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ブイキューブ Research Memo(7):製薬業界向けWeb講演会など用途特化型サービスが急拡大

2020/10/23 15:07 FISCO
*15:07JST ブイキューブ Research Memo(7):製薬業界向けWeb講演会など用途特化型サービスが急拡大 ■今後の見通し 1. 2020年12月期の業績見通し ブイキューブ<3681>の2020年12月期の連結業績は、売上高で前期比13.1%増の7,201百万円、営業利益で708百万円(前期は284百万円の損失)、経常利益で665百万円(同341百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で同1732.3%増の623百万円と各利益について期初計画から上方修正した。 売上高については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるオンプレミス型の下振れや、「テレキューブ」の公共空間向けの進捗遅れなどにより、期初計画から若干引き下げたが、利益ベースでは収益性の高い汎用Web会議サービスや映像組み込みSDKが引き続き好調に推移するほか、製薬業界向けWeb講演会の開催数も第3四半期以降、大幅に増加する見込みとなっており、これらが利益増に貢献する。 営業利益は前期比で992百万円の増益を見込んでいることになるが、増益要因のうち一時的な要因としては、2019年12月期に計上したマス広告費用がなくなることで257百万円、ロイヤルティ費用の減少で238百万円減、アイスタディの連結除外で45百万円、合計で540百万円となる。売上構成比の変化によって売上総利益率が前期の36.3%から44.2%に上昇し、事業のスリム化に取り組んできたことや一時的な費用がなくなることで、販管費率も40.8%から34.4%に低下する。この結果、営業利益率は9.8%と大きく上昇する見込みとなっている。 なお、同社は社内業績目標値として売上高78億円、営業利益9億円を掲げているが、営業利益に関しては達成する可能性が十分あると弊社では見ている。汎用Web会議サービスの需要が引き続き旺盛なこと、下期は製薬業界向けWeb講演会サービスや映像組み込みSDK、「テレキューブ」などの売上が一段と拡大する可能性が高いためだ。 主力のビジュアルコミュニケーション事業が業績を大きくけん引する見通し 2. 事業セグメント別見通し (1) ビジュアルコミュニケーション事業 ビジュアルコミュニケーション事業の売上高は前期比19.6%増の4,866百万円、セグメント利益は同244.1%増の944百万円といずれも期初計画から上方修正している。第2四半期までの進捗率は売上高で48.2%、セグメント利益で43.8%の水準だが、第2四半期の収益が下期も続けば達成可能な水準だ。 「V-CUBEミーティング」の利用時間や接続ポート数については、緊急事態宣言下の2020年4月~5月をピークに6月以降はやや下降しているものの、コロナ禍以前の水準と比較すると高水準をキープしており、元の水準に後戻りすることはないと見られる。 一方で「V-CUBEセミナー」については製薬業界向けを中心に第3四半期以降も需要は活発で、下期は一段の収益拡大が見込まれている。製薬業界については前述したように、通期のセミナー開催数が期初計画を上回る見込みとなっており、下期売上高は上期比で約9億円の増加、限界利益も約7億円の増加になるものと見込まれる。また、就職活動セミナーや金融セミナー、各種学会など、従来オフラインで開催されていたイベントセミナーがオンラインで開催されるようになってきており、こうした引き合いも大幅に増えている。 同社ではこうした用途特化型サービスの需要急増に対応するため、パートナー企業を活用しながら運営をサポートするスタッフを増強していく予定となっている。具体的には2020年末までに150~200人の増員(うち、正社員30~50人)を見込んでいる。これらスタッフにかかる人件費が増加することになるが、限界利益率については「V-CUBEミーティング」と比較して数%程度低い水準であり、収益性の高いサービスであることに変わりない。 そのほか、企業が自社サービスにビデオ通話やライブ配信機能などを簡単に組み込めるSDKの販売も、第3四半期以降好調を持続している。一方で、「V-CUBEセールス」やオンプレミスサービスについては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が残り、下期も上期と同様の傾向が続くと見ている。オンプレミスサービスについては、市場全体がクラウド型サービスに移行する影響もある。ただ、金融機関や自治体を中心に高度なセキュリティ環境を求める一定のニーズはあり、こうしたニーズを取り込むことで2021年12月期以降は売上高を伸ばす余地があると見ている。特に、2019年夏に業界第4位だったNTTテクノクロスと業務提携を発表しており、その提携効果が期待される。NTTテクノクロスは主に自治体向けを中心にオンプレミス型で「Meeting Plaza」のサービスを展開していたが、自社開発を終了することを決定しており、今後は「Meeting Plaza」のユーザーに対して「V-CUBE」への乗り換えを進めていくことになる。自治体向けに関しては同社も15~20の都道府県に緊急対策・災害対策ソリューションとして導入実績があるが、今後はNTTテクノクロスの導入先でのリプレース需要が期待されるほか、市町村レベルでの普及拡大も進むものと予想され、緊急対策・災害対策用映像コミュニケーションツールとしてのOnly Oneソリューションとして、中期的に成長が期待される。 (2) ラーニングマネジメントシステム事業 ラーニングマネジメントシステム事業の売上高は前期比21.5%減の825百万円、セグメント利益は90百万円(前期は13百万円の損失)となる見通し。継続事業であるシンガポール子会社のWizlearnだけで見ると、売上高で前期比11.3%減、営業利益で同81.2%増となる。第2四半期までの進捗率は売上高で47.5%、営業利益で44.6%となるが、上期の減収要因であった企業向けサービス売上が、事業活動の再開によって徐々に回復することから達成可能な水準と見られる。 (3) アプライアンス事業 アプライアンス事業の売上高は前期比20.8%増の1,510百万円、セグメント利益は同54.1%増の203百万円と期初計画(売上高1,715百万円、営業利益218百万円)から引き下げた。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で「テレキューブ」の設置ペースが遅れていることが主因だ。第2四半期までの進捗率は売上高で35.1%、セグメント利益で32.5%とやや低いが、下期は「テレキューブ」の販売台数が一段と増加する見込みとなっている。 「テレキューブ」の販売台数は企業向けで500~1,000台(前期実績280台)、公共空間向けで200~400台(同65台)を期初段階で見込んでいた。企業向けに関しては第2四半期までに423台(うち、サブスクリプション契約27台)販売しており、下期もオカムラ経由での販売が一段と拡大する見通しとなっていることから、通期で1,000台を超えてくる可能性が出てきている(うち、サブスクリプション型で100台)。一方、公共空間向けに関しては第2四半期までの販売台数が48台にとどまっており、下期に販売を拡大していったとしても期初計画の達成は微妙な情勢だが、JR東日本向けや私鉄、商業施設以外にも、住宅街など需要が見込めると判断したエリアについては積極的に設置を進めていく方針となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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汎用Web会議システムの販売等を行うエンタープライズDX事業、セミナー配信プロダクトの提供等を行うイベントDX事業が柱。防音個室ブース「テレキューブ」等も。イベントDX事業は生成AI活用等で製品力を強化。 記:2024/10/05