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KADOKAWA Research Memo(3):出版、映像・ゲーム、Webサービスが主軸の総合メディア企業(2)

2019/7/5 15:33 FISCO
*15:33JST KADOKAWA Research Memo(3):出版、映像・ゲーム、Webサービスが主軸の総合メディア企業(2) ■KADOKAWA<9468>の事業概要 2. 映像・ゲーム事業 映像事業は、パッケージソフト販売や映画の企画・製作・配給、アニメの海外版権販売、映像配信などを手掛けているほか、(株)角川大映スタジオ、グロービジョン(株)がスタジオ事業を展開している。出版事業や映像・ゲーム事業から生み出されるグループIPの映像化、実写映画及びアニメ作品の製作配給に注力している。 ゲーム事業は、KADOKAWA、(株)フロム・ソフトウェア、(株)スパイク・チュンソフト、(株)角川ゲームス、(株)MAGES.(メージス)がパッケージゲームソフト及びネットワークゲーム、アプリゲームの企画・開発・販売を行っている。ヒットタイトルには「DARK SOULS」「Bloodborne」(フロム・ソフトウェア)、「GOD WARS」(角川ゲームス)、「喧嘩番長」「ダンガンロンパ」「ARK:Survival Evolved」(スパイク・チュンソフト)、「STEINS;GATE」(MAGES.)などがある。 3. Webサービス事業 Webサービス事業は、ドワンゴで展開するポータル事業(動画サービス「niconico」)を中核ビジネスとして、その広告宣伝の色彩が濃い各種イベントの企画・運営やイベント会場の賃貸等を行うライブ事業、携帯電話向けの音楽配信を行うモバイル事業から成る。 主力のポータル事業では、ニコニコ動画、ニコニコ生放送、ニコニコチャンネルなどの様々なサービスを提供している。売上はニコニコ動画や生放送を快適に視聴できるプレミアム会員から得られる月額課金収入(540円/月)や、Webサイト上のバナーや動画などの広告収入、有料動画などの視聴の際に利用するポイント収入などから構成されている。2019年3月末時点におけるID発行数は7,709万人(前期末比487万件増)と増加しているが、プレミアム会員数は180万人(同27万人減)と減少傾向が続いている。2019年1月-3月における利用状況は、非ログイン視聴UU※も含めたベースで見るとMAU(月間アクティブユーザー)で1,874万人、DAU(1日当たりアクティブユーザー)で302万人となっている。「niconico(く)」にバージョンアップして、ネットワーク環境を大きく改善したことで、一般ユーザーでもストレスをほぼ感じることなく「ニコニコ動画」のコンテンツを視聴できるようになったこと、非ログインユーザーでも視聴が可能となったことがUU増加の要因と見られる。 ※2018年2月末より非ログイン視聴を可能とした 企業・団体・ユーザーが動画や生放送を配信できるプラットフォームである「ニコニコチャンネル」に関しては、全チャンネル数が2019年3月末時点で8,660(前期末比478チャンネル増)、月額有料チャンネル数1,423(同118チャンネル増)、月額有料会員数95万人(同27万人増)といずれも増加傾向が続いている。 また、2018年8月にスマートフォンで生放送を視聴できるアプリ「nicocas(実験放送)」をリリースしている。同アプリでは生放送中にアイテムを贈ることで配信者を支援することができる「ギフト」(投げ銭機能)サービスも新たに導入している。「nicocas」アプリ(Android/iOS)では会員でなくても動画や生放送の視聴/配信が可能(動画投稿は不可)となっている。2019年4月には、新機能を試験運用する「実験放送」における双方向機能をPC版「ニコニコ生放送」へ統合し、「ギフト」サービスの更なる拡大や双方向性サービスの充実を図っていくことで視聴者数を拡大し、有料会員数や都度課金収入を増やしていく戦略となっている。 ライブ事業では、「ニコニコ超会議」※1、「闘会議」※2、「アニメロサマーライブ」、「ニコニコ超パーティー」※3などのライブイベントの企画・運営を手掛けるほか、「ネットとリアルの融合」を実現した新しいエンタテインメントの形を創出するライブハウス「ニコファーレ」の運営、2014年10月にリニューアル、グランドオープンした「niconico」のアンテナショップ「ニコニコ本社」(池袋)※4で期間限定コラボカフェやゲーム実況イベントなどの運営も行っている。 ※1 「ニコニコのすべてを地上で再現する」をコンセプトに幕張メッセで行われるニコニコ最大のイベント。参加するユーザーが「全員主役」となり、ネットとリアルが融合した様々な企画を展開する。2019年4月27日、28日に開催された「ニコニコ超会議2019」では、来場者数約16.8万人、ネット総来場者数約666万人となり、闘会議と分離開催後の来場者数としては過去最高を記録した。 ※2 デジタルからアナログまで古今東西のゲームが集まる、日本最大級の“ユーザー参加型”ゲームイベント。2019年1月26日、27日に幕張メッセで開催された「闘会議2019」は、「ジャパンアミューズメントエキスポ2019」「eSPORTS国際チャレンジカップ」との初の合同開催となり、会場来場者数約8.4万人、ネット総来場者数約459万人となり、日本のゲーム市場並びにeスポーツ市場の拡大に貢献している。 ※3 日本最大級の動画サービス「niconico」の大規模ステージイベントで、niconico内の「歌ってみた」、「踊ってみた」ジャンルなどで活躍するユーザーや、有名アーティストが一堂に会し行われるniconico最大のライブイベント。開催7回目の2018年は11月3日にさいたまスーパーアリーナで開催され、約1.5万人が来場した。 ※4 「niconico」のアンテナショップで、nicocafe、イベントスペース、ニコぶくろスタジオ、ニコニコショップのある複合施設。2011年4月に原宿でグランドオープンし、池袋に移転・リニューアルした。 モバイル事業は音楽配信市場の環境変化により会員数の減少傾向が続いているものの、依然として利益率の高いビジネスの1つであり、「シングル楽曲/着うた®」などの配信を行う「ドワンゴジェイピー」やデジタルコンテンツ配信サイト「animelo mix」の運営を行っている。 4. その他事業 その他事業は、クリエイティブ分野で活躍する人材を国内外で育成するスクール「バンタン」、「KADOKAWA Contents Academy」の運営や、「N高等学校」(学校法人角川ドワンゴ学園)におけるネットとリアルを融合させた双方向性を特長とする教育プログラムの提供といった教育事業のほか、インバウンド関連事業の企画・運営等で構成されている。2018年6月にはインバウンド事業推進の一環として、KADOKAWA初となるレストラン「INUA」(イヌア)※を飯田橋に開業した。 ※デンマーク・コペンハーゲンの有名なレストラン「noma」(ノーマ)のヘッドシェフであるレネ・レゼピ氏とKADOKAWAがパートナーシップを結び、nomaで活躍したトーマス・フレベル氏をヘッドシェフとして迎え、2018年6月29日に開業したレストラン。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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旧KADOKAWAとドワンゴが経営統合。出版・IP創出事業が主力。アニメ・実写映像事業、ゲーム事業、通信制高校の運営等も。中計では28.3期売上高3400億円目標。出版IP数の拡大などに取り組む。 記:2024/06/13