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メディアS Research Memo(2):安定した財務基盤を土台に、新しい技術分野へ積極的に進出

2024/5/8 15:02 FISCO
*15:02JST メディアS Research Memo(2):安定した財務基盤を土台に、新しい技術分野へ積極的に進出 ■会社概要 1. 会社概要 メディアシーク<4824>は、2000年に創業し、20年以上にわたってシステムインテグレーション分野で実績を築いてきた。「善いものを生みだし続ける」を経営理念に、企業価値の拡大を目指している。同社のサービスには、20周年を迎えた需要拡大中のスクール管理システム「マイクラス」、10年以上の実績で累計3,600万ダウンロードを記録したバーコードアプリ「ICONIT」がある。これらは同社の技術とサービスの歴史を象徴しており、今後もその伝統を守りつつ発展させる予定である。近年ではベンチャー企業の創出にも力を入れ、優れたシステムとサービスに加えて、良質なビジネスと企業を生み出すことを目指している。変化する社会環境のなか、安定した財務基盤を土台に、ブレインテック・DTxなど、新しい技術分野へ積極的に進出している。同社グループは、親会社であるメディアシーク(同社)、スタートメディアジャパン(株)、(株)メディアシークキャピタルの3社で構成されている。 2. 沿革 2000年3月に東京都港区にて設立され、9ヶ月後の2000年12月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場した。2003年6月には、モバイル機器への組込み型バーコードリーダー・ソフトウェアを開発した。その後、2003年7月には現在の子会社であるスタートメディアジャパンを設立した。2005年4月には「プライバシーマーク」を取得し、2005年6月には携帯電話向けの組込みプログラムで世界最高レベルの評価となる「BREW 2005 Developer Awards」を受賞した。2005年12月には携帯電話でQRコードが作成できる「バーコードリーダー&メーカー」の出荷を開始した。2007年3月には出資先の(株)ダイヤモンドダイニング(現 DDグループ<3073>)が大阪証券取引所ヘラクレス市場へ上場した。2008年6月には、スクール事業者向けのパッケージ商品である「マイクラス」を開発し販売開始した。2012年1月には新型バーコードリーダー「アイコニット」を開発し、無料ダウンロードを開始した。2019年には現在の子会社であるメディアシークキャピタルを設立し、2022年4月には東証の市場区分の見直しにより、東証マザーズ市場からグロース市場へ移行した。 3. 事業内容 同社は、法人事業とコンシューマー事業の2つの事業を中心にシステム開発事業を展開してきたが、2022年7月期に将来に向け成長を最大化する目的で事業ポートフォリオを見直し、「コーポレートDX」「画像解析・AI」「ライフスタイルDX」「ブレインテック・DTx」「ベンチャーインキュベーション」の5つの事業領域にターゲットを絞った事業再編を行った。 2024年7月期第2四半期の事業ポートフォリオでは、売上構成比は「コーポレートDX」は33.9%、「画像解析・AI」は26.6%、「ライフスタイルDX」は39.0%、「ブレインテック・DTx」は0.4%である。 (1) コーポレートDX 「コーポレートDX」では、教育関連企業やサービス企業などの既存顧客に対し支援を行う。同社の主力事業であり、市場トレンドに合わせ、デジタル技術を活用した新しい教育スタイルである「EdTech」や「法人向け業務ソリューション」「法人向けDXサポート」といった新規領域を拡大している。同社は、高い技術力、幅広い分野への対応力、モバイル端末の知見等を強みとして、顧客に対し、コンサルティング、システム設計・開発、システム運用などをワンストップで提供し、その報酬を受け取る。 (2) 画像解析・AI 「画像解析・AI」では、バーコードやQRコード読み取りアプリ「アイコニット」を中心に、高度な画像解析能力とAI技術の研究開発を融合させ、多岐にわたる応用可能性を追求している。同アプリは、3,600万回以上のダウンロードを記録(2024年4月)し、主要なアドネットワークとの提携による安定した広告収益を実現している。非接触で安心・安全に利用できるユーザーフレンドリーな機能が特徴で、豊富なユーザーデータベースを基にBtoB市場へも展開しているほか、メディカル領域での利用拡大や、読み取り対象のバーコードの種類拡充にも力を入れている。AI技術に関しては、SNSのテキストデータからトレンド予測や感情分析、異常検知などを行う研究開発に注力しており、読み取れないバーコードのAI解析やニューロフィードバック※への応用も探求している。