マーケット
10/31 15:15
39,081.25
-196.14
41,763.46
-378.08
暗号資産
FISCO BTC Index
11/1 12:33:11
10,606,404
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

日経平均は5日ぶり大幅反落、米CPIショックも織り込みはまだ不十分?

2022/9/14 12:14 FISCO
*12:14JST 日経平均は5日ぶり大幅反落、米CPIショックも織り込みはまだ不十分?  日経平均は5日ぶり大幅反落。622.81円安の27991.82円(出来高概算5億7693万株)で前場の取引を終えている。  13日の米株式市場でダウ平均は1276.37ドル安(-3.94%)と5日ぶりに急反落。8月消費者物価指数(CPI)が予想を上回る伸びとなったため、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速懸念が高まった。長期金利の急伸でハイテク株の売りが加速し、相場をさらに押し下げ。FRBの過剰な利上げによる景気後退懸念も浮上し、サービスや小売なども売られ一段安に。手仕舞い売りも膨らみ引けまで下げ止まらなかった。ナスダック総合指数も-5.15%と急落。日経平均は481.93円安からギャップダウンで始まると、すぐに28000円を割り込み、寄り付き直後に27795.64円(818.99円安)まで下落。ただ、円安を支援要因とした輸出企業やインバウンド関連銘柄への押し目買いなども支えに下げ渋ると、買い戻しが入り、一時は28000円を回復。その後も同水準を挟んだ一進一退で底堅く推移した。  個別では、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、キーエンス<6861>などの主力ハイテク株のほか、ラクスル<4384>、マネーフォワード<3994>、ラクス<3923>などのグロース株が軒並み大きく下落。ヤーマン<6630>は決算が嫌気されて急落。中国電力<9504>は今期見通しが失望されて大幅安。一方、ダブル・スコープ<6619>、レノバ<9519>の個人投資家人気の高い両銘柄が高い。前日の米株式市場でエネルギー関連が相対的に底堅ったことでINPEX<1605>、三井物産<8031>、三菱重<7011>、大阪チタ<5726>などが堅調。連日で賑わっていたインバウンド関連も底堅く、JAL<9201>、高島屋<8233>、エアトリ<6191>などが買われている。エイチ・アイ・エス<9603>は決算があく抜け感にも繋がり大幅高。三井ハイテック<6966>は好決算を手掛かりにハイテク株安のなか逆行高となった。  セクターでは電気機器、ゴム製品、金属製品を筆頭にほぼ全面安。一方、鉱業のみが上昇となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体89%、対して値上がり銘柄は9%となっている。  米CPIの上振れによるネガティブサプライズで日経平均は再び心理的な節目である28000円及び25日移動平均線を割り込んだ。一方、直近の相次ぐ水際対策緩和に関する報道を支援要因に、インバウンド関連銘柄には引き続き買いが入っているほか、再び1ドル=145円を窺う水準まで急速に進んだ円安・ドル高進行を背景に自動車関連の一角は買われるなど、押し目買い意欲も見られている。日経平均は急落後に一時28000円まで買い戻される場面もあった。米国株の急落時でも相対的に日本株の底堅い動きが続いていることは評価できる。  しかし、米国株が落ち着かない限り、日本株も良くてせいぜいレンジ相場を維持することくらいしかできないだろう。米8月CPIは前年比+8.3%と予想(+8.0%)を大きく上振れ、前月比でも+0.1%と減速の予想(-0.1%)に対して上振れた。米国でガソリン価格の下落傾向が続いていたことで、事前にはむしろ予想を下回って7%台の伸びまでの減速もあり得るのではないかという声もあった。それだけに、上振れはネガティブササプライズである。  また、より深刻なのはFRBが重要視するコア指数の上振れ度合いだ。変動の激しい食品・エネルギーを除いたコア指数は前年比+6.3%と7月(+5.9%)から大きく加速し、予想(+6.1%)も大幅に上振れた。前月比では+0.6%と7月(+0.3%)及び予想(+0.3%)から2倍の上振れとなった。単月の上振れ(下振れ)では基調の判断は難しく、過剰反応するべきではないかもしれないが、足元の株式市場では、インフレ減速期待やFRBの金融政策の織り込み進展を理由に楽観的なムードが広がっていたため、頭を冷やすには十分すぎるインパクトがあった。  市場では20日から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75pt利上げは完全に織り込まれ、一部では1.00ptの利上げも指摘しており、確率としても3割程にまで上昇した。