マーケット
9/20 15:15
37,723.91
+568.58
42,063.36
+457.18
暗号資産
FISCO BTC Index
9/22 18:28:05
9,048,905
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

国内株式市場見通し:「熱狂なき史上最高値更新」、需給面などから来週は小さな調整か

2024/7/6 15:01 FISCO
*15:01JST 国内株式市場見通し:「熱狂なき史上最高値更新」、需給面などから来週は小さな調整か   ■プライム市場の時価総額が史上初の1000兆円 今週の日経平均は週間で1329.29円高(+3.36%)の40912.37円と上昇。引き続き保険や銀行など金融株が買われたほか、精密機器などにも物色が向かったことなどから日経平均、TOPIXはともに上げ幅を広げ、史上最高値を更新した。 7月30-31日に開催される日本銀行の金融政策決定会合に対する思惑などを背景に長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが1.100%まで上昇。時価総額が大きい三菱UFJFG<8306>が全市場売買代金でトップになるなど引き続き金融株が買われたほか、一部証券会社のポジティブなレポートや、米アップルの上昇などが刺激材料となりTDK<6762>や村田製作所<6981>など1-3月にさほど買われていなかった電子機器関連が上昇。プライム市場の売買代金は4兆円ほどと商いはさほど膨らんでいないが、先物市場で断続的な買戻しと見られる買いも観測されたことから、日経平均、TOPIXはそろって7月4日、史上最高値を更新した。同時にプライム市場の時価総額も史上初めて1000兆円台に乗せた。 なお、6月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を1141億円買い越したほか、TOPIX先物を1787億円買い越し、225先物は922億円買い越したことから、合計3850億円の買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を4722億円売り越すなど合計で5395億円売り越し。なお、自己は現物を4141億円買い越した。 ■サイコロジカルでは過熱感も 7月5日の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比67.87ドル高(+0.17%)の39375.87ドル、ナスダックは164.46ポイント高(+0.90%)の18352.76、S&P500は30.17ポイント高(+0.54%)の5567.19で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値150円高の41010円で取引を終えた。 日経平均は日足ベースでは、25日移動平均線との上方乖離率は4.4%、200日移動平均線とは13.1%に留まっており、3月から4月に見られた「25日移動平均線+7%乖離」や「200日移動平均線+20%乖離」と比べると短期的な過熱感は乏しい。個別銘柄では、三菱重工業<7011>が10連騰するなど強さが目立つ銘柄も散見されるが、指数は「熱狂なき史上最高値更新」といった地合いだ。さすがに4日時点のサイコロジカルライン(12営業日での上昇、下落の割合)が83%(10勝2敗)と買われ過ぎの水準まで上昇していたことで、週末は前日比小幅マイナスとなったが、6月の米雇用統計発表や2回目のフランス国民議会(下院)選挙などを控えていたことから、当然の調整と言えよう。海運株、金融株、精密機械株、半導体株などが循環的に買われており、投資家心理は良好と考える。 7月下旬あたりから3月期決算企業の第1四半期業績発表が増えてくることで、今後、決算への期待感を材料に主力株が買われる可能性はある。第1四半期決算のタイミングで、今期予想を早々に上方修正する企業は少ないと思うが、「TOPIXの史上最高値更新」を見た外国人投資家が日本株買いに走れば、日経平均やTOPIXは上値追いの展開となる可能性もある。 ■ETFの売りが心理的な重しに 市場では、来週決算日を迎える上場投資信託(ETF)の売りが警戒されている。投資家への分配金を捻出するために売りが入るとの見込みで、証券会社による試算では、現物株と先物の合計で1兆円から1.3兆円ほどとのことだ。毎年、この時期になると話題となる話なので、既に織り込まれており影響は限定的との見方だが、昨年の日経平均の年間高値は7月3日(33753.33円)につけているので、投資家心理としては気になるところだ。需給面でのネガティブイベントが控えているため積極的な売買は手控えられて、来週の東京市場は様子見ムードが強まる可能性はある。個別株を含め、足元の上昇に対する過熱感を冷ますような小さな調整を想定する。 なお、為替は1ドル160円台で推移している。政府・日本銀行による円買い介入観測は引き続き強いが、「急ピッチ」な円安ドル高が進行しているわけではないので、円買い介入は実施しにくいとの見方が強い。日銀会合の2-3週間前あたりから、日銀関係者による情報が伝わり始めることで、日銀会合リーク情報を巡る為替市場や金利市場の動向に要注目となろう。 ■11日に米CPI、12日に米PPI 来週は、国内では、8日に5月国際収支、6月景気ウォッチャー調査、10日に6月国内企業物価指数、11日に5月機械受注、12日に5月鉱工業生産などが予定されている。 海外では、9日に豪・7月ウエストパック消費者信頼感指数、10日に中・6月生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、トルコ・5月鉱工業生産指数、米・5月卸売在庫、週次原油在庫、11日に独・6月PPI、CPI(改定値)、英・5月鉱工業生産指数、製造業生産高、貿易収支、米・6月CPI、週次新規失業保険申請件数、12日に独・5月小売売上高、中・6月貿易収支、米・6月PPI、7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)などが予定されている。 《FA》
関連銘柄 4件
6762 東証プライム
9,000
9/20 15:00
+102(%)
時価総額 3,498,948百万円
大手電子部品メーカー。1935年創業。二次電池などエナジー応用製品が主力。スマホ内臓バッテリーで世界トップシェア。海外売上高比率は9割超。高収益事業の強化図る。中計では27.3期売上高2.5兆円目標。 記:2024/08/29
6981 東証プライム
2,749
9/20 15:00
+83.5(%)
時価総額 5,573,441百万円
大手電子部品メーカー。コンデンサやインダクタ、EMI除去フィルタ等を手掛ける。チップ積層セラミックコンデンサ等で世界トップシェア。海外売上高比率が高い。コンデンサはモビリティ向けなどで販売増を見込む。 記:2024/06/04
7011 東証プライム
1,904.5
9/20 15:00
+48.5(%)
時価総額 6,425,113百万円
総合重機国内最大手。1884年創立。各種発電システムや航空機用エンジン、物流機器、製鉄機械、特殊車両等を手掛ける。ガスタービンで世界トップシェア。中期経営計画では27.3期売上高5.7兆円以上目標。 記:2024/09/03
1,482
9/20 15:00
+39(%)
時価総額 19,683,917百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29