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後場に注目すべき3つのポイント~急ピッチでの上昇から利益確定売りが優勢、国内感染者数の再拡大に警戒感

2020/4/9 13:12 FISCO
*13:12JST 後場に注目すべき3つのポイント~急ピッチでの上昇から利益確定売りが優勢、国内感染者数の再拡大に警戒感 9日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。 ・日経平均は5日ぶり反落、急ピッチでの上昇から利益確定売りが優勢、国内感染者数の再拡大に警戒感 ・ドル・円は小じっかり、中国株高で円買い後退 ・値下がり寄与トップは富士フイルム<4901>、同2位KDDI<9433> ■日経平均は5日ぶり反落、急ピッチでの上昇から利益確定売りが優勢、国内感染者数の再拡大に警戒感 9日の日経平均は5日ぶりに反落。84.98円安の19268.26円(出来高概算6億1537万株)で前場の取引を終えた。前日の米国市場では、米国立アレルギー感染症研究所所長が、新たな入院患者数が減っていることから「来週以降に転換点を迎える」とピークアウトを示唆する前向きな発言をしたことが市場心理を上向かせた。その後、民主党大統領候補で急進派の社会主義者として知られるサンダース氏が大統領選撤退を発表したことなどを受けて、主要株価3指数は大幅高となった。こうした米株高の流れから、日経平均株価は5日続伸してスタートした。ただ、前週末からの続伸でこの間の上げ幅も1500円に達していることから、急ピッチでの上昇に対する警戒感もあり、その後は上値が重く、前日比で小幅にマイナスの水準に転じてからは、こう着感を強める展開となった。 セクターでは、陸運業を筆頭に証券業、食料品、倉庫・運輸関連、不動産業、パルプ・紙、保険業、銀行業など東証33業種中29業種がマイナス。他方、鉱業、海運業、ゴム製品、ガラス・土石がプラスで終えている。東証1部の売買代金上位では、レーティング引き下げの観測があった富士フイルム<4901>のほか、ファーストリテ<9983>、任天堂<7974>、トヨタ<7203>、東エレク<8035>、三菱UFJ<8306>、リクルートHD<6098>、NTTドコモ<9437>などがマイナスとなった。一方、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>、資生堂<4911>、神戸物産<3038>などはプラスとなっている。 日経平均は新たな材料が出ない限りは、暫くの間は19500円の価格帯に上値を抑えられる展開となりそうだ。二番底懸念が燻りつつあるなか、日経平均は意外にもしっかりとした値動きを保ち、その間に出遅れていた米国市場も、新型コロナ感染者数のピークアウトの兆候を確かめながら徐々に回復してきた。こうした新型コロナ問題の収束に向けた明るい兆しを横目に見ながらの世界同時株価回復は個人投資家のセンチメントを改善しよう。 リーマンショック以来となる高水準を付けていた米国の恐怖指数であるVIX指数も、80pt台にあったものがじりじりと縮小し、足元では40pt台前半までにほぼ半減してきている。日本の同種指数である日経VIも高いところでは60pt台にあったが、本日は一時38.85ptにまで低下してきている。市場が落ち着きを取り戻しつつある証拠だろう。4月3日に発表された短期筋のVIX指数先物のネットショートのポジションが1万8000枚程度と、昨年末の20万枚を超えていたピーク時に比べて低位に留まっている点も、先行き警戒感を和らげてくれる。ただ、このまま相場が一本調子に上昇していくと考えるのは難しいだろう。日経平均株価でいえば、節目の20000円を超えるのには相当な時間がかかろう。 まず、コロナショックが本格化し、世界同時株安が始まった2月24日(日本市場は祝日だったため、2月25日)から本日までの間の日経平均株価の商いを確認すると、価格帯別売買高が最も積み上がっているところが19500円水準だ。日経平均は、需給要因主導で上昇した3月末(25日~31日)の間にこの水準を明確に上抜けられずにはじき返された。