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カンロ Research Memo(8):「中期経営計画2024」は堅調に推移(1)

2023/8/31 15:18 FISCO
*15:18JST カンロ Research Memo(8):「中期経営計画2024」は堅調に推移(1) ■成長戦略 1. 長期ビジョン「Kanro Vision 2030」 カンロ<2216>は、2021年に羅針盤たる2030年のビジョン「Kanro Vision 2030」を策定し、ビジョン実現に向け、今後も素材を活かし、機能性の追求を軸とする商品開発を継続し、1)素材と機能性の追求で新たな価値を創造する「価値創造」、2)創造した価値によって社会問題の解決に取り組み、社会から必要とされる「ESG経営」、3)国内キャンディ事業をコアに多角的事業展開を目指す「事業領域の拡大」の3つの重点戦略を掲げている。 (1) 価値創造 同社は創業110年の歴史と伝統に培われたキャンディへの情熱と「素材」と「機能性」の追求で新たな価値を創造し人々の健やかな生活に貢献する企業を目指す。イノベーションによる価値創造に注力しており、「研究技術のイノベーション」と「デジタル起点のイノベーション」を推進する。 (a) 研究技術のイノベーション 素材のおいしさ・機能を追求したキャンディを新配合・製法で開発する「素材力×新配合・製法技術」、新しい製法技術で植物由来原料に置き換えたキャンディを開発する「植物由来原料×新製法技術」、環境問題を解決するために今までの食品になかった新用途のキャンディを新しい製法技術で開発する「新用途×新配合・製法技術」などといった「シーズ×研究技術」を基にあらゆるテクノロジーを駆使し、新たな商品価値を創出し続ける。 (b) デジタル起点のイノベーション 生活者と同社の接点をより広げ、より深められる情報発信の仕組みを開発する「SNSマーケティング×デジタル」、ビッグデータから抽出されたデジタル情報をデジタルマーケターにより新しいブランド・商品開発に結び付けるメソッドを確立する「ビッグデータ×デジタル」、既存製品の育成によるブランド化とデジタルマーケティングから創出される新ブランドを開発・育成する「ブランド×デジタル」などといった「ニーズ×デジタル」を基にデジタルマーケティングを展開し、新たな顧客価値を創造する。 (2) ESG経営 同社は事業を通じて創造した価値により社会課題の解決に取り組み、社会と共生し社会から必要とされる企業、人々から選ばれる企業を目指す。2022年4月には、全社員がサステナビリティへの意識をより一層高め、これまでの取り組みを深化させるため、組織横断の「サステナビリティ委員会」を新設し、同委員会による新体制へ変更している。同社は、人権ポリシー策定・障がい者雇用率、女性管理職比率の向上・LGBTQへの理解促進、偏見のない風土づくり・育児、介護休業を取得しやすい環境整備などの「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」と災害・感染症に備えたBCP※の充実、サイバーセキュリティリスク対策の強化などの「ガバナンスの強化」を整備する。 ※「事業継続計画」のことで、テロや災害などの状況においても重要な業務を継続できる対策を事前に準備しておくための計画書のこと。 (3) 事業領域の拡大 国内キャンディ事業をコアに、海外・デジタル・未来の市場を視野に入れた多角的事業展開で成長し続ける企業を目指す。既存チャネルである「コア事業」で既存商品を軸に年平均成長率3%以上を、新規チャネルである「デジタルコマース事業」「グローバル事業」「フューチャーデザイン事業」で新商品による市場拡大で年平均成長率30%以上を、合計した4事業で年平均成長率は5%以上を目標にしている。 高齢化社会の加速や世界人口の増加、感染症・病への不安などの生活課題、及び温暖化ガスによる気候変化、食品廃棄ロス、廃プラスチックなどによる海洋汚染、地球規模での大災害などの社会課題などを抱える。こうした課題に対し、同社は、強みである、信頼・ブランド・研究開発力・品質保証体制をもとに人の健康と笑顔に満ち溢れる未来を創造することをビジョンに掲げる。企業パーパス「Sweeten the future 心がひとつぶ、大きくなる。」を起点に、長期ビジョンを実現するための主要KPIとして、2030年の目標は、売上高500億円とし、営業利益率9%以上、ROIC10%以上としている。 2. 中期経営計画2024 2022年に3ヶ年計画として発表した「中期経営計画2024」は「新たな事業を起こす」ことをテーマにスタートしており、原点であり、強みである国内キャンディ事業をコア事業に、成長投資を加速し、グローバル事業、デジタルコマース事業、フューチャーデザイン事業の3つの新規事業の推進により市場・チャネルと製品・サービス(ドメイン)を拡げ、企業価値を高めていく計画である。現在、同社の売上はほぼコア事業のみの計上であるが、今後、コア事業の収益を積極的に他の3事業に投資し、徐々に3事業を成長させ、最終的に、企業としての社会的価値の創造を実現させていく計画である。 中期経営計画の進捗状況を見ると、売上高は、2022年12月期実績は251億円、2023年12月期予想は277億円(期初予想は269億円)と順調に推移しており、営業利益率については、2022年12月期実績は7.7%、2023年12月期予想は8.8%(期初予想は7.4%)を示している。2024年12月期の目標KPIである売上高年平均成長率5%以上、営業利益率7.0%に対し、2023年までの2年間の売上高年平均成長率は13.3%、営業利益率8.8%を予想している。 (1) コア事業 「素材を活かす」「キャンディならではの機能性」を軸とする商品開発方針を継続し、AIやIoTの活用による工場のスマートファクトリー化で生産性の向上や生産体制の強化、新商品開発と新ブランド育成によるシェア拡大により、国内キャンディNo.1シェアを確固たるものとし、2030年には売上高300億円※1を目指す。 (2) グローバル事業 既存ブランドと海外戦略商品を中心に展開し、グローバル人材の拡充、戦略パートナーとの事業提携、世界戦略商品の開発により、海外売上高比率25%以上※1を目指す。対象地域として、中国及び米国への進出を本格化させる。カンロクオリティを海外に展開し、世界の人々の笑顔あふれる健やかな生活に貢献する。 (3) デジタルコマース事業 ECや直営店専用の高付加価値商品を展開し、デジタルプラットフォームを構築し、Web上のコンテンツ・CRM※2の強化により、消費者とのコミュニケーションを深化することで、デジタル売上高比率5%以上※1、キャンディメーカー純粋想起率※3 30%※1を目指す。 (4) フューチャーデザイン事業 既存事業の枠にとらわれない、新機軸の商品や事業を創造し、Well-beingを実感できる健やかな生活をサポートする。新商品やサービス創造のために社内組織を立ち上げ、フードテック等のスタートアップ企業や研究機関との提携、M&Aなどにより事業全体の売上高比率5%以上※1を目指す。 ※1 同社の長期ビジョン「Kanro Vision 2030」における数値目標。 ※2 Customer Relationship Management の略で、顧客と円滑な関係を図り、長期的な関係を構築し、継続的な商品販売につなげていく手法のこと。 ※3 商品において、消費者が思い浮かぶブランド名が自社ブランドである確率のこと。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞) 《SI》
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老舗菓子メーカー。1912年創業。国内飴市場でトップシェア。グミ市場でシェア2位。カンロ飴、金のミルク、ピュレグミ、カンデミーナ等が主力ブランド。三菱商事が筆頭株主。ピュレリングソーダをリニューアル発売。 記:2024/04/30