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後場に注目すべき3つのポイント~国内外・市場内外でイベントや懸案多い

2021/9/28 12:24 FISCO
*12:24JST 後場に注目すべき3つのポイント~国内外・市場内外でイベントや懸案多い 28日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は続落、国内外・市場内外でイベントや懸案多い ・ドル・円はじり高、111円台に浮上 ・値下がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■日経平均は続落、国内外・市場内外でイベントや懸案多い 日経平均は続落。100.41円安の30139.65円(出来高概算6億9000万株)で前場の取引を終えている。 週明け27日の米株式市場でNYダウは4日続伸し、71ドル高となった。米国の新型コロナウイルス感染者数の減少で経済活動再開への期待が高まった。8月の耐久財受注(速報値)が市場予想を上回ったほか、金利上昇や原油高もあって景気敏感株に買いが入った。ただ、ハイテク株には売りが出て、ナスダック総合指数は0.5%の下落。本日の東京市場でも値がさの半導体関連株などで売りが先行し、日経平均は97円安からスタート。また、本日は9月末の配当等の権利付き最終売買日となるが、権利落ちを前に海運株などで売りがかさみ、日経平均は朝方に一時30001.99円(238.07円安)まで下落する場面があった。ただ、ファーストリテ<9983>やソフトバンクG<9984>が堅調で、日経平均は3万円台を維持して前引けにかけて下げ渋った。 個別では、郵船<9101>、川崎船<9107>、商船三井<9104>といった海運株が揃って急落し、売買代金上位と下落率で東証1部上位に顔を出している。値がさ株ではレーザーテック<6920>が3%超下落し、キーエンス<6861>や任天堂<7974>、東エレク<8035>も軟調。あさひ<3333>は決算を嫌気した売りがかさみ、上場廃止に係る猶予期間入り銘柄となったグリーンズ<6547>はストップ安を付けている。一方、前述したファーストリテやソフトバンクG、それに東証株価指数(TOPIX)への寄与が大きい時価総額上位のトヨタ自<7203>やメガバンク株が堅調。原油高でINPEX<1605>は3%超上昇している。JR西<9021>など経済活動の正常化に期待のかかる銘柄も引き続き買い優勢。また、業績上方修正のジューテック<3157>などが東証1部上昇率上位に顔を出している。 セクターでは、海運業、その他製品、精密機器などが下落率上位。一方、鉱業、輸送用機器、銀行業などが上昇率上位だった。東証1部の値下がり銘柄は全体の66%、対して値上がり銘柄は30%となっている。 本日の日経平均は朝方に下げ幅を200円超に広げる場面もあったが、そこから底堅さを発揮して3万円台を維持している。米長期金利の上昇による値がさグロース(成長)株の下落はある程度想定されただろうが、高配当利回りの海運株が権利落ちを前にきく売られたのには意外感があるかもしれない。ただ、以前当欄でも述べたが、信用買い残の増加やネット証券での売買動向などを見ると、短期志向の個人投資家の買いもかなり入っている印象を受けた。荒い値動きとなる場面が出てくるのもやむを得ないだろう。一方、指数寄与の大きいファーストリテやソフトバンクG、それに時価総額上位銘柄の堅調ぶりには日本株の先高観の根強さが感じられる。トヨタ自は連日で取引時間中の上場来高値更新だ。ここまでの東証1部売買代金は1兆7000億円強で、前日までと変わらぬペース。 新興市場ではマザーズ指数が-2.54%と大幅続落。やはり新興株でも米長期金利の上昇が重しとなっているが、直近安値を割り込む展開とはなっていない。本日は9月後半のIPO(新規株式公開)でもピークとなる4社が新規上場。ロボペイ<4374>はなお買い気配が続いているが、その他3社は公開価格を3割強上回る初値を付けた。いずれも小型のマザーズIPOだったものの、複数同時上場による投資資金の分散が初値を抑制したようだ。このところ「初値トレード」はまずまず活発だが、初値後軟調な銘柄も多かった。しかし、キャッシュレス決済システムのジィ・シィ企画<4073>は前引け時点でストップ高。明日は監視カメラシステムの有力スタートアップ企業として知られるセーフィー<4375>など2社が新規上場し、IPO銘柄の動向が一段と注目されそうだ。 ちなみにセーフィーは公募・売出し規模が252億円とマザーズIPOとしてはかなり大きかったが、同社指定の海外ファンドへの販売分を含め、公開株の68.4%が海外販売分となった。ブックビルディングでは海外投資家の需要が旺盛だったもよう。短期的に金利上昇などの上値抑え要因があるとはいえ、日本のテック企業に対する海外からの評価の高さは捨てたものではない。 さて、金融市場全体としては中国恒大集団に続く中国不動産会社の資金繰り問題の表面化、米国では長期金利の急ピッチの上昇に連邦政府の債務上限問題と、海外情勢に不透明感が残る。