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品川リフラ Research Memo(1):高温プロセス分野でCO2削減提案のトップランナーを目指す

2023/6/27 12:31 FISCO
*12:31JST 品川リフラ Research Memo(1):高温プロセス分野でCO2削減提案のトップランナーを目指す ■要約 品川リフラクトリーズ<5351>は、世界で五指に入る工業用耐火物メーカーである。2025年に創業150周年を迎える老舗企業であるが、2024年3月期は3期連続の最高益更新を計画している。 1. 2023年3月期の決算概況と2024年3月期の業績見通し 2022年度の国内粗鋼生産量は、8,785万トンと前年度比8.1%減少した。同社は、原材料の値上がりや円安によるコスト上昇、タイムラグがあるもののスプレッドを一定幅に保つよう価格改定に努めている。2023年3月期の連結売上高は前期比12.8%増の124,963百万円、経常利益が同6.9%増の11,457百万円となった。第5次中期経営計画の最終年度の目標値(売上高1,150億円、経常利益115億円)を1年前倒しでほぼ達成した。国内よりも収益性が高い海外売上高は、3期前の2020年3月期と比べ58.7%増加し、海外売上高比率は14.7%から22.2%へ上昇した。 2024年3月期は、半導体不足の緩和から自動車生産が増加する見通しで、国内粗鋼生産は緩やかな回復が見込まれる。前期の増益要因であった在庫評価差は減益要因となり、前期積み残した分を含む価格改定が増益要因となる。また、2022年12月に事業譲受したブラジル及び米国の事業が、売上高で133億円、営業利益で18億円寄与する。M&Aの資金には、第1四半期に遊休資産(名古屋市港区)の売却で得た資金を充当する。2024年3月期の連結業績は、売上高140,000百万円、経常利益120,000百万円と過去最高となり、固定資産売却益を計上することから、親会社株主に帰属する当期純利益は120,000百万円を見込む。 2. サステナビリティ経営と成長戦略 同社は、サステナビリティ経営と成長戦略を表裏一体と捉えて取り組む。サステナビリティ経営のもと、自社の二酸化炭素(CO2)排出量を2030年度までに2013年度比半減を目指すと宣言。顧客となる鉄鋼、化学、機械は産業部門のCO2排出量のトップ3を占めており、需要先の高温プロセスから発生するCO2排出量の削減に同社が貢献することは、持続可能社会の実現に意義深く、また事業機会を獲得することになる。耐火物と断熱材の技術融合による省エネ性能を向上した製品の開発、使用後耐火物のリサイクル原料化による産業廃棄物の発生量削減、熱ロス低減対策となる炉の設計と築炉技術、交換頻度の少ない装置の提供などを、セクター間の協業により一体販売する。技術変革期には、海外の規格品を扱う企業よりも、総合力を発揮した顧客密着型ソリューション提供が有効となる。高温技術のトップランナーとして一層の飛躍を図る。 3. 配当政策 - 増益と配当性向基準の引き上げによる株主還元策 東証が低PBR企業に改善策の開示を求めていることから、自社株買いに動く企業が多い。同社は、増益と配当性向基準の引き上げによる増配で株主還元を高めている。遊休資産を売却し、その資金を事業環境の変化に適合するための成長投資に充てるなど資産の入れ替えで効率性を改善し、企業の将来価値の向上を図る。2024年3月期の通期配当金は未定だが、仮に中間配当(110円予定)並みを期末にも行うと、前期比20円増の1株当たり220円となる。3期前2021年3月期の2倍の水準だ。予想配当利回りは、魅力的な水準となる。 ■Key Points ・サステナビリティ経営により持続的な成長と企業価値向上を図る ・2024年3月期は、3期連続最高益を更新へ ・高温技術分野の世界的トップランナーを目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健) 《AS》
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時価総額 77,887百万円
大手耐火物メーカー。1875年創業。鉄鋼業界向けに強み。JFEスチールの持分法適用会社。東京駅外壁の赤レンガなどで納入実績。セラミックス事業等も。海外事業の拡大等に注力。27.3期売上1800億円目指す。 記:2024/06/15