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サイバーコム Research Memo(8):3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023~増収増益の継続~」は順調

2022/4/11 15:08 FISCO
*15:08JST サイバーコム Research Memo(8):3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023~増収増益の継続~」は順調 ■今後の見通し 2. 中期計画について サイバーコム<3852>は、3ヶ年中期計画「サイバーコムビジョン2023~増収増益の継続~」を2021年12月期からスタートしている。基本方針として、1) 満足度の追求、2) サービス提供型ビジネスへの転換、3) 戦略的投資による拡大(事業拡大投資、人財投資、システム投資)の3点に取り組むことで持続的な収益成長を目指している。また、今回新たに環境経営方針を策定した。SDGsへの取り組みや働き方改革への取り組みが求められるなか、同社は「『環境』と『暮らし』をICTで支える」をテーマに、事業活動を通じて様々な社会課題の解決に貢献していく方針だ。 外部環境としては、コロナ禍に伴いテレワークが普及するなどワークスタイルの変革が起こるとともに、情報セキュリティ対策の重要性が高まるなか、5Gの商用化やAI、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、AR/VR技術の実用化によって様々な市場が立ち上がっている。企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みはますます活発化し、これらの技術を支えるソフトウェア開発の需要も拡大すると予想されることから、同社にとって成長機会は大きいと言える。 2023年12月期の業績目標としては、売上高17,200百万円、営業利益1,060百万円を目指すことを新たに発表した。コロナ禍においても計画は順調に進捗していること、2022年12月期予想に対して売上高で5.5%増、営業利益で6.0%増であることから、2023年12月期の業績目標も達成可能な水準であると弊社では見ている。 今後の成長戦略並びに重点施策として、以下の取り組みを推進していく方針を掲げている。 (1) ソフトウェア開発事業 ソフトウェア開発事業の成長戦略としては「変化&創造」をテーマに掲げ、DX対応力の強化や対応領域の拡大、直接受注の拡大に取り組むことで継続的な売上成長を目指していく。 a) 通信ソフトウェア開発 通信ソフトウェア開発では、5G/ローカル5G関連の需要拡大に対応するために技術者の増強・育成を図るほか、超高速モバイルIP制御、通信基盤の仮想化、IoT技術領域の拡大などが今後の戦略テーマとなる。特に5G/ローカル5G関連については、サービスエリアの拡大とともに機能強化に向けた開発プロジェクトが続くこと、ローカル5Gを活用した新サービス等の開発プロジェクト増加が見込まれることから、当面は堅調な売上が見込まれる。6Gの商用化が見込まれる2030年頃までに一旦端境期に入る可能性もあるが、6Gの開発プロジェクトでも同社が活躍する余地は大きい。6Gでは、NTTとNECグループが世界進出を目指して基地局等の共同開発を進める予定で、開発プロジェクトの規模も5Gよりも大きくなることが予想される。 b) 制御ソフトウェア開発 制御ソフトウェア開発では、AI技術を活用したロボット制御分野への挑戦と、車載システムのなかでも今後の成長が見込まれるCASEやMaaS等の先進技術が要求されるモビリティ分野への展開に注力していく。また、自動車分野においても、自動運転技術の実現には高速無線通信技術が必要とされるため、同領域で高い技術開発力を持つ同社にとっては受注拡大の好機になると弊社では見ている。 c) 業務ソフトウェア開発 業務ソフトウェア開発では、クラウド技術者(AWS、Microsoft Azure、GCP)やAI(画像認識、予測)・RPA技術者の増強による受注能力の拡大に加えて、IoT技術をベースとしたDX対応技術の高度化や、スマートデバイスへの対応力強化に取り組むことでさらなる成長を目指す。特に、需要が旺盛なクラウド関連やIoTソリューションに対応していくための技術者の採用・育成が成長のカギを握ると見られる。また、景気変動の影響を受けにくい公共分野についても注力分野として位置付けている。 (2) サービス事業 サービス事業の成長戦略としては「新サービスの確立」をテーマに掲げ、「Cyber Solution Plus」シリーズでICTの総合ソリューションサービスを育成していく。また、SIサービスではワンストップサービスの確立、自社プロダクトでは徹底した顧客目線での提供に取り組む方針だ。 a) SIサービス SIサービスのうちサーバ/ネットワーク構築分野では、多様化するクラウド基盤(AWS、Microsoft Azure、仮想化等)への対応力を強化していく。また、顧客の多様なニーズに対応するために、サイバーセキュリティ技術やネットワーク仮想化技術の高度化に取り組み、構築系技術者の増強を図ることで、売上成長を図っていく。 運用・保守分野では、運用設計技術者の増強とRPA活用による効率化の推進を図っていく。また、評価検証サービス分野では、プロトコルを含む次世代通信規格への対応(5G、IOWN※)やテスト自動化支援ツールの活用による効率化などに取り組んでいく。 ※IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)は、NTTが2019年に提唱した次世代情報通信網のことで、ネットワークだけでなく端末処理まで光化する「オールフォトニクス・ネットワーク」、サイバー空間上でモノやヒト同士の高度かつリアルタイムなインタラクションを可能とする「デジタル・ツイン・コンピューティング」、それらを含む様々なICTリソースを効率的に配備する「コグニティブ・ファウンデーション」の3つで構成されている。2024年頃に仕様を固め、2030年頃の実用化を目指している。 b) 自社プロダクト 自社プロダクトでは、「Cyber Smartシリーズ」や「楽々セキュアコネクト」「Cyber Position Navi」「Cyber Position Navi Plus」等の拡販に注力していく。販売戦略としては、オンライン営業の強化に加え、「Cyber Solution Plus」シリーズのメニュー拡充によるソリューション提案を強化し、アライアンスなども積極的に推進する予定だ。一方、開発面では顧客ニーズに応じた柔軟なカスタマイズ、機能拡張や利便性向上、プロダクト連携など顧客視点に立った開発を進めていく方針だ。 (3) 重点施策(多様な人財の活用) 持続的な成長を実現していくうえで重要となるのは人財であるとの考えの下、人財投資に関しては様々な取り組みを推進していく方針だ。採用については、既述のとおり2022年12月期に新卒採用130名、中途採用65名と過去最高の採用を予定しており、2023年12月期以降も同様のペースで採用を進めていく予定である。また、外注パートナーとのリレーション強化や新規パートナーの開拓など、受注能力の拡大にも取り組んでおり、着実に進捗している。 需要が旺盛なクラウド移行案件に対応するため、スペシャリストの養成にも注力する。専門特化組織として「未来グループ」を2022年1月に立ち上げ、AWSやMicrosoft Azureなどの認定資格取得者の増員を目指している。また、リーダー育成や若手社員の社会人基礎力を養成するため、階層別の教育研修も強化していく予定だ。 このほか、働き方改革の推進によるワークライフバランスの向上については、残業時間の低減や有給休暇の取得促進、子育て支援施策の強化、定年度再雇用制度の充実などに取り組んでいる。また、社員のエンゲージメント向上施策としては、オンラインカンファレンスや座談会等でのコミュニケーションの活性化、若手社員のキャリア形成を支援するキャリアアドバイザーの活用や、フォローアップ研修を強化する方針だ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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3852 東証スタンダード
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時価総額 15,258百万円
富士ソフト傘下のソフト開発会社。通信分野に強み。受託開発主体にSI、自社パッケージも展開。通信ソフトウェア開発は好調。23.12期3Q累計は増収増益。富士ソフトによるTOBは成立、同社株は上場廃止へ。 記:2024/01/09