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来週の相場で注目すべき3つのポイント:米PPI・CPI、米FOMC議事録、英国債買入れ期限
2022/10/8 19:02
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*19:02JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米PPI・CPI、米FOMC議事録、英国債買入れ期限 ■株式相場見通し 予想レンジ:上限27200円-下限25800円 来週の東京株式市場はボラティリティー(変動率)の激しい展開が予想される。米国の物価指標などイベントが多く、全体的に神経質な展開が想定されるなか、発表が本格化する6-8月期決算を受けた個別株物色が中心となりそうだ。 米9月雇用統計では平均賃金の減速が確認された一方、想定外に失業率の大幅低下と労働参加率の低下が確認され、逼迫した労働市場の長期化が確認される内容となった。週末の欧米株式市場も大幅安となっており、波乱のスタートを強いられるだろう。こうした中、12日に米9月卸売物価指数(PPI)と米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録(9月20−21日開催)の公表がある。今週、多くのFRB高官から利下げ転換期待を打ち消すタカ派な発言が相次いだ経緯もあり、金融引き締め懸念が再燃しており、PPIの結果もさることながら、FOMC議事録の内容も注目されよう。 9月FOMCでは、政策金利見通しが大幅に引き上げられた一方、経済成長見通しが潜在成長率を下回る水準にまで大幅に下方修正されるなど、非常にタカ派な内容であった。議事録内容を株式市場が好感することはまずないとみられ、ネガティブに反応する可能性の方が高い。議事録を受けて再び大幅な利上げが景気後退・業績悪化懸念を強める展開も想定され注意したい。13日には米9月消費者物価指数(CPI)も発表予定で、コアCPIが上振れた場合には、前の日のFOMC議事録に続く流れを踏まえると株式市場の下振れリスクが懸念される。 仮にFOMC議事録を無難に消化し、物価指標も株式市場にとってポジティブな結果に終わったとしても、そこからの相場上昇は息の短いものになりやすいだろう。週末にはモルガン・スタンレー、JPモルガン・チェースなどの米金融大手の決算が発表予定であり、景気後退が近づきつつある中、貸倒引当金の積み増し動向などが注目される。その後に次第に日米の7-9月期決算発表が本格化していくことも考慮すると、決算前にリスクを取る動きは想定しにくく、事前に警戒感が高い分、発表直前はリスク回避の売りなどが出やすいだろう。 また、石油輸出国機構(OPEC)プラス会合での想定以上の大幅減産を受けて、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト、11月物)は1バレル=92ドルまで大きく上昇してきている。9月下旬に70ドル台まで低下していたこともあり、エネルギーに由来するインフレは既に終了したものとの考えが投資家の間で広まっていたが、サービス分野に加えて再びエネルギーインフレへの目配せも必要となり、懸念されうる状況だ。原油市況の上昇が続けば、米10年債利回りが再び4%を超える可能性は十分に想定される。さらに。14日には英イングランド銀行(中央銀行)による長期国債買入れが期限を迎える。それまでに英政府による新たな財政政策改善案が提示されなければ、再び金融市場の混乱が懸念される。海外発のイベントに常に注意を払っておきたい。 一方、国内では11日に景気ウォッチャー調査の発表があるほか、入国者数の上限撤廃などの水際対策の緩和、そして全国旅行支援が開始される。景気ウォッチャー調査の結果がポジティブなものとなれば、外部環境の不透明感が強いなかで選好されやすいディフェンシブ性も相まって、リオープン関連やインバウンド関連の銘柄に物色が広がりそうだ。 ■為替市場見通し 来週のドル・円は上げ渋りか。日米金利差が意識され、ドル・円は主に145円を上回る水準で推移する可能性がある。ただ、米インフレ関連指標の伸びが鈍化すれば利上げ加速への期待は一服し、金利安がドルの重石になりやすい。12日公表の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月開催分)はタカ派的なトーンとみられ、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑止を最優先させる方針が改めて示される。それを受け、金融引き締め長期化への思惑からドル買いに振れやすいだろう。 注目は13日発表の米9月消費者物価コア指数(CPI)。市場予想は前年比+6.5%と前月の+6.3%を上回ると予想される。高インフレが続いているが、市場予想を下回った場合、今後の連邦公開市場委員会(FOMC)で引き締め姿勢は多少弱まる可能性から、長期金利は伸び悩みドルの一段の上昇を抑制する展開となりそうだ。ドル高・円安の基調が変わる可能性は低いものの、直近高値の145円90銭近辺を継続的に上回ること想定しにくい。 一方、欧州通貨安・米ドル高の流れはしばらく続くとみられるが、欧州中央銀行(ECB)や英中央銀行(BOE)のインフレ抑止に向けた政策方針を背景に割安感からユーロやポンドの買い戻しも期待される。ドル・円については日米金利差の拡大が想定されており、上昇基調を維持しよう。ただ、日本政府・日本銀行による円買い介入を警戒して、1ドル=145円台でドル買い・円売りがさらに強まる可能性は低いとの見方が多いようだ。 ■来週の注目スケジュール 10月10日(月):日・株式市場は祝日のため休場(スポーツの日)、米・国際金融協会(IIF)年次会合(14日まで)、米・国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会(16日まで)、米・シカゴ連銀総裁とブレイナード連邦準備制度理事会(FRB)副議長が全米企業エコノミスト協会(NABE)の年次会合で講演など 10月11日(火):日・景気ウォッチャー調査 現状判断(9月)、入国者数の上限撤廃など新型コロナの水際対策緩和、IMFが世界経済見通し(WEO)公表、米・メタ・プラットフォームズ、「メタコネクト」など 10月12日(水):日・コア機械受注(8月)、日・工作機械受注(9月)、ソシオネクストが東証プライムに新規上場、米・生産者物価コア指数(9月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(9月20-21日会合分)、米・G20財務相・中央銀行総裁会議(13日まで)など 10月13日(木):日・国内企業物価指数(9月)、米・消費者物価コア指数(9月)、海外・決算発表→ブラックロック、TSMCなど 10月14日(金):中・消費者物価指数(9月)、米・小売売上高(9月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(10月)、米・決算発表→ウェルズ・ファーゴ、JPモルガン、モルガンS、シティグループなど 10月16日(日):中・共産党大会開幕 《YN》
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