また、国内では明日29日に自民党総裁選の投開票が予定され、株式市場でも9月末の配当再投資需要の発生(市場推計で8000億円程度)、日経平均の銘柄入れ替えに伴う売り需要の発生(同5000億円程度)と需給イベントが相次ぐ。日本株は根強い先高観に支えられつつも、短期的に上下に振らされる場面が多く出てくるだろう。 このうち、米長期金利の動向を巡っては、今晩の米国でパウエル連邦準備理事会(FRB)議長やイエレン財務長官の議会証言、それに7年物国債の入札などが予定されているため、トレンドに変化が出てくるか注視したい。21~22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容がタカ派的と受け止められて金利水準の訂正が急速に進んでいるが、米国内外で懸念がくすぶるなか景気拡大期待が高まっているとも言えず、前日に一時上回った1.5%が目先の上限と予想する向きは多い。 中国不動産会社の債務問題を巡っては、中国人民銀行が「不動産市場の健全な発展を守る」と表明したことが安心感につながったようで、本日の香港ハンセン指数は大幅続伸している。後場の東京市場は香港株高を支えとしつつも、国内外の重要イベントを前に様子見ムードが強まる可能性がある。 ■ドル・円はじり高、111円台に浮上 28日午前の東京市場でドル・円はじり高となり、110円後半から111円10銭台に浮上した。前日海外市場では節目付近の売りに押されたが、本日アジア市場で中国や香港の株高を好感した円売りで、ドルは一時111円18銭まで上昇。ただ、米金利高は一服し、ドル買いは仕掛けづらい。 ここまでの取引レンジは、ドル・円は110円94銭から111円18銭、ユーロ・円は129円76銭から130円00銭、ユーロ・ドルは1.1685ドルから1.1700ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・ジューテックホールディングス<3157>、ジーダット<3841>など、5銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは東京エレクトロン<8035>、同2位がアドバンテスト<6857> ■経済指標・要人発言 【経済指標】 ・豪・8月小売売上高速報値:前月比-1.7%(予想:-2.5%、7月:-2.7%) 【要人発言】 ・日銀金融政策決定会合議事要旨(7月15-16日開催分) 「原材料価格の上昇で国内企業物価は上昇しているが、消費者物価への波及は現時点で限定的」(複数の委員) 「感染症拡大で日本経済の本格回復は展望レポート時点よりやや後ずれ」(同) <国内> 特になし <海外> 特になし 《CS》
関連銘柄 20件
1605 東証プライム
1,976
11/26 15:30
-42.5(%)
時価総額 2,488,053百万円
国内最大の石油・天然ガス開発会社。旧社名は国際石油開発帝石。石油元売り大手などが主要取引先。イクシスLNGプロジェクトなど世界約20カ国でプロジェクト展開。再生可能エネルギーの安定収益化などに取り組む。 記:2024/07/29
3157 東証スタンダード
1,056
11/26 15:30
+4(%)
時価総額 14,538百万円
住宅資材専門商社のジューテックを中核とする持株会社。合板や建材、住宅設備機器、DIY商品等を扱う。物流、建築請負、リフォーム、フローリング工事等も。PB商品の拡販、非住宅木構造分野への取り組みを強化。 記:2024/10/03
3333 東証プライム
1,581
11/26 15:30
+28(%)
時価総額 41,487百万円
大型自転車専門店「サイクルベースあさひ」を全国展開。1949年創業。電動アシスト自転車専門店などコンセプトストアも展開。FC含む店舗数は530店舗超。シティサイクルの取り扱い開始でリユース事業の拡大図る。 記:2024/10/05
3841 東証スタンダード
1,354
11/26 15:30
-89(%)
時価総額 5,294百万円
半導体や液晶パネル等の微細加工部品を設計するための電子系CADソフトを開発。パワー半導体向け製品の開発力強化を図る。半導体顧客向けソフト販売が堅調。大口案件や海外も伸びる。TSMCと協業し設計効率化図る。 記:2024/10/26
4073 東証グロース
590
11/26 15:07
+1(%)
時価総額 1,479百万円
決済ASPサービスや保守運用サービスの提供等を行うペイメントサービス事業、機器販売や受託開発等を行うペイメントインテグレーション事業を展開。トランザクション・メディア・ネットワークスと資本業務提携。 記:2024/08/29
2,382
11/26 15:30
+20(%)
時価総額 8,961百万円
顧客管理・自動課金クラウドサービス「サブスクペイ」、請求・債権管理クラウドサービス「請求管理ロボ」などを手掛ける。サブスクペイは決済取扱高が順調に増加。新サービス「1click後払い」が収益貢献開始。 記:2024/08/13
