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11日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で続落、香港不動産に売り

2024/12/11 18:00 FISCO
*18:00JST 11日の香港市場概況:ハンセン0.8%安で続落、香港不動産に売り 11日の香港市場は、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比156.23ポイント(0.77%)安の20155.05ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が56.78ポイント(0.78%)安の7249.38ポイントと続落した。売買代金は1416億1880万香港ドルに急減している(10日は2475億4240万香港ドル)。 米中の指標発表を前に買いが手控えられる流れ。米国では金融政策に影響する11月の消費者物価指数(CPI)が今夜、同月の生産者物価指数(PPI)があす12日に公表される。17~18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決定されることはほぼ確実視されているが、インフレ動向によっては見送りの恐れもある。中国では16日に11月の小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融統計が発表される予定。10日公表された11月の中国貿易統計は、米ドル建て輸出が前年同月比6.7%増(予想は8.7%増)にとどまり、輸入は3.9%減(予想は0.9%増)に落ち込んだだけに、景気動向を見極めたいとするスタンスも強まった。 もっとも、下値は限定的。中国経済対策に対する期待感が根強く、指数はプラス圏で推移する場面もみられている。9日に開催された中央政治局会議では、来年は「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を実施する方針を確認した。翌年の経済政策方針を議論する「中央経済工作会議」に関しては、きょうからあす12日にかけて開催されると伝わっている。(亜州リサーチ編集部) ハンセン指数の構成銘柄では、香港不動産開発大手の恒隆地産(101/HK)が3.7%安、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が3.6%安、中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が2.8%安と下げが目立った。 セクター別では、香港不動産が安い。恒隆地産のほか、新鴻基地産発展(16/HK)が2.5%、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.3%、恒基兆業地産(12/HK)が2.0%ずつ下落した。香港は金融政策で米国に追随するため、米金利動向の不透明感が嫌気されている(米長期債利回りは連日で上昇)。 中国保険セクターもさえない。中国太平洋保険集団(2601/HK)が4.5%安、新華人寿保険(1336/HK)が3.3%安、中国平安保険(2318/HK)が2.2%安、中国人寿保険(2628/HK)が1.9%安で引けた。 半面、消費セクターの一角は物色される。家電のTCL電子HD(1070/HK)が7.4%高、茶飲料の奈雪的茶HD(2150/HK)が5.3%高、粉ミルクの中国飛鶴(6186/HK)が3.6%高、食品・飲料の統一企業中国HD(220/HK)が3.2%高、火鍋の海底撈国際HD(6862/HK)が2.2%高で取引を終えた。複数のエコノミストは、中国は来年、内需拡大に向けた政策を強める可能性があると指摘している。 一方、本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.29%高の3432.49ポイントで取引を終了した。不動産が高い。素材株、消費関連株、ハイテク株、医薬株、エネルギー株、公益株、海運株、インフラ建設株なども買われた。半面、大型金融株は安い。軍事関連株の一角も売られた。 亜州リサーチ(株) 《CS》