これらの活動を通じて、自社サービス向けの研究開発実績を積み重ね、その成果を基にAIエンジンの外部への提供も視野に入れている。 ※ 瞑想などを行うときに脳波を調べることにより、自身の脳の状態を可視化し、自身で脳のリラックスした状態や集中した状態を制御する活動のこと。発達障害やうつ病の改善などに利用されている。 (3) ライフスタイルDX 「ライフスタイルDX」では、多種多様なライフスタイル分野のなかの4つにターゲットを絞り、「EdTech」のほか、ファンとスポーツ選手、アーティスト、クリエイターなどと新しい関係を生み出す「FanTech」、テクノロジーを活用して予防や治療などを提供する「HealthTech」、テクノロジーを活用して金融サービスの効率性やアクセス性を高める「FinTech」を展開している。 (a) EdTech 「EdTech」は教育(Education)と技術(Technology)を組み合わせた造語である。デジタル技術を用いて教育の方法や内容などのシステムを革新し、教育産業に変化をもたらしている。企業は教育業界への参入が容易になり、学校教育だけでなく、企業研修や趣味・資格取得の学習など、多様な教育関連のビジネスやアイデアが生まれている。主力のスクール事業者向けプラットフォーム「マイクラス」と「マイクラスリモート」は、(株)りーふねっとの「lesson」やTECHNOPIANの「TechnoSMS」などのサービスと競合している。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で、従来の対面教育に加え、オンラインを通じた自由な学習スタイルが普及した。この流れを受けて、「マイクラス」では、受講生の活動データを分析し、個別に対応する学習提案を行う「AIレコメンド」機能を含むサービスの強化を進めている。 (b) FanTech 「FanTech」は、ファン(Fan)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、ファン向けにテクノロジー製品を提供する。スマートフォンアプリやSNSを利用してアーティストやスポーツ選手の最新情報をファンに届けることでエンゲージメントを高めたり、VRやARを用いてイベントや試合の臨場感を増したり、ファンの好みや行動を分析してマーケティングを最適化するなどの手法を展開している。具体的には「S-applico」と「Scenario HARU」のサービスを提供している。「S-applico」はクリエイターがファンに動画コンテンツを提供するためのアプリで、サブスクリプションや広告収入を通じて収益化を図る。同社はレベニューシェアパートナー※として機能する。2023年9月には、マインドフルネス瞑想アプリ「RussellME」をリニューアルローンチした。「Scenario HARU」は、恋愛シミュレーションゲームを含む、タレントやアーティストとの交流をテーマにしたコンテンツの制作支援を行うパッケージで、運営と制作に関する豊富な経験とシステムを提供している。 ※ レベニュー(収入)をシェア(共有)するパートナーを意味し、相互に報酬・リスクを共有し、成功報酬型で報酬を分け合う契約を締結したパートナーのこと。 2023年3月に、タイの人気俳優5名を起用した新コンテンツ「BOYS MEETING from Thailand」をローンチした。同コンテンツでは、ブラウザゲーム、LINEスタンプ、及びGoogle Playで1位を獲得したカメラアプリ等を提供している。 (c) HealthTech 「HealthTech」は健康(Health)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、最新技術を活用した効率的で高品質な医療サービスを提供する。遠隔地からの医療サービス「テレヘルス」、健康状態を管理する「ウェアラブルデバイス」、医療データの「ビッグデータ解析」、手術や教育用の「VR・AR技術」などがある。同社の「HealthTech」に関する製品として、「宅トレ」「美尻サロン」等がある。「宅トレ」は、運動不足の解消や体形変化に対して自宅でできる本格的なトレーニングプログラムを提供し、「美尻サロン」は、理想の美尻を目指す9週間のトレーニングプログラムを通じて、利用者に特定のフィットネス目標達成を支援している。これらは、健康と美容の維持を目的とし、プロのトレーナーの指導の下、自宅で実践できるように設計されている。 (d) FinTech 「FinTech」とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、最新テクノロジーを活用して、効率性とアクセス性を高めた金融サービスを提供する。IT、デジタル技術、暗号通貨、ブロックチェーン、ビッグデータ、人工知能(AI)、機械学習、クラウドコンピューティング、モバイルテクノロジーなどが活用されている。同社が提供する製品は2023年5月に発表した「エスコレ」である。