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日経平均は反発、日銀総裁による談話はタイミングとしてはベスト

2020/3/2 12:13 FISCO
*12:13JST 日経平均は反発、日銀総裁による談話はタイミングとしてはベスト  日経平均は反発。234.91円高の21377.87円(出来高概算9億8000万株株)で前場の取引を終えた。新型コロナウイルスの感染者拡大による世界経済の鈍化懸念を背景に、21000円を割り込んで始まったが、寄り付き直後に付けた20834.26円を安値にこう着が続く中、日銀総裁による談話が伝えられたことをきっかけに、プラス圏を回復した。  東証1部の騰落銘柄は、値上がり値下がり数が拮抗していたが、前引けでは値上がり数が1900を超えており、全体の9割近くを占めている。セクターでは、水産農林、サービス、不動産、その他製品、証券、小売、電気機器が上昇。半面、保険、電力ガス、銀行が小安い。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、アドバンテスト<6857>、エムスリー<2413>、リクルートHD<6098>がけん引。一方で、中外薬<4519>、塩野義<4507>が冴えない。  週末の米国市場では、NYダウが一時1000ドルを超す下落をみせていたが、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が緊急の声明を発表し、「景気を下支えするために適切に行動する」と述べて、追加の利下げの可能性を示唆したことで下落幅を縮めている。この流れを受けて日銀の動向が注目されていたが、効果は別として日銀の黒田総裁による談話が伝えられたことは、タイミングとしてはベストであった。  なお、日銀の黒田総裁は、「適切な金融市場調節や資産買い入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保につとめていく」との談話を発表した。先週の波乱展開から軒並み急落を余儀なくされていたこともあり、下へのバイアスを弱める格好となっている。  また、個人主体による中小型株については、先週の急落によって強制ロスカットとする動き等もみられていたが、成長期待の大きい銘柄などへは、中長期目線での押し目買いも意識されやすい水準でもあった。押し目買いを意識しやすい水準からの日銀の後押しは、個人のセンチメントにもポジティブに作用した格好だろう。  また、先週はリスクパリティ戦略の巨大な資金による機械的な株式の売却が話題となっていたが、ヘッジファンドのVIX指数先物の差引き建玉はピーク時から半減程度まで一気に減少している。そのため、リスクパリティ戦略に伴う機械的な株式の売却についてもピークアウトした可能性も意識されやすく、楽観視は出来ないもののマーケット全体も次第に落ち着きを取り戻す動きがみられてきそうだ。 《AK》
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