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スカラ Research Memo(1):既存事業の拡大とM&Aや新規事業の開発により、成長加速を目指す

2021/9/15 15:11 FISCO
*15:11JST スカラ Research Memo(1):既存事業の拡大とM&Aや新規事業の開発により、成長加速を目指す ■要約 スカラ<4845>は、IT/AI/IoT/DX事業を中心とするポートフォリオを通じて、価値創造と社会問題解決の実現を目指す持株会社である。2021年6月期より事業セグメントをIT/AI/IoT/DX事業、カスタマーサポート事業、人材・教育事業、EC事業、投資・インキュベーション事業の5つに再編成し、中期経営計画「COMMIT5000」で掲げた業績目標(2030年6月期に売上収益5,000億円)の達成に向けた取り組みを推進している。 1. 2021年6月期の業績概要 2021年6月期の継続事業※1の売上収益は前期比14.6%増の8,734百万円、営業利益は同3.0%減の220百万円となった。売上収益は2020年6月期第4四半期から連結子会社に加わったグリットグループホールディングス(株)※2の人材・教育事業が通期で寄与したことに加え、EC事業が好調に推移したものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響でIT/AI/IoT/DX事業の売上収益が微増にとどまったほか、カスタマーサポート事業も2ケタ減収と低迷した。また、営業利益はEC事業が増益となったものの、IT/AI/IoT/DX事業が減益となったほか、それ以外の事業については損失を計上した。2021年6月期は今後の高成長を実現していくいためのサービスの「型」を作る期間と位置付け、各事業において体制整備を進めたことも収益が伸び悩んだ要因と考えられる。ただ、2020年11月にリリースした官民共創プラットフォーム「逆プロポ(逆公募プロポーザル)」のマッチングをきっかけに、自治体からシステムの受託開発を受注するなど、成長に向けた芽も一部で見え始めている。 ※1 2020年11月に連結子会社だったソフトブレーン(株)の株式を売却したことに伴い、ソフトブレーンとその子会社を非継続事業に分類し、売上収益及び営業利益は非継続事業を除いた継続事業の金額を表示している。 ※2 人材サービス事業、幼保施設、子ども向けスポーツ教育サービスなどをグリットグループホールディングス及びその子会社で展開している。 2. 2022年6月期の業績見通し 2022年6月期の業績は、売上収益で12,000~20,000百万円(前期比37.4%増~129.0%増)、営業利益で450~1,200百万円(同104.2%増~444.6%増)となる見通し。レンジでの予想となっているのは、M&Aの実施による業績への影響を考慮したためだ。既存事業ベースでは2ケタ増収増益を見込んでおり、これにM&Aの効果が加わることになる。レンジの下限でもM&Aの効果が一部含まれているもようで、潤沢な手元キャッシュと銀行借入により積極的にM&Aを進めていく計画となっている。既存事業については、IT/AI/IoT/DX事業、EC事業で2ケタ成長を見込んでいる。また、カスタマーサポート事業については収益構造転換に取り組むため、売上収益は現状維持を目指しながら、損益面では改善する見通しだ。 3. 中期経営計画と成長戦略 中期経営計画「COMMIT5000」では、価値創造経営支援事業、IT/AI/IoT関連事業、社会問題解決型事業の3事業を推進し、2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円(2025年6月期に売上収益1,000億円、営業利益100億円)を目標に掲げている。2021年6月期に構築したソリューションサービスを、2022年6月期以降に上場企業や地方自治体へと幅広く横展開しながら、M&Aも活用することで成長を加速化していく戦略となっている。IT/AI/IoT/DX事業では高単価な開発案件の受注獲得に注力し、人材事業では求職者の登録数拡大、教育事業では受託運営への展開や教育コンテンツの開発、EC事業では会員数や新サービスの開発等によって、それぞれ成長を目指す。また、M&Aや業務資本提携については、共創・協働を含めて年間10件程度のペースで進めていく考えだ。まずは、2022年6月期の動向に注目したい。 ■Key Points ・2021年6月期はM&Aの効果で増収となるも、成長投資の実行により営業減益に ・2022年6月期は既存事業の拡大とM&Aの実行により大幅増収増益を見込む ・中期経営目標として2030年6月期に売上収益5,000億円、営業利益500億円を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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