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活況のインド市場【フィスコ・コラム】

2023/7/23 9:00 FISCO
*09:00JST 活況のインド市場【フィスコ・コラム】 インド株式市場では指標となるSENSEX指数が過去最高値圏に浮上。高成長を背景に世界からマネーを集めています。このまま経済規模の拡大が続けば、世界経済の主役を中国から奪いとる見通しです。来年の総選挙は、現時点で与党圧勝がメーンシナリオのようです。 インド株は昨年12月から今年3月にかけて軟調地合いが続いていましたが、その後は堅調に転じました。SENSEX指数は3月の57000ポイント台からほぼ右肩上がりとなり、節目の60000ポイントを上抜けると6月半ばには過去最高値を更新。7月に入っても騰勢を強め、最高値を連日塗り替えています。足元は67000ポイント半ばに水準を切り上げ、さらに上値を追う展開が予想されています。 株高の要因はやはり国内経済の成長です。今年1-3月期GDPの伸び率は前年比+6.1%と、昨年10-12月期や市場予想を上回る強い内容でした。コロナ禍でダメージを受けたものの、個人消費を軸に急激な回復を遂げ、10四半期連続のプラス成長を記録しています。企業活動も活発化しており、1-3月期の好業績が鮮明になって特に海外勢の買いを集めたことが最近の強気相場に寄与しているようです。 経済指標からは企業の景況感の改善が目立ち、先行きも業績拡大と株高が見込まれます。カギを握るのはインフレ動向でしょう。昨年は消費者物価指数(CPI)の伸び率が前年比で7%台を付ける時期もありましたが、今年4月以降は4%台で落ち着いていました。これを受け、インド準備銀行(中央銀行)は今年4月に6会合ぶりに利上げを休止しました。ただ、直近の統計でインフレは再び上昇基調に振れたため、中銀による利上げ再開が足元で懸念されています。 一方、2014年に発足したモディ政権の支持率は50%超。高成長を維持できれば、来年の総選挙で圧勝の可能性が濃厚です。最大野党の国民会議は10年ぶりの政権奪還を狙うものの、同党幹部で名家出身のラフル・ガンジー元総裁に対する弾圧でモディ氏はさらに優位な立場に。民主主義の観点から問題視されているものの、新興国は政治の安定が決め手になるため、その点もマネーを集めやすい要因といえるでしょう。 インドのGDPは3兆ドル近くに達し、世界ランキングでは第4位のドイツに次ぐ第5位に躍進しています。また人口は今年4月に中国を抜き世界トップに躍り出たもようです。ただ、若年世代の雇用が不十分であることが最大の弱点です。この問題への対処を野党がアピールすれば、モディ氏率いる与党・人民党も無視できないでしょう。中国とともに世界経済を支えるインドの情勢から目が離せません。 (吉池 威) ※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。 《YN》