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霞ヶ関キャピタル Research Memo(5):物流施設開発事業を大幅に拡大。新規事業にも積極的に取り組む(1)
2022/11/9 17:45
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*17:45JST 霞ヶ関キャピタル Research Memo(5):物流施設開発事業を大幅に拡大。新規事業にも積極的に取り組む(1) ■事業別の取り組み 1. 物流施設開発事業 霞ヶ関キャピタル<
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>は、コロナ禍収束後(以下、ポストコロナ)の環境下では物流施設需要が大きく伸びると見込んでいる。個人向けインターネット販売市場(EC市場)の拡大を受け、宅配取扱個数は過去最高の更新が続いているが、日本のEC化率は諸外国に比べて低いことから、今後もこの増加トレンドは継続すると予想される。そのため、物流システム全体の強化、スケールアップ、効率化は社会的課題と言える。 物流施設市場の拡大に呼応して、首都圏の物流施設の空室率は3.1%(2022年7月)と低く、需給逼迫状態が続いている。関西圏も需給がタイトになっており、同様の状況が地方圏にも拡大していくことが見込まれる。消費行動の変化や労働人口の減少といった社会全体の大きな変化を背景としたEC企業による先進大型物流施設に対する需要拡大や、物流施設の省人化設備や自動化設備導入のための需要拡大は、長期的に続くトレンドであると同社は見ている。 さらに、オゾン層破壊や地球温暖化への影響の懸念から、国際協定に基づき2030年にはHCFCフロンの生産が全廃されることから、今後は冷凍冷蔵倉庫ではアンモニア使用型への転換が主流になると考えられる。東京都における冷凍冷蔵倉庫の約42%は築30年以上経過(同社調べ)しており、それらがスクラップ&ビルドの対象と考えられるが、アンモニア使用型への転換には数億円以上の設備投資が必要なため、体力の乏しい準大手企業を中心に、冷凍冷蔵倉庫の多くが一斉に廃棄される可能性が大きい。一方、冷凍食品の国内消費量は、(1) 加工技術の向上、(2) 保存期間の長期化、(3) 共働き世代の増加、(4) 冷凍食品に対する抵抗感の減少などの要素により増加傾向にあり、今後も冷凍冷蔵倉庫の需要は拡大すると想定される。 こうした環境変化を見据えて同社では、物流需要が高い地域に適切な物流施設を開発する予定である。その一環として、物流ブランド「LOGI FLAG」を設立し、商標を登録した。ドライ型倉庫である「LOGI FLAG」(常温倉庫)と、2030年フロン問題にも適応したコールド型倉庫「LOGI FLAG COLD」(冷凍冷蔵倉庫)の2タイプを提供していたが、これらに加え2022年8月期よりオートメーション型倉庫「LOGI FLAG TECH」の開発に着手している。オートメーション型倉庫は、空間の有効活用、作業の効率化、省人化など、施設利用者にとってメリットの多い自動倉庫設備を設置した倉庫であり、ECからの需要が高い施設である。常温倉庫は大手不動産会社の参入により取得競争が厳しい状況にあるものの、冷凍冷蔵倉庫は新しい分野であり、高付加価値で利益も大きく、環境配慮型の物流施設となることから展開を進めている。物流施設開発事業は、世の中のニーズや市場環境の変化を捉えていち早く新規ビジネスとして立上げ主力事業に育てるという、同社の柔軟なビジネスモデルの好例と言えよう。なお、同社では、これまで首都圏及び関西圏を中心に事業展開してきたが、2022年8月期には仙台及び福岡でも展開を開始した。今後も物流需要が高いエリアへ拡大する考えだ。 また同社では、業界最高水準の物流施設開発体制が整っている。すなわち、物流施設開発のプロセス((1) テーマ構築、(2) ソーシング、(3) リーシング、(4) プロジェクトマネジメント)を内製化している。具体的には、市街化区域では付加価値の高い冷凍冷蔵倉庫を選択し、ドライ型倉庫は市街化調整区域での開発を行うことで競争優位性を実現している。特に、「(1) テーマ構築」が同社の競争力の源泉となっていることに注目したい。長年の実績と豊富なノウハウを持つメンバーが多数所属している強みを生かした「テーマ構築」により、資金が流入し、同社の業績にも好影響を与えると考えられる。 物流施設開発事業は2021年8月期に立上げた新事業であるにもかかわらず、急成長し主力事業となり、2022年8月期には全社の業績をけん引した。