今週から再度上値を試す展開となっているが、前日の大幅な米株高があったにも関わらず上値の重い本日の動きをみる限り、やはりこの価格帯を抜いてくるには、感染者数の大幅な減少など、明確な事態収束を感じさせるような材料が出てこない限り難しいのだろう。 こうした中、新興市場は堅調だ。前引け時点で日経平均やTOPIXがマイナスとなっているのに対し、JASDAQ平均は0.9%高、マザーズ指数にいたっては2.4%高となっている。市場が少しずつ落ち着きを取り戻しつつあるなか、個人投資家の物色意欲は高まってきているといえよう。4月に入ってから目立った日銀によるETF(上場投資信託)買いも見られていない中、新たなニュースフローが出てこない限りは、暫くの間は、大型株ではなく、コロナショックの中で全体相場に連れ安していた業績堅調なクラウド、SaaSといった成長セクターどころでの中小型株への物色意欲を高めたいところだ。 ■ドル・円は小じっかり、中国株高で円買い後退 9日午前の東京市場でドル・円は小じっかり。米株式先物や日本株は軟調地合いが続くものの、上海総合指数はプラスを維持しており、リスク回避的なドル売り・円買いは後退しているもよう。新型コロナウイルスの感染拡大の懸念は根強いが、足元はやや落ち着いた相場のようだ。 ここまでの取引レンジはドル・円は108円82銭から109円04銭、ユーロ・円は118円14銭から118円61銭、ユーロ・ドルは1.0854ドルから1.0880ドル。 ■後場のチェック銘柄 ・テリロジー<3356>、ベストワンドットコム<6577>など、23銘柄がストップ高 ※一時ストップ高(気配値)を含みます ・値下がり寄与トップは富士フイルム<4901>、同2位KDDI<9433> ■経済指標・要人発言 【要人発言】 ・豪準備銀行・金融安定報告 「新型コロナの影響で金融システムはリスクの拡大に直面」 ・黒田日銀総裁 「新型コロナの影響を注視し、必要があればちゅうちょなく追加緩和」 <国内> ・14:00 日銀4月地域経済報告 <海外> ・15:00 英・2月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、1月:-0.1%) ・15:00 英・2月貿易収支(予想:-60.00億ポンド、1月:-37.2億ポンド) ・15:00 独・2月貿易収支(予想:+165億ユーロ、1月:+138億ユーロ) 《HH》
関連銘柄 15件
3038 東証プライム
3,406
12/26 15:30
+39(%)
時価総額 931,882百万円
冷凍・加工食品など食品中心の「業務スーパー」を展開。デザート、菓子類に大ヒット商品多数。独自の輸入ルートに強み。業務スーパーの総店舗数は1070店舗超。中計では26.10期売上高5430億円目標。 記:2024/10/24
3356 東証スタンダード
337
10/27 15:00
+7(%)
時価総額 5,587百万円
海外のハードウェアやソフトウェア製品を輸入販売。社内ネットワークの構築や医療機関向け多言語サービスも事業領域。米Synackとのパートナーシップでセキュリティ領域を拡充。受注拡大し、3Q累計は大幅増収。 記:2022/03/23
3,271
12/26 15:30
+18(%)
時価総額 4,068,722百万円
富士フイルムを中核とする持株会社。メディカルシステムや電子材料、オフィスソリューション、デジカメを手掛ける。医用画像情報システムで世界トップシェア。配当性向30%目安。27.3期営業利益3600億円目標。 記:2024/07/08
4911 東証プライム
2,725
12/26 15:30
+46(%)
時価総額 1,090,000百万円
大手化粧品メーカー。1872年創業。SHISEIDO、エリクシール、マキアージュ等のブランドを展開。レストラン事業、美容室事業も。DOE2.5%以上目安。米州・欧州・アジアパシフィック事業に経営資源投下。 記:2024/07/05
11,240
12/26 15:30
+140(%)
時価総額 18,544,224百万円