後払い機能を持つクレジット継続課金システムであり、顧客の個人情報や申込情報、請求や売上の管理、毎月の継続課金、コンビニ支払いなどを一元管理するワンストップソリューションを提供している。 (4) ブレインテック・DTx 「脳(Brain)」と「技術(Technology)」をかけ合わせた造語である「ブレインテック」は、脳神経科学とITを融合し、脳計測や検査によるデータを解析し、脳の機能や活動を分析して新しい技術を開発し応用する。ソフトウェアとしての医療機器(SaMD)の開発や、スマートフォンアプリの開発に重点を置いており、特に慢性疼痛治療のためのエビデンスに基づいたプログラム開発に取り組んでいる。加えて、整骨院やフィットネスジムで使用される自社開発のニューロフィードバックサービスを展開している。ブレインテックは、認知症やうつ病などの中枢神経系の疾患の予防と治療に焦点を当て、医療とヘルスケアへ向けて技術の応用を進めている。同社は2016年からブレインテック領域に積極的に取り組み、「ALPHA SWITCH」及び企業向け「ALPHA SWITCH PRO」などのアプリを開発し、同分野で競合他社との競争を展開している。2022年に医療機器製造業者として認可されたことで、大学や製薬会社との連携を強化し、慢性疼痛、てんかん、認知症、パーキンソン病、うつ病、ALS※などの中枢神経系疾患をターゲットに研究を重ねている。最終的には、治療用アプリの薬事承認と保険適用を目指している。 ※ 筋萎縮性側索硬化症のこと。筋肉そのものではなく運動系の神経に障害をきたす病気で、手足などの筋肉や呼吸に必要な筋肉がやせ細っていく。 (5) ベンチャーインキュベーション 出資したスタートアップ企業やベンチャー企業に対し、投資だけではなく、財務、人材、システム構築などあらゆる必要な支援を行う。厳しいスクリーニングを行ったうえで、年間1、2社に絞って投資を行っている。独自技術を持つ有望なスタートアップ企業やベンチャー企業に対し、IPO実現まで一緒に取り組む支援体制を整えたインキュベーションサービスを提供し、最終的にIPO実現によるキャピタルゲインで収益を得る。 これまで同社グループは、バンダイネットワークス(株)(現在は(株)バンダイナムコエンターテインメントに吸収合併)、トラスト<3347>、ダイヤモンドダイニング(現 DDグループ)、JIG-SAW<3914>、Link-U グループ<4446>、デリバリーコンサルティング<9240>の6社を上場へと導き、うち1社をバイアウトした実績がある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞) 《HH》
関連銘柄 6件
3073 東証プライム
1,342
9/20 15:00
+18(%)
時価総額 24,751百万円
ダイヤモンドダイニング、エスエルディー、湘南レーベル等を傘下に収める持株会社。飲食・アミューズメント事業、ホテル・不動産事業を展開。カプセルホテルは営業を再開。26.2期営業利益40億円を目指す。 記:2024/04/30
3347 東証スタンダード
277
9/20 15:00
±0(%)
時価総額 7,798百万円
中古車輸出事業やレンタカー事業、海外自動車ディーラー事業を手掛ける。中古車は世界150カ国以上に輸出販売。南アフリカで新車販売ディーラーを運営。海外自動車ディーラー事業では既存店舗の収益改善等に取り組む。 記:2024/06/24
3914 東証グロース
4,875
9/20 15:00
-75(%)
時価総額 32,911百万円
データコントロール事業を展開。クラウドサーバやIoTデバイス等の自動監視、運用を行う。IoTエンジン「NEQTO」を活用したIoTソリューションの提供等も。海外オペレーションの体制強化など先行投資を継続。 記:2024/08/29
4446 東証プライム
523
9/20 15:00
+2(%)
時価総額 7,392百万円
Link-U Technologies等を傘下に収める持株会社。マンガサービス事業が柱。マーケティング事業等も手掛ける。26.7期売上60億円目標。総合書店系マンガサービス、自社プロダクトが重点強化領域。 記:2024/05/06
4824 東証グロース
298
9/20 15:00
-1(%)
時価総額 2,911百万円
法人向けシステムコンサルサービス、スマホ向けアプリ「バーコードリーダー/アイコニット」、オンラインプラットフォーム「マイクラス」等を手掛ける。日本リビング保証との経営統合により、同社株は上場廃止へ。 記:2024/08/29
495
9/20 15:00
-16(%)
時価総額 2,314百万円
IT・データ戦略の策定からシステムデリバリー、内製化支援まで手掛けるテクノロジーコンサルティング企業。顧客数は220社超。情報・通信業向けが主力。コンサルタント稼働率の向上等により、利益率は改善。 記:2024/06/07