実際のところ、1.00ptへの緊急利上げ幅拡大に踏み切れば、FRBの動揺が市場に伝播しかねないため、確率は低いだろう。それよりは、0.5ptへの利上げ幅縮小が見込まれていた11月会合での4回連続での0.75pt利上げ確率がかなり高まってきたといえる。11月の0.75pt利上げ確率は足元で5割程にまで上昇してきている。  金利先物市場の動きを見ると、市場が織り込むターミナルレート(政策金利の最終到達点)は4.3%台後半にまで大きく上がってきた。ただ、依然として時期としては来年3月頃からの政策金利の横ばい、その後の緩やかな利下げを予想している。金利水準としては目線が切り上がったものの、FRBの積極的な金融引き締めが景気後退を招き、来年半ばには利下げ転換を迫られるとの見方は変えていないようだ。  しかし、FRBは人々にインフレ心理が根付くのを一番恐れており、これを防ぐために速やかに需要が供給を下回る水準にまで低下する手段として利上げを続けるとしている。今後も高インフレが続くのであれば、FRBは高いインフレ期待の定着を阻止するために粘り強く高金利を維持するとみられ、簡単には利下げに転じることはないだろう。  パウエルFRB議長も家計や企業に痛みが伴ってでもインフレ沈静化を最優先にすることを主張しており、年明け以降に景気が悪化したとしても早々に利下げに転じることはないのではないだろうか。実際、ジャクソンホール会議では、1970年台後半のウィリアム・ミラー議長時代を例に挙げ、景気悪化に応じて利下げに転じた結果、インフレをぶり返してしまった過ちと、それを再び繰り返すことの危険性を指摘している。  まだ今晩の米8月卸売物価指数(PPI)の発表が残っているうえ、重要なのは来週に控えるFOMCではあるが、現時点で筆者としては、市場はまだFRBのタカ派スタンスを完全には織り込みきれていない気がしてならない。  後場の日経平均は28000円を挟んだ一進一退が続きそうだ。前場の急落した局面では国内機関投資家による押し目買いが入っていたとの声が聞かれており、日本株の現状水準は割安との見方を裏付ける動きとして歓迎される。一方、今晩以降の米株式市場の動向が気掛かりで積極的に押し目買いを入れられる状況でもなかろう。強気派と弱気派の拮抗は続き、指数は心理的な節目を意識したもみ合いが続きそうだ。(仲村幸浩) 《AK》
関連銘柄 20件
1605 東証プライム
2,013.5
10/31 15:00
+14.5(0.73%)
時価総額 2,792,054百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
3923 東証プライム
2,070
10/31 15:00
+6.5(0.31%)
時価総額 375,117百万円
経費精算システム「楽楽精算」が主力。電子請求書発行システム「楽楽明細」やクラウド型販売管理システム「楽楽販売」などのほか、IT人材事業も展開。楽楽精算は累計導入社数が1.7万社超。成長投資を継続。 記:2024/08/23
3994 東証プライム
5,046
10/31 15:00
-28(-0.55%)
時価総額 275,890百万円
経理・確定申告、人事労務等の「マネーフォワード クラウド」が主力。家計簿アプリや事業用プリペイドカード、企業間請求・決済代行サービスなども。「マネーフォワード クラウド」の課金顧客数は順調に増加。 記:2024/05/16
4384 東証プライム
1,302
10/31 15:00
+60(4.83%)
時価総額 76,783百万円
印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」、テレビCM・動画広告のプラットフォーム「ノバセル」の運営等を行う。ラクスルの累計登録ユーザー数は252万人超。27.7期売上総利益300億円を目指す。 記:2024/05/10
2,172
10/31 15:00
-13(-0.59%)
時価総額 79,930百万円
スポンジチタンのトップメーカー。兵庫県尼崎市に本社。低酸素球状チタン粉末や高純度チタン等の高機能材料事業も展開。神戸製鋼所等が主要取引先。配当性向25%~35%目安。球状チタン合金粉末等の拡販図る。 記:2024/09/02
6191 東証プライム
1,041
10/31 15:00
+17(1.66%)
時価総額 23,064百万円
総合旅行プラットフォーム「エアトリ」を運営。Wi-Fiレンタル事業、地方創生事業、ITオフショア開発事業等も。メルマガのまぐまぐ等を傘下に持つ。M&Aによる成長投資を行う。エアトリ経済圏の構築・強化図る。 記:2024/10/09
6619 東証プライム
360
10/31 15:00
+2(0.56%)
時価総額 19,851百万円
