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ムサシ Research Memo(2):多様な収益基盤、「強い営業力」と「商品開発力」、安定した財務基盤が強み(1)

2024/7/10 13:12 FISCO
*13:12JST ムサシ Research Memo(2):多様な収益基盤、「強い営業力」と「商品開発力」、安定した財務基盤が強み(1) ■会社概要 1. 会社概要 ムサシ<7521>は、1946年に紙の卸販売会社として創業し、現在では情報関連、印刷関連の商社事業に加え、自社開発した選挙関連機器や金融関連機器の製造販売も行っている。商社とメーカーの両面を併せ持った企業だが、いずれもニッチな市場に焦点を当てているのが特長だ。 2. 事業の概要 (1) 事業構成(セグメント別売上高) 決算短信で公表されている各セグメント別の売上高(2024年3月期)は、「情報・印刷・産業システム機材」が18,984百万円(対売上高比率57.3%)、「金融汎用・選挙システム機材」が4,674百万円(同14.1%)、「紙・紙加工品」が9,214百万円(同27.8%)、「不動産賃貸・リース事業等」が266百万円(同0.8%)となっている。 さらに「情報・印刷・産業システム機材」はサブセグメントとして「情報・産業システム機材」と「印刷システム機材」に、「金融汎用・選挙システム機材」は「金融汎用システム機材」と「選挙システム機材」に分けている。以下は、「サブセグメント」の内容である。 (2) 情報・産業システム機材 文書や図面、マイクロフィルムなどあらゆる形態の情報を電子化する文書のデジタル化事業である。具体的には、ドキュメント・マイクロフィルムスキャナーやデジタルアーカイブシステムの販売及び関連ソフトウェアの開発・販売、非破壊検査に使用される産業用検査機材の販売、感熱式拡大プリンターの製造・販売、機能性材料(業務用ろ過フィルター等)の販売など。主な販売先は、官公庁・自治体、企業・金融機関、学校・図書館、非破壊検査業者である。 (3) 印刷システム機材 印刷機器・材料・ソフトウェア、印刷業務管理システムやWeb受発注システム、高精度インクリボン方式のプリントシステム機材の販売など。さらに印刷物の高付加価値化を実現する高性能「レーザー加工機」など印刷後加工分野の商品販売も行っている。主な販売先は、印刷会社、文具・印章店、DPEショップ、一般企業である。 (4) 金融汎用システム機材 金融機関の出納・両替業務や流通・運輸交通業における現金精算業務の効率化を図る貨幣処理機器、鍵・通帳などの管理機器、セキュリティ機器の開発・製造・販売及び関連したソフトウェア開発、貨幣処理機器等の輸出など。主な販売先は、金融機関、流通業(デパート、スーパー、コンビニエンスストア等)、宅配業、交通機関、公営競技場などである。 (5) 選挙システム機材 投開票業務の効率化を図る投票用紙読取分類機や計数機・交付機などの各種機器をはじめ、業務管理ソフトウェアの開発・製造・販売、選挙用品・用具の販売、投票率アップを図る選挙啓発プロモーションの支援などの総合サプライヤーとして業界最大手であり、販売先は各自治体である。 (6) 紙・紙加工品 印刷・出版・情報・事務用紙、板紙、付加価値の高い特殊紙や紙加工品の開発・販売及び感圧紙の製造・販売。主な販売先は、印刷会社、紙器業者、出版社などである。 (7) 不動産賃貸・リース事業等 不動産の賃貸・運用、車両リース、各種保険代理店業務など。 (8) 注力事業の概要と特色 様々な商品を取り扱うなか、特に以下のような製品やサービスに注力している(いずれも「情報システム機材」分野に属する)。 a) 文書のデジタル化事業 様々な紙媒体を電子データ化またはマイクロフィルム化することに加え、各種マイクロフィルムを電子化あるいは印刷する。さらに、電子化された各種データを様々な記録媒体に記録するだけでなく、マイクロフィルム化及び印刷する。このように、顧客の要望に応じて様々なメディアに変換するのが同事業の特徴だ。今後も、以下の2つの大きな流れで需要増が期待できる。 〇 新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)で進んだテレワークへの移行がコロナ禍収束後(アフターコロナ)でも継続→文書や資料の電子化需要が今後も拡大。 〇 官公庁・自治体、大手企業:働き方改革や「DX」により保管文書の電子化需要が拡大。 同社の文書のデジタル化事業の特色(強み)は、1) 独自開発のデジタルアーカイブシステム、2) 高品質の加工処理、3) 元資料に対する万全なセキュリティ、4) 高い生産性(国内最大級のドキュメントイメージングセンターを有する)などである。さらに、デジタルデータ作成、データ検査、検索情報の入力などの工程を一貫して管理することが可能で、この結果、より正確で効率的なデータベースづくりを行うことができる。これは、長年のマイクロフィルムサービスのノウハウの蓄積によるもので、同業他社が簡単には追い付けない部分でもある。 b) 業務用ろ過フィルター事業 富士フイルム<4901>が開発・製造する業務用ろ過フィルター「ミクロフィルター」の販売代理店事業で、同社は国内市場の総販売代理店の地位にある。ろ過フィルターはマイクロメートル(μm)単位の微粒子・微生物を「ろ過」によって分離・除去するものだが、食品・飲料、エレクトロニクス(半導体、電子部品等)、医療などの各分野で幅広く利用されている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《SO》
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時価総額 4,154,549百万円
富士フイルムを中核とする持株会社。メディカルシステムや電子材料、オフィスソリューション、デジカメを手掛ける。医用画像情報システムで世界トップシェア。配当性向30%目安。27.3期営業利益3600億円目標。 記:2024/07/08
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時価総額 12,927百万円
情報・印刷・産業システム機材が主力。1946年創業。金融汎用・選挙システム機材、紙・紙加工品等も。選挙システム機材で国内トップシェア。業務用ろ過フィルターは販売順調。デジタル非破壊検査機器の販売等に注力。 記:2024/09/02