同社は、中小規模の冷凍冷蔵倉庫をメインターゲットに物流施設開発を進めており、2022年8月期は物流施設開発用地5件を新規に取得、開発用地6件を開発投資家に売却した。プロジェクトパイプラインについては、首都圏を中心に着工予定/竣工予定は14件、開発予定延床面積合計は248,814平方メートルに達するなど急拡大している。立地条件としては、1,000坪(3,305平方メートル)以上とサイズはやや小さめながら、市場へのアクセスが便利な場所を選んでいる。なお、同事業はコストがかかるが、開発利益を取り込むことで十分な利益を得ることができるほか、開発と並行して複数社と交渉することで買手や賃貸先を早期に見つけられるメリットがある。 2022年8月期のトピックスとしては、2022年1月に、三菱HCキャピタル(株)と共にLFDによる物流施設開発合弁事業を開始した。LFDを通じて、環境配慮型の冷凍冷蔵倉庫、省人化・省力化および運営の効率化を実現する自動倉庫など、環境保全の推進ならびに人手不足などの物流業界が抱える課題の解決に資する物流施設を開発していく方針だ。同年9月末には、冷凍冷蔵倉庫開発の第1号として「LOGI FLAG COLD 市川I」が竣工し、食品物流・食品個配のSBSゼンツウ(株)と賃貸借契約を締結した。賃貸型の冷凍冷蔵倉庫は業界でも例が少なく、同社では今後も実績を積み上げる方針だ。また、自動冷凍倉庫の開発にも着手しており、不動産賃貸事業を中核とするJA三井リース建物(株)と、「LOGI FLAG TECH 所沢I」の開発を進めている。 2015年9月の国連サミットで採択され掲げられたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に基づき、誰一人として取り残されない社会を目指して世界中で取り組みが進んでいる。同社も事業活動を通してSDGsの達成に積極的に貢献し、持続可能な社会の実現のため社会問題解決に取り組むためのESG(Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス))経営を行っている。物流施設開発事業においても、開発する物流施設すべてを環境へ配慮した施設にすることを目指している。将来的にREIT組成を目指している同社にとって、開発段階から環境に配慮することは重要と言えよう。具体的には、環境認証取得、クールルーフィング/反射ルーフィングの導入検討、冷凍冷蔵倉庫での自然冷媒/代替フロンの活用、LED等高効率照明器具の導入検討、太陽光発電施設の導入検討、社会活動への取り組みなどを推進している。 2022年8月期のトピックスとしては、2022年2月に、滋賀銀行<
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>と『しがぎん』サステナブル評価融資を活用したコミットメントライン契約を締結した。同融資は対象会社のESGへの取り組みや情報開示、SDGs達成への貢献について評価し、企業のサステナビリティ経営の支援と企業価値の向上を後押しするものである。同社が開発を進めている冷凍冷蔵倉庫や環境配慮などが評価され、不動産分野の第1号として選ばれた。また、「LOGI FLAG COLD 市川I」及び「LOGI FLAG 三芳I」がCASBEE※不動産評価認証「Aランク」を取得した。同社は環境へ配慮した設備開発を推進し、同Aランク以上の取得を目指す方針だ。 ※建築物の環境性能で評価し格付けする建築環境総合性能評価システム。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《NS》
関連銘柄 2件
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霞ヶ関キャピタル
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+220(%)
時価総額 124,335百万円
物流施設開発やホテル開発、ヘルスケア施設開発等を行う不動産コンサルティング事業を手掛ける。ホテルは「fav」等のブランドを展開。29.8期当期純利益500億円目標。事業の多角化、事業規模の大型化図る。 記:2024/10/24
8366 東証プライム
滋賀銀行
3,555
11/22 15:30
+50(%)
時価総額 188,735百万円
滋賀県地盤の地方銀行。県内の貸出金シェア、預金シェアでトップ。グループ会社に滋賀ディーシーカード、しがぎんリース・キャピタルなど。総資産残高は7兆9700億円超。経営インフラ、総合コンサルの強化等を図る。 記:2024/07/01
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