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クイック Research Memo(5):生産性向上や営業力強化を推進することで、売上・利益を維持・拡大していく方針
2020/6/16 15:15
FISCO
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*15:15JST クイック Research Memo(5):生産性向上や営業力強化を推進することで、売上・利益を維持・拡大していく方針 ■クイック<
4318
>の業績動向 3. 2021年3月期の事業方針 足元で最悪期を脱しつつあるとはいえ、新型コロナウイルス感染症は依然日本を含む世界経済全体に影響を及ぼし続けている。国内の雇用情勢についても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が幅広い分野に及んでおり、企業業績の低迷や採用計画・活動の見直し、飲食・販売・サービス業の休業などから採用マインドの縮小が起きている。このため新型コロナウイルス感染症による業績への影響が見通せないことから、2021年3月期の業績見通しについて同社は未定としている。今後、新型コロナウイルス感染症の動向を見極めながら、合理的な業績見通しの算定が可能となった時点で、速やかに開示する方針である。しかしながら一方で、新型コロナウイルス感染症拡大に対応しながら、生産性の向上や営業力の強化を推進していく方針である。 人材サービス事業では、人材紹介において、看護師紹介など既存の専門職領域の強化を図るとともに、建設・土木業界や製薬業界、製造業をはじめとする一般企業を対象とした専門人材の紹介や、景気の影響を受けにくい新たな専門職種の開拓などに注力する考えである。また、各専門領域の運営サイトにおけるコンテンツの充実やユーザビリティの向上、プロモーション強化、業界団体との連携などを通じて、登録者数の拡大や各サイトのブランド力・信頼性の向上を図る方針である。人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等においては、景気の影響を受けにくく採用ニーズが旺盛な医療・福祉分野の強化を進め、特に看護師派遣については看護師紹介事業で培ったノウハウやブランド力を生かして派遣登録者の獲得を目指す。また、北信越の医療・福祉分野の「メディケアキャリア」や関西の保育士派遣の「ほいとも大阪」といった地域色の強い専門サイトでは、コンテンツの充実やプロモーションの拡充を図り、各エリアで営業力強化を目指す。 新型コロナウイルス感染症拡大によって、顧客企業の採用マインド低下や採用活動の延期・縮小・中止といった影響が生じたリクルーティング事業では、ゴールドパートナー認定を受けた「Indeed」をさらに拡販する一方、インサイドセールスの強化など営業体制の見直しや顧客管理ツールの開発といった生産性向上に取り組む。合わせて、付加価値の高いコンサルティング営業も強化する方針である。情報出版事業は、「Indeed」の拡販、地域情報量の充実、Webサービスとの連携などを進める考えである。イベント開催の変更・縮小で広告取扱高が厳しくなっているIT・ネット関連事業では、「日本の人事部」ブランドの浸透や首都圏以外での顧客拡大などを図る一方、オンライン研修など新たな接点の強化も進める。海外事業では、各国で活動制限の状況を見極めつつ事業を推進する方針である。 長期的に売上高1,000億円を目指す姿勢は維持 4. 中長期成長イメージ 新型コロナウイルス感染症の影響が読みづらく、短期的に不透明感が生じているが、少子高齢化などによる人手不足から、中長期的には同社人材サービス、特に専門職求人へのニーズは一層強まると考えられる。従って、同社が既存事業の成長と新規事業の育成に向けて中期的に積極投資を継続する方針は変わらないと弊社では見ている。同社は、前期にクロノスを子会社化したが、同社ビジネスのシステム基盤を拡充するのみならず、ITを活用した新たなビジネスモデルの開発も進める考えである。また、子会社のクイック・グローバルを吸収したことで、海外では国際的な人材流動化への対応などグローバルなHRビジネスをより積極的に進める方針である。さらに社内的には、組織強化や働き方改革に向けた人事制度改革を進め、事業横断的視点でキャリアアップ支援や育成制度を構築、人材を増強していく計画である。 このように、専門職紹介のブティック戦略とシステムの自社開発という差別化された事業基盤をベースに、基本的な経営方針を変えず積極戦略を展開することが予想されることから、今後も同社はシェアを伸ばし収益を拡大することが予想される。このため、2030年3月期に既存事業で450億円、新規事業で200億円、海外で100億円、M&Aで250億円の合計1,000億円の売上高を目指すという姿勢は変わらないと弊社では見ている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《YM》
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