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米国株式市場見通し:金融決算やベージュブックに注目

2023/4/15 14:29 FISCO
*14:29JST 米国株式市場見通し:金融決算やベージュブックに注目 引き続き金融決算に注目だ。中でも、中堅2行の破たんを受けて預金流出加速が警戒され株価が売り込まれたチャールズ・シュワブや中堅銀行のUSバンコープが決算発表を予定しており警戒だ。特に預金状況に関する言及に注目したい。チャールズ・シュワブの最高経営責任者(CEO)は以前、TVインタビューで資金は逆に流入している、破たんした金融機関と違い顧客層に偏りがないことを強調、資金引き出しにも十分に対応できると自信を表明し事態の収拾を図った。決算の結果で改めて警戒感を払しょくできるかどうかに注目だ。大手行の決算は比較的強く、金融システム不安を緩和したが、中堅規模の金融決算内容も予想を上振れ場合、金融セクターの回復につながるだけでなく、投資家心理も改善し相場の上昇をけん引することになるだろう。 また、FRBが次回会合での金融政策を決定する上で参考材料にする地区連銀経済報告(ベージュブック)にも注目だ。足元では労働市場の逼迫が緩和しはじめた兆候が見られているほか、最新のCPIやPPIの結果でインフレ鈍化基調を再確認したため、FRBが5月FOMCで0.25ポイントの利上げを実施後、利上げを停止し、年内にも利下げに転じることを短期金融市場は織り込み始めている。ベージュブックでも物価の鈍化傾向や労働市場の減速を確認できれば早期の利上げ停止観測をさらに強め相場を支援するだろう。また、18日には確定申告期限を迎える。税還付金が株式相場に新たに流入するとの期待感を受けた買いが引き続き下値を支えそうだ。 経済指標では、4月NAHB住宅市場指数、2月対米証券投資(17日)、3月住宅着工件数・住宅建設許可件数(18日)、週次新規失業保険申請件数、4月フィラデルフィア連銀景況指数、3月中古住宅販売、3月景気先行指数(20日)、4月製造業・サービス業PMI速報値(21日)、などが予定されている。FRBはまた、19日にベージュブックを公表する。 主要企業決算では、金融関連ではチャールズ・シュワブ、ステートストリート(17日)、銀行のバンク・オブ・アメリカやバンク・オブ・ニューヨーク・メロン、ゴールドマン・サックス(18日)、モルガン・スタンレー、ディスカバー・ファイナンシャル・サービシズ、USバンコープ(19日)が予定されている。ほか、動画配信のネットフリックス、製薬会社のジョンソン・アンド・ジョンソン、防衛会社のロッキード・マーチン(18日)、電気自動車メーカーのテスラ、コンピューター・ソリューションのIBM(19日)、住宅会社のDRホートン、油田製品会社のベーカー・ヒューズ、クレジットカード会社のアメリカン・エキスプレス、通信のAT&T、鉄道のCSX(20日)、消費財メーカーのプロクター・アンド・ギャンブル(21日)、などが発表予定となっている。 バンク・オブ・アメリカなど大手行はJPモルガンやシティグループと同様に金利収入や預金の増加が期待できそうだ。 (Horiko Capital Management LLC) 《FA》