4375 東証グロース
877
11/26 15:30
-12(%)
時価総額 48,554百万円
クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」の開発、運営等を行う。高画質、高セキュリティ、低価格が特徴。NTT東日本等がパートナー企業。課金カメラ台数は25万台超。遠隔接客ソリューションの提供を開始。 記:2024/08/13
6547 東証スタンダード
1,802
11/26 15:30
+6(%)
時価総額 25,008百万円
三重県地盤のホテルオペレーター。ビジネスホテル「コンフォートホテル」やホテルエコノ、ホテルグリーンパークなどを展開。24年6月末の店舗数は74店舗。客室数は1万4400室超。インバウンドの取り込み推進。 記:2024/10/20
6857 東証プライム
8,834
11/26 15:30
-398(%)
時価総額 6,768,090百万円
SoC半導体用試験装置など半導体・部品テストシステム事業が主力。半導体検査装置で世界トップシェア。メカトロニクス関連製品の製造・販売等も。海外売上高比率は9割超。グローバル及びサポート力の増強図る。 記:2024/10/12
6861 東証プライム
65,580
11/26 15:30
-1,090(%)
時価総額 15,949,581百万円
センサや測定器、画像処理システム、制御・計測機器等を手掛けるFAの総合メーカー。製造は国内外の協力会社に委託。取引先は全世界に35万社超。グローバル直販体制が強み。販売力の強化などで海外事業の拡大図る。 記:2024/10/12
6920 東証プライム
16,705
11/26 15:30
-970(%)
時価総額 1,575,048百万円
半導体関連装置メーカー。シェア独占のEUVマスク欠陥検査装置に強み。FPD関連装置やレーザー顕微鏡なども手掛ける。High-NA向け含むACTISは引き合い旺盛。生成AI関連HBM向けは需要堅調。 記:2024/06/11
7203 東証プライム
2,667.5
11/26 15:30
-27(%)
時価総額 42,133,128百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7974 東証プライム
8,309
11/26 15:30
+110(%)
時価総額 10,790,815百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
22,650
11/26 15:30
-485(%)
時価総額 10,682,487百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
9021 東証プライム
2,809
11/26 15:30
+7(%)
時価総額 1,370,800百万円
大手鉄道会社。近畿、北陸、中国、九州北部が鉄道営業エリア。山陽新幹線、北陸新幹線などを運行。流通業、不動産業、旅行・地域ソリューション業も展開。高付加価値の不動産アセット拡充など不動産事業の拡大図る。 記:2024/08/01
9101 東証プライム
4,872
11/26 15:30
-101(%)
時価総額 2,245,992百万円
海運の国内最大手。1885年創業。三菱グループ。不定期専用船事業、物流事業が柱。定期船事業、航空運送事業等も展開。世界最大規模の自動車専用船を保有。配当性向30%目安。25.3期は最終増益見通し。 記:2024/07/04
9104 東証プライム
5,342
11/26 15:30
-88(%)
時価総額 1,936,763百万円
海運国内2位。1884年創業。三井グループ。ドライバルク事業、エネルギー事業、製品輸送事業が柱。LNG船の所有・管理・運航で世界シェアトップクラス。配当性向30%目安。非海運事業のアセット積み増し図る。 記:2024/07/29
9107 東証プライム
2,055.5
11/26 15:30
-76(%)
時価総額 1,387,816百万円
海運国内3位。1919年設立。自動車船事業などの製品物流部門が主力。ドライバルク事業等も。持分法適用関連会社にコンテナ船事業を行うONE社。LNG船等は順調推移見込む。27.3期経常利益1600億円目標。 記:2024/06/17
9983 東証プライム
51,450
11/26 15:30
+720(%)
時価総額 16,372,470百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
8,844
11/26 15:30
-30(%)
時価総額 13,000,636百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。ソフトバンク事業はメディア・EC事業などが順調。中計では26.3期純利益5350億円目指す。 記:2024/06/17