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11日の香港市場概況:ハンセン2.2%安で4日続落、中国不動産とネットに売り

2022/10/11 18:00 FISCO
*18:00JST 11日の香港市場概況:ハンセン2.2%安で4日続落、中国不動産とネットに売り 11日の香港市場は、主要73銘柄で構成されるハンセン指数が前日比384.30ポイント(2.23%)安の16832.36ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が151.13ポイント(2.57%)安の5729.58ポイントとそろって4日続落した。ハンセン指数は心理的節目の17000ポイントを割り込み、約11年ぶりの安値を切り下げている。全体の売買代金は912億1050万香港ドルとなっている(10日は951億530万香港ドル)。 中国経済の不透明感が投資家の慎重スタンスを強める流れ。国慶節連休をきっかけに、国内では新型コロナウイルスの新規感染数が増加している状況だ。16日開幕の中国共産党大会を前に、行動抑制が強化される恐れもある。中国共産党機関誌の人民日報は11日、「国民生活を守るため『ゼロコロナ』政策を堅持する必要がある」などとする論説を改めて掲載した。欧米の積極的な金融引き締めにも警戒感。高インフレが続く中、金融当局は利上げペースを加速させると不安視されている。米金融大手JPモルガンのCEO(最高経営責任者)は10日、米国と世界の経済は6〜9カ月後にリセッション(景気後退)入りする可能性があると警告した。(亜州リサーチ編集部) ハンセン指数の構成銘柄では、中国不動産の下げが目立つ。碧桂園HD(2007/HK)が9.0%安、龍湖集団HD(960/HK)が8.5%安で引けた。一部の不動産企業が信託商品の償還に失敗したと伝わる中、業界全体の財務不安が改めて意識されている。 中国ネット株も急落。美団(3690/HK)が6.1%安、百度集団(9888/HK)が5.8%安、騰訊HD(700/HK)が3.5%安、阿里巴巴集団HD(9988/HK)が3.4%安と値を下げた。「ニューエコノミー」関連銘柄の売りで、ハンセン科技(テック)指数は3.6%安と他の指数をアンダーパフォームしている。 マカオのカジノ関連銘柄も安い。美高梅中国HD(2282/HK)が5.3%、永利澳門(1128/HK)が4.4%、金沙中国(1928/HK)が4.3%、新濠国際発展(200/HK)が2.9%ずつ下落した。 エアラインや代理店など旅行関連の銘柄もさえない。中国国際航空(753/HK)が9.1%安、中国南方航空(1055/HK)が6.3%安、携程集団(9961/HK)が5.5%安、東瀛遊HD(6882/HK)が2.1%安とそろって続落した。 半面、発電・電力設備セクターは高い。華電国際電力(1071/HK)が10.1%、中国電力国際発展(2380/HK)が6.7%、華潤電力HD(836/HK)が5.5%、東方電気(1072/HK)が2.5%、ハルビン電気(1133/HK)が2.4%ずつ上昇した。 一方、本土市場は5日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.19%高の2979.79ポイントで取引を終了した。発電・電力設備株が高い。証券株、素材株、自動車株、海運株なども買われた。半面、不動産株は安い。医薬品株、エネルギー株、空運株、銀行・保険株も売られた。 亜州リサーチ(株) 《FA》