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新日本製薬 Research Memo(8):ミニマムライフ世代・ミドル世代開拓では、今秋にも新スキンケアブランドを投入
2021/6/16 16:08
FISCO
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*16:08JST 新日本製薬 Research Memo(8):ミニマムライフ世代・ミドル世代開拓では、今秋にも新スキンケアブランドを投入 ■成長戦略 (1) パーフェクトワンブランドのさらなる成長 新日本製薬<
4931
>の中期的な業績ターゲットの早期実現に向けた戦略は、パーフェクトワンブランドのさらなる成長を目指し、長期的に選ばれ続けるブランドに育てていくことがベースとなる。同社は、アンチエイジングスキンケアの市場拡大を背景に、パーフェクトワン オールインワン美容液ジェルシリーズから日本で初めてビタミンPPを配合した「パーフェクトワン 薬用リンクルストレッチジェル」を2020年9月に発売し、発売後の売上は堅調となっている。さらに同商品を中心にTVやSNSで積極的な広告投資を実施している。同社によると、大手化粧品メーカーのスポット美容液は高価格帯(10,000~15,000円)であり、プレイヤーが多く厳しい競争環境となるが、同社はオールインワンタイプで中価格帯(7,150円税込)の商品を展開している。そのため大手化粧品メーカーと競合しにくいうえ、今後の成長に期待できると言う。同社の強みが発揮できるポジショニングにより、パーフェクトワンブランドの成長をけん引していく戦略である。 同社の顧客データベース537万人(2021年3月末時点)のうちシニア世代は6割強を占めている。このことを強みに、シニア世代の顧客データベースの価値を最大化する戦略を展開していく方針だ。また、主力のパーフェクトワン オールインワン美容液ジェルのリニューアルによる商品力の強化やパーフェクトワンブランドのリブランディングを行い、ブランド価値の向上を図る。さらに、シワ改善ジェルなど高機能商品へのアップセル、季節限定商品などのクロスセル、コールセンター提案による購入頻度の引き上げ、休眠顧客への再購入促進によるデータベースの活性化といった施策を講じることにより、LTVの引上げと新規顧客獲得を目指していく。 「パーフェクトワン 薬用リンクルストレッチジェル」は既存顧客による商品切替が想定を上回るスピードで進捗しており、アップセルとLTV引き上げに貢献している。パーフェクトワンブランドで新たな顧客層を開拓するため、幅広い世代に人気がある男性タレントを起用して全国でコマーシャルを放送すると放送開始直後にTwitter検索トレンド1位を獲得したほか、SNSアカウントフォロワー数はTwitterが開始3ヶ月で5倍、Instagramにおいては開始5ヶ月で55倍に増加した。同時に、ミニマムライフ世代の新規顧客が急増している。同社は、今後も人気タレントを起用した新たなコマーシャル等の広告施策を予定しており、ミニマムライフ世代を中心にパーフェクトワンブランドの認知度拡大とともに“シンプルに賢く効果的なスキンケアを行う”という新常識の浸透を図っていく。 ただ、ミニマムライフ世代は同社の化粧品について、シニア向けのやや高額な商品という印象を持ちやすいのではないかと弊社では考えている。そのため、同社はミニマムライフ世代・ミドル世代をターゲットに、SNSを活用したデジタルマーケティングやドラッグストア等の新たな顧客接点の開発を実施するほか、2021年秋に新スキンケアブランドの投入を計画している。足元ではシニア世代のアップセルとクロスセルに重点を置きつつ、新スキンケアブランド投入による攻めの戦略による売上拡大に期待したい。 (2) EC・デジタル展開の加速 ミドル世代、ミニマムライフ世代に向け、オンライン・オフラインにおけるプロモーション連携施策(以下、オンオフ連携施策)の実施や「PERFECT ONEアプリ」を活用したCRMの強化によって、国内ECチャネルの新規顧客獲得を推進していく。同社は、紙媒体などのオフライン通販にQRコードを付けECサイトへ誘導することで、同施策による新規顧客獲得件数は前年同期比で4.3倍となった。顧客とのコミュニケーションツールとして「PERFECT ONEアプリ」もスタートしており、コンテンツの充実に努めてアプリダウンロード数は前年同期比で5.2倍となった。今後もオンオフ連携施策を含め顧客とのデジタルコミュニケーションを行い、新規顧客を効率よく獲得していく方針だ。 そのほか、コールセンターのオペレーション効率化と生産性向上とコールセンターの将来的なチャットボット対応やAIの導入を見据え、PBXのクラウド化やVOC分析の高度化を推進していくとしている。 (3) グローバルブランドに向けたブランド育成と成長 同社は成長性の高い中国を中心に、ECをベースに海外販売の拡大を図っている。中国のほか、台湾・香港、ASEAN(シンガポール・ベトナム・タイ)、北米といずれもターゲット層は消費力の高い20代~40代を中心としている。中国における販売チャネルはEC(「越境EC」「RED」「天猫」等)で、発信力の高い20代に向けて認知度拡大とLTV向上を図っている。ライブコマースイベントでは、フォロワー数350万人を有するKOLを起用し、TikTokでイベントを実施している。台湾・香港では、販売チャネルとしてEC(自社サイト及び「MOMO」等)、店舗・卸売販売(バラエティショップ)、通信販売があり、ブランド認知度を強化しマルチチャネル化を推進する。ASEANでは、販売チャネルとしてEC(自社サイト及び「shopee」等)、店舗・卸売販売(バラエティショップ)があり、消費力のポテンシャルを見据えて中価格帯商品を展開していく戦略である。北米ではEC(自社サイト)を活用し、本格展開に向けて認知度拡大を図っている。 (4) スマートヘルスケア事業の育成 スマートヘルスケア事業については、近年の世界的な健康ブームやパーソナルヘルスケアへの関心の高まりを受け、2021年9月期第1四半期よりスタートした。第2の事業の柱として強化・拡大していく方針である。ミニマムライフ世代~ミドル世代をターゲットとしてECを中心にドラッグストアでも展開を開始する。ドラッグストアにおいては中規模のチェーン店から展開を進めている。同社では、顧客とチャネルの差別化を図り売上のプラスオンを図る計画である。なお、ドラッグストアなどは値下げ要請等が起こりやすいと考えられる点においては注意する必要があると弊社では考えている。 ミニマムライフ~ミドル世代をターゲットとしたスマートヘルスケアのコンセプトは「“自律したヘルスケア”を支える」を掲げている。商品は、ニューノーマルにおいて自分を防御する力(自己防衛力)をサポートするサプリメント「BODY AURA」が主力となり、自社オンラインショップや全国のドラッグストアでの販売をスタートしている。スマートヘルスケア事業では、販売地域でのコマーシャル、ラジオコマーシャルにより認知度を拡大し、事業を育成していく方針である。一方、シニア世代をターゲットとしたこれまでのヘルスケアのコンセプトとして「“健康維持”や“悩みを解決”する」を掲げている。主な商品は「朝イチスッキリ!青汁サラダプラス」、機能性表示食品の「ロコアタックEX」及び「Wの健康青汁」などがある。下期以降は機能性表示食品への広告投資を推進し、新規顧客獲得やクロスセルの強化を図っていく。 (5) 新規事業の開発やM&Aによる事業領域の拡大 同社は、さらなる事業成長とヘルス&ビューティー領域における新しいライフスタイルの創造を目指し、既存事業の成長戦略に加え事業領域の拡大に向けた新規事業の開発やM&Aへの投資を計画している。ヘルスケア領域では、社会保障の給付費用が年々増加し国民の健康寿命延伸が日本政府の政策課題となっている。日本政府は「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」~戦略市場創造プラン(成長戦略2013)のなかで国民の健康寿命延伸に関連する国内市場は2030年に37兆円とする予想を発表した。併せて、コロナ禍で“食”によるボディメンテナンスをサポートする商材へのニーズは高まりを見せている。こうしたことを背景に、同社は2021年5月19日開催の取締役会において、(株)フラット・クラフトの全株式を取得し子会社化することを決議した。フラット・クラフトは、MCTオイルをはじめ、GHEEオイル、バターコーヒー等の食材の輸入・製造・販売を行っている。フラット・クラフトが持つ商材と営業基盤に、同社が持つ530万件を超える顧客基盤や通信販売のノウハウ、卸売販売の営業基盤などを融合させることで、さらなる業績の拡大を目指していく。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《EY》
関連銘柄 1件
4931 東証プライム
新日本製薬
1,953
12/20 15:30
-3(%)
時価総額 42,683百万円
化粧品、ヘルスケア商品の開発、販売を行う。福岡県福岡市に本社。化粧品「PERFECT ONE」、機能性表示食品「Wの健康青汁」等を展開。販売チャネルは通信販売が軸。Wの健康青汁は定期顧客数が着実増。 記:2024/10/07
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