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11日の香港市場概況:ハンセン3.0%安で急反落、テック指数5.2%下落で全面安

2022/4/11 18:00 FISCO
*18:00JST 11日の香港市場概況:ハンセン3.0%安で急反落、テック指数5.2%下落で全面安 週明け11日の香港市場は、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比663.71ポイント(3.03%)安の21208.30ポイントと急反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が281.88ポイント(3.76%)安の7208.49ポイントと大幅に4日続落した(ハンセン指数は約4週ぶり安値)。売買代金は1222億8230万香港ドルとなっている(8日は1031億3030万香港ドル)。 投資家のリスク回避スタンスが強まる流れ。中国の新型コロナウイルス感染再拡大や、米国の長期金利上昇が懸念された。上海市政府の発表によれば、10日の新規感染は2万6087人に拡大し、事実上のロックダウン(都市封鎖)を実施しているにもかかわらず、過去最多を連日で更新。行動抑制の長期化も警戒される中、物流の混乱などで、すでに複数の工場が稼働停止を余儀なくされている。中国のインフレ懸念も改めて意識。朝方公表された今年3月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の上昇率が事前予想をそろって上回った。また米国では、金融当局者のタカ派(引き締めに積極的)発言が相次ぎ、米10年債利回りは一時2.7%台に乗せ、2019年3月以来の高水準に達している。(亜州リサーチ編集部) 「ニューエコノミー」関連銘柄に売りが先行。ハンセン科技(テック)指数は5.2%安と他の指数をアンダーパフォームしている(構成銘柄は全面安)。個別では、動画配信プラットフォーム中国大手のビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が13.2%安、高性能データセンター開発・運営の万国数拠HD(GDSホールディングス:9698/HK、GDS/NASDAQ)が10.0%安と下げが目立った。 自動車セクターも安い。長城汽車(2333/HK)が13.0%、蔚来汽車(ニーオ:9866/HK、NIO/NYSE)が11.4%、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が9.9%、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が8.1%ずつ下落した。業界の成長鈍化懸念がくすぶっている。ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車が報告した今年3月の営業実績では、新車販売台数が前年同月比で8.9%減小した。マイナス成長は3カ月連続となっている。電気自動車(EV)メーカーの蔚来は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、完成車の生産を一時停止したと説明した。 そのほか、リチウム電池素材メーカーの江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が15.0%安。蔚来のEV生産一時停止に加え、カン鋒リ業の主要顧客でもある米テスラ(TSLA/NASDAQ)がリチウム採掘・精製事業参入を検討中との報道が売り材料視されている。 レストランチェーンなど中国の外食関連も急落。海倫司国際HD(9869/HK)が13.5%安、九毛九国際HD(9922/HK)が11.9%安、海底撈国際HD(6862/HK)が9.6%安、呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)が7.8%安で引けた。 デベロッパーや管理サービスの中国不動産セクターも売られる。合景泰富地産HD(1813/HK)が10.3%安、碧桂園HD(2007/HK)が6.8%安、融創服務HD(1516/HK)が11.2%安、碧桂園服務HD(6098/HK)が9.1%安で取引を終えた。 他の個別株動向では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が8.6%安。同社が発表した今年3月の営業実績では、スマートフォン用レンズの出荷数が前年同月比8.1%減少した。マイナス成長は10カ月連続となっている。 一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比2.61%安の3167.13ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。自動車株、金融株、不動産株、酒造株、食品飲料株、素材株、医薬品株、運輸株なども売られた。 亜州リサーチ(株) 《FA》