米国発の求人情報サイト「Indeed」等のHRテクノロジー事業、リクナビNEXTやSUUMO等のマッチング&ソリューション事業、人材派遣事業を展開。人材派遣事業は需要増により、日本の稼働人数が順調。 記:2024/06/28
6577 東証グロース
2,748
12/26 15:30
-2(%)
時価総額 4,182百万円
クルーズ旅行予約サイト「ベストワンクルーズ」を運営。国内旅行総合予約サイト「ベストワンニューラルトリップ」等も。子会社に「えびす旅館」など。MSCベリッシマ、ダイヤモンド・プリンセスの販促強化を図る。 記:2024/10/10
6758 東証プライム
3,350
12/26 15:30
+45(%)
時価総額 20,914,378百万円
世界的AV機器メーカー。ゲーム機や映画、音楽でも世界的。CMOSイメージセンサーで世界トップシェア。モバイル機器向けイメージセンサーは堅調続く。今期はイメージング&センシング・ソリューションの増収見込む。 記:2024/06/29
7203 東証プライム
3,142
12/26 15:30
+177.5(%)
時価総額 49,627,849百万円
自動車メーカー最大手。カローラ、クラウン、プリウスなど人気車種多数。ダイハツ工業、日野自動車等を傘下に持つ。海外販売台数比率は7割超。グローバル生産累計3億台超。ソフトウェア、AIなどへの投資を加速。 記:2024/08/01
7974 東証プライム
9,260
12/26 15:30
+60(%)
時価総額 12,025,869百万円
世界的ゲームメーカー。コンソールゲーム機を展開するグローバル3強の一角。資産の多くをドル建てで保有。海外売上高比率は7割超。新規タイトル、追加コンテンツの継続投入でプラットフォームの活性化を図る。 記:2024/07/28
8035 東証プライム
23,830
12/26 15:30
+130(%)
時価総額 11,239,014百万円
世界的な半導体製造装置メーカー。TBSの出資で1963年に設立。塗布現像、ガスケミカルエッチング、拡散炉などで世界トップシェア。配当性向50%目処。研究開発投資を積極化。固定費の最適化などにも取り組む。 記:2024/07/07
1,811
12/26 15:30
+11(%)
時価総額 24,053,693百万円
三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJニコスなどを傘下に収める総合金融グループ。世界最大の金融機関の一つ。アジアプラットフォームの強靭化などに取り組む。 記:2024/07/29
9433 東証プライム
4,977
12/26 15:30
+46(%)
時価総額 10,908,818百万円
国内シェア2位の大手通信キャリア。auブランドの携帯電話が主力。沖縄セルラー電話、JCOMなどを傘下に持つ。5G基地局数は業界最多。au PAYカード会員数は980万人超。スマートフォン稼働数は増加傾向。 記:2024/11/09
9437 東証1部
3,880
12/24 15:00
±0(%)
時価総額 12,527,081百万円
NTTグループの中核を担う国内最大の携帯キャリア。金融・決済など非通信領域の強化に力注ぐ。21.3期1Qはコロナ禍で国際ローミング急減。だが非通信領域の拡大などで補う。通期では利益反発・連続増配を見込む。 記:2020/09/03
9983 東証プライム
53,250
12/26 15:30
+240(%)
時価総額 16,945,268百万円
世界的なアパレル会社。「ユニクロ」を主力に、「ジーユー」、「セオリー」等のブランドを世界中で展開。海外ユニクロ事業が成長の柱。グローバル化の加速、ジーユー事業などグループブランドの拡大などに注力。 記:2024/10/25
9984 東証プライム
9,109
12/26 15:30
+188(%)
時価総額 13,390,184百万円
携帯キャリアのソフトバンク、LINEヤフー、ビジョン・ファンド、半導体設計の英ARMなどを傘下に収める持株会社。スマホ契約数は増加。コンシューマ事業はモバイルサービス、ブロードバンドサービス売上等が順調。 記:2024/11/27