,709百万円
大手電子部品メーカー。1935年創業。二次電池などエナジー応用製品が主力。スマホ内臓バッテリーで世界トップシェア。海外売上高比率は9割超。高収益事業の強化図る。中計では27.3期売上高2.5兆円目標。 記:2024/08/29
6857 東証プライム
9,447
11/22 15:30
+62(0.66%)
時価総額 7,237,734百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6963 東証プライム
1,414
11/22 15:30
-32.5(-2.25%)
時価総額 570,917百万円
半導体・電子部品メーカー。LSI事業、半導体素子事業が柱。パワーダイオードや小信号ダイオードは世界シェア上位。SiCなどパワーデバイスは生産能力増強進める。LSIの新商品開発で新規需要の獲得図る。 記:2024/10/20
6976 東証プライム
2,149
11/22 15:30
-60.5(-2.74%)
時価総額 279,838百万円
電子部品メーカー。積層セラミックコンデンサ等のコンデンサが主力。インダクタや通信用デバイス、アルミニウム電解コンデンサ等も。自動車、情報インフラ・産業機器が注力市場。インダクタや複合デバイスは売上順調。 記:2024/06/11
7201 東証プライム
406.3
11/22 15:30
-5.7(-1.38%)
時価総額 1,714,876百万円
大手自動車メーカー。1933年設立。仏ルノー、三菱自動車とアライアンス形成。プロパイロットなど自動運転化技術等に強み。日本は電動車のモデルミックス向上、中国では日産ブランド車のラインナップ刷新図る。 記:2024/10/07
7261 東証プライム
1,003
11/22 15:30
-2.5(-0.25%)
時価総額 633,699百万円
1920年創業の自動車メーカー。広島県安芸郡府中町に本社。トヨタと資本業務提携。人気車種にクロスオーバーSUV「CX-5」など。高効率エンジン等に強み。北米市場は販売順調。25.3期は販売台数増を見込む。 記:2024/08/30
7729 東証プライム
7,692
11/22 15:30
+43(0.56%)
時価総額 324,310百万円
精密機器メーカー。半導体製造装置部門が主力。半導体ウェーハテスト装置で世界トップシェア。精密測定機器で国内トップシェア。配当性向40%程度目安。製品部材の先行調達などで半導体製造装置部門の業容拡大図る。 記:2024/06/18
9,067
11/22 15:30
-31(-0.34%)
時価総額 921,117百万円
半導体機器の製造、販売等を行うSCREENセミコンダクターソリューションズが中核の持株会社。バッチ式洗浄装置やスピンスクラバーなどで世界トップシェア。配当性向30%以上目安。DX推進による生産性向上図る。 記:2024/08/22
8035 東証プライム
22,250
11/22 15:30
+470(2.16%)
時価総額 10,493,834百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,825
11/22 15:30
+19(1.05%)
時価総額 24,239,641百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
3,835
11/22 15:30
-13(-0.34%)
時価総額 9,738,024百万円
みずほ銀行を中核とする銀行持株会社。みずほ信託銀行、みずほ証券、みずほリサーチ&テクノロジーズなども傘下に持つ。シンジケートローンなどに強み。配当性向は40%目安。26.3期連結ROE8%超目標。 記:2024/08/27
3,799
11/22 15:30
+20(0.53%)
時価総額 3,918,095百万円
第一生命保険を中核とする持株会社。第一フロンティア生命保険、アイペット損害、ベネフィット・ワンなども傘下に持つ。既存進出国の資本効率改善などに取り組む。中期経営計画では27.3期ROE10%程度目標。 記:2024/08/30
9984 東証プライム
8,586
11/22 15:30
+36(0.42%)
時価総額 12,621,377百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17