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来週の相場で注目すべき3つのポイント:米CPI、米小売売上高、ECB定例理事会

2023/3/11 16:59 FISCO
*16:59JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米CPI、米小売売上高、ECB定例理事会   ■株式相場見通し 予想レンジ:上限28000円-下限26500円 来週の東京株式市場は弱含みか。日経平均が急伸した3日から東京市場の想定以上の強さが続いていたが、週末の3月限の株価指数先物・オプション取引の特別清算指数算出(メジャーSQ)を境に潮目が変化してきた。一般的にメジャーSQを境に需給が転換することが多いが、奇しくも、このメジャーSQ前日に、米国市場では銀行の信用不安という新たなリスクが台頭し、米国株は大幅に下落。この先の基調の転換には注意したい。 その後、米シリコンバレー銀行(SVB)は資金調達に失敗し、10日に経営破綻した。米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年から急速に金融引き締めを進める中、いずれは企業のデフォルト(債務不履行)が増加してくるだろうとは想定されていたが、今回それが表面化した。システミックリスクには至らないとの見方が今のところは優勢だが、投資家は次のSVB探しに走っている。実際、顧客属性が似たようなところで同様の事象が出てくる可能性はあろう。また、米連邦預金保険公社(FDIC)が破綻管財人となって預金保護をするが、保護される預金額上限は1口座あたり25万ドルで、「保険限度額を超える預金額は未確定」とされている。これらがどう影響してくるかは注意深く見守る必要があろう。 米株式市場では9日、S&P500種株価指数をはじめとした主要株価3指数が揃って200日移動平均線を終値で割り込んで、10日も大幅に続落した。今後は商品投資顧問(CTA)などトレンドフォロー型ファンドの売りが加速する可能性が高そうで注意を要する。 一方、こうした警戒感が強まる中でも、今週の議会証言でパウエルFRB議長は今後の経済データ次第では利上げ幅の再拡大もあり得ることに言及した。米SVBの一件により、利上げ幅の拡大やターミナルレート(政策金利の最終到達点)の織り込みは一旦大きく後退したが、来週の米消費者物価指数(CPI)や米小売売上高の2月データが1月に続き強いものとなれば、利上げ幅の拡大の織り込みが改めて進む可能性はあろう。週末に発表された米雇用統計も平均時給の伸びは予想を下回ったとはいえ、前年比の伸びは前月から加速し、前月比ではプラスとなっている。仮にCPI などが弱い結果となっても、米SVBの一件で市場の目線は実体経済に移ってきているため、相場の力強さは戻りにくいだろう。 米国では16日に予定されている物流大手フェデックスの決算にも注目したい。物流は経済活動の血流としての役割を担っており、実体経済の落ち込み具合を計るうえで注目に値する。 ほか、16日に開催される欧州中央銀行(ECB)定例理事会にも注目だ。欧州でも物価指標の鈍化が一服し、ECBのターミナルレート引き上げの織り込みが進んだが、今週は、ECB政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中央銀行総裁が3、5、6、7月の4会合連続の0.5ポイント利上げを支持すると言明した。ECBがタカ派スタンスを再表明した場合には、弱気に傾きつつある株式市場の重しとなりかねず、注意が必要だ。 個別では、外部環境の不透明感が強まる中、国内経済活動の正常化など内需主導による恩恵が期待され、中国人観光客の回復という最大のカタリスト(株価変動を誘発する材料)もまだ温存されているリオープン・インバウンド関連などが相対的な安心感から買われやすいと予想する。15日に発表される2月訪日外客数も材料となる。また、中国で2月鉱工業生産や小売売上高などが発表されるため、中国関連株などが改めて注目される可能性もあろう。 ■為替市場見通し 来週のドル・円はもみ合いか。米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利上げの思惑は大きく後退し、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小する可能性がある。ただ、インフレ高止まりの影響で利上げ継続の見方は変わらず、過度なドル売りは抑制されるだろう。 今月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で0.50ポイントの利上げ観測が一時広がったが、米シリコンバレー銀行の破綻を受けて0.25ポイントの利上げにとどまる可能性が高い。政策判断の手がかりとして、14日発表の2月消費者物価コア指数(CPI)が重要視されそうだ。2月分は1月実績を下回る見通し。ただ、最近の物価関連統計は予想を上回るケースが目立っており、コアCPIが市場予想を上回った場合、インフレ抑制期待は後退し、ドル買い要因となろう。なお、15日発表の2月小売売上高は伸びが鈍化する見通し。インフレや金利高の影響でリセッションへの懸念が強まるなか、消費の減退が顕著になれば金利安・ドル安の要因になりやすい。 ■来週の注目スケジュール 3月13日(月):日・法人企業景気予測調査(1-3月)、中・全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が閉幕、米韓年次軍事演習(23日まで)、など 3月14日(火):日・アブダビ投資フォーラム、米・消費者物価コア指数(2月)、など 3月15日(水):日・日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(1月17・18日分)、中・鉱工業生産指数(2月)、中・小売売上高(2月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(3月)、米・小売売上高(2月)、米・生産者物価コア指数(2月)、米・NAHB住宅市場指数(3月)、など 3月16日(木):日・貿易収支(2月)、日・コア機械受注(1月)、日・鉱工業生産(1月)、尹韓国大統領が来日(17日まで)、中・新築住宅価格(2月)、米・住宅着工件数(2月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(3月)、欧・欧州中央銀行(ECB)が政策金利発表、米・イエレン財務長官が上院財政委員会で証言、米・決算発表→フェデックス、など 3月17日(金):露・ロシア中央銀行が政策金利発表、米・鉱工業生産指数(2月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(3月)、経済協力開発機構(OECD)が世界経済見通しを公表、など 《YN》