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ソーサ—ボトム形成のビットコイン、100万円の大台回復間近【フィスコ・ビットコインニュース】

2019/5/28 11:29 FISCO
*11:29JST ソーサ—ボトム形成のビットコイン、100万円の大台回復間近【フィスコ・ビットコインニュース】 2018年以降、ビットコイン価格は大規模ハッキングや、大手を含めた仮想通貨交換所の相次ぐ行政処分に伴う信用失墜などを背景に低迷が続いていたが、2019年春に息を吹き返した。5月以降、この流れは強まり、5月27日までの月間値幅は38万円(高値97万円、安値59万円)、一日に4万円以上の値幅が出たのは15日、1日に10%以上、乱高下したのは7日もある。変動率(ボラティリティ)を好む投資家が一部回帰したことから、ビットコイン価格は、2018年5月以来となる100万円の大台回復が間近となっている。 2019年1月から3月辺りまでは、規制強化等(レバレッジ倍率は、自主規制法人である一般社団法人日本仮想通貨交換業協会が定める「証拠金取引に関する規則及びガイドライン」にて4倍まで引き下げる)を背景に積極的なレバレッジ取引(証拠金)を行う投資家が大幅に減少したことから、出来高は2017年比では減少していたが、足元、一日の値幅が大きくなるにつれて出来高は復調している。 投資家からすると、やはり株式、為替とは比較にならない値動きの軽さが魅力なのだろう。上記の通り5月に入り10%以上の値動きが5日もある金融商品はほとんど存在しない。株式市場で例えるのであれば、毎日、新規上場(IPO)が行われているようなものだ。 一部で上場企業の2020年3月期の純利益は28兆4500億円程度と前期比で1.4%減と2期連続での最終減益となる見通しと伝わるなど、国内株への期待感はさほど高くない。米中貿易摩擦の解消が見えない限りは、国内株とくに東証一部上場の大型株への積極的な投資は考えにくいだろう。大型株への投資意欲が低下したことも、ビットコイン市場に資金が多少流入する要因と考える。 もっともボラティリティが高いということは、それだけハイリスク・ハイリターンである。足元、こうしたハイリスクを許容できる投資家がアグレッシブに動いているのだろう。 正直、ビットコインの価格がこの4月以降、一気に値を飛ばし始めた背景は明確にわかっていない。ビットコインを筆頭に暗号資産(仮想通貨)は、ファンダメンタルズよりもテクニカルもしくは需給面の影響が大きい市場であることから、大口の買い戻しなどが反発のきっかけだったと考えるが、高いボラティリティに魅せられたかつての投資家が、足元の値動きを見て一部戻ってきたのだろう。 一方、チャート形状を確認すると、2018年11月から2019年3月にかけて、ソーサーボトムを形成していたと見ることができる。ソーサ—ボトムはフォーメンション分析の一つで、受け皿(ソーサー)のような形状なので、「鍋底」もしくは「ラウンドボトム」とも呼ばれる。 ソーサーボトムは、底値圏の期間(出来高は減少)が比較的長く、戻す時はなだらかなのが特徴である。ボトムを確認するのが比較的難しいフォーメーションとなるが、買いのタイミングはソーサーが始まった際の価格(2018年11月14日の70万円水準)を上回った瞬間である。 実際、5月10日にこの水準を上にブレイクした際、出来高は増加していることから多くの投資家がエントリーしていることがわかる。その後、戻り高値91.5万円をつけた後、75万円台まで急落する場面がみられたものの、70万円台から80万円台でのもみ合いを1週間ほど続けたあと、足元90万円台半ばで推移している。この70万円台から80万円台の値固め期間は、ソーサ—ボトム形成で必要な「プラットフォーム」だったと考える。 「プラットフォーム」形成後のビットコインは、ソーサ—ボトムのセオリー通り、出来高を伴い上への展開を見せている。あまり長い期間、この価格帯で推移すると「短期的な反発局面は終了した」との見方から短期筋による売り圧力が強まる可能性はあったが、1週間のもみ合い後、出来高を伴い、上を意識した地合いとなっていることから、市場の次のターゲットは心理的な節目である100万円となっている。 足元の上昇において、どこの国の交換所の商いが増加しているのか精緻な分析が必要(日本市場主導であれば100万円がターゲット、米国市場主導であれば1万ドルがターゲット)となるが、5月中旬に米CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)のビットコイン先物の出来高が過去最高を記録したことを考慮すると、「規制強化中である日本が主導している」は考えにくい。 となると大台のターゲットは100万円ではなく1万ドルという見方もできよう。もっとも2018年4-5月のドルベースの戻り高値は9700ドル水準である。ドルベースでの大台回復を期待する前に、2018年4-5月の戻り高値9700ドル水準のクリアを確認したいところだ。 《SI》