リチウムイオン二次電池用セパレータの製造、販売を行う。イオン交換膜事業等も手掛ける。売上構成比は車載向けが6割超。欧米、アジア地域のEV用電池メーカーなど新規顧客開拓図る。製品競争力の強化等にも注力。 記:2024/07/28
6630 東証プライム
843
10/31 15:00
+5(0.6%)
時価総額 49,188百万円
美容健康機器の製造・販売、化粧品や生活雑貨の販売等を手掛ける。美顔器で国内トップシェア。ヤーマン、ミーゼなどのブランドを展開。28.4期売上高700億円目標。ヘアケア、シェーバーを育成ブランドとして注力。 記:2024/05/08
6758 東証プライム
2,723.5
10/31 15:00
-26.5(-0.96%)
時価総額 17,003,077百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
6861 東証プライム
69,780
10/31 15:00
+620(0.9%)
時価総額 16,971,054百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6966 東証プライム
829
10/31 15:00
-9.7(-1.16%)
時価総額 163,590百万円
モーターコア製品等の製造・販売を行う電機部品が主力。リードフレーム、プレス用金型、平面研削盤等も手掛ける。福岡県北九州市に本社。車載用モーターコアで世界トップシェア。生産性向上、原価低減に取り組む。 記:2024/10/14
7011 東証プライム
2,193
10/31 15:00
+20(0.92%)
時価総額 7,398,410百万円
総合重機国内最大手。1884年創立。各種発電システムや航空機用エンジン、物流機器、製鉄機械、特殊車両等を手掛ける。ガスタービンで世界トップシェア。中期経営計画では27.3期売上高5.7兆円以上目標。 記:2024/09/03
8031 東証プライム
3,162
10/31 15:00
-32(-1%)
時価総額 9,572,598百万円
大手総合商社。鉄鉱石や原油・LNGなど資源分野に強み。機械・インフラ、化学品、生活産業などの事業を多角的に展開。インドネシアのパイトン発電事業の持分売却は完了。中計では26.3期当期利益9200億円目標。 記:2024/06/04
8035 東証プライム
23,400
10/31 15:00
-610(-2.54%)
時価総額 11,036,212百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
8233 東証プライム
1,220.5
10/31 15:00
+2.5(0.21%)
時価総額 399,903百万円
大手百貨店。日本橋、新宿、大阪、京都などに大型店を有す。海外はシンガポール、ベトナム、タイなどで店舗展開。商業開発業や建装業、金融業等も。27.2期営業利益575億円目標。人的資本への投資を加速。 記:2024/05/06
9201 東証プライム
2,455.5
10/31 15:00
+13(0.53%)
時価総額 1,073,407百万円
大手航空会社。航空旅客事業や貨物郵便事業、マイル/金融・コマース事業などを展開。LCCのZIPAIR Tokyo、スプリング・ジャパンなどを傘下に持つ。スマホ決済「JAL Pay」のサービス拡充図る。 記:2024/08/30
9504 東証プライム
1,112.5
10/31 15:00
+30(2.77%)
時価総額 430,710百万円
中国地方地盤の電力会社。総合エネルギー事業や送配電事業、情報通信事業を手掛ける。石炭火力比率が高い。26.3期連結自己資本比率15%以上に回復させる目標を掲げる。島根原発2号機は24年12月に再稼働予定。 記:2024/06/11
9519 東証プライム
871
10/31 15:00
+15(1.75%)
時価総額 79,387百万円
再エネ発電所を開発・運営。太陽光を軸にバイオマス、洋上風力発電事業も。小規模分散型の太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加。東京ガとの間で資本業務提携、第三者割当増資で資本増強。 記:2024/08/26
9603 東証プライム
1,752
10/31 15:00
+32(1.86%)
時価総額 139,916百万円
旅行会社大手。海外旅行に強み。「変なホテル」等の運営を行うホテル事業も。九州産業交通HDなどを傘下に収める。ハウステンボスは22年に譲渡。26.10期売上4300億円目標。グローバルマーケットの強化図る。 記:2024/06/09
9984 東証プライム
9,498
10/31 15:00
-45(-0.47%)
時価総額 